iPS細胞を発見された京都大学山中伸弥教授が、今年のノーベル医学・生理学賞を受賞されたニュースはまさに快挙という思いで感動しました。ときどき受賞される日本の研究者の感動とは違う感慨を持ったのは、私だけでしょうか。
iPSの「i」だけが小文字になっているのは、何かいわれがあるのかと思いきや、近年の携帯機器のiPADからヒントを得たということですから、若い研究者らしい発想だなと思いました。
研究の中身は素人のぼくが、あれこれいえる知識もありませんが、考えさせられたことがあります。それは相変わらず研究費が乏しいという現実です。
研究所でまかなっていくことには限界があり、また現実に役立つものではないと受け止める政府もなかなか予算をつけないということも大きな妨げになっているようです。
日本の固い頭の官僚や研究に関心を寄せない為政者が一番のバリアのように見受けます。山中先生は、趣味でもあり、健康維持のためにフルマラソンに出場して、多くの市民に募金を呼びかけておられるとも知りました。すばらしいアイデアです。
辛いことではないかと思います。しかし、今度の文科大臣の田中真紀子さんは、これから10年合計で300億円の助成金を出すということを発表しました。いつになくスピードのある判断です。
しかし、どうしても心配の種は付きません。そこでネットで募金の依頼をしたところ、何と早速2000万円も集まったということを知りました。市民の応援は何よりでしょう。こうした善意がある日本人のやさしさに心打たれます。
この募金を礎に難病で苦しむ人たちを少しでも早く救うことができるよう、関係者の一層のの取り組みに期待したいものです。
市民の一人としてとてもすばらしい出来事に、おめでとうございます、との思いを伝えたいところです。そして今度は「村上春樹さん」の文学賞でしょうか。今夜の発表が楽しみです。
やさしいタイガー