初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

ピアノ協奏曲第4番 (ラフマニノフ作曲)

2009年05月31日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番です。

ラフマニノフはこの曲を友人の勧めで、1914年ごろから作曲にとりかかりますが、その後アメリカに渡った彼は、ピアニストとしての仕事が忙しくなった事もあり、完成したのは1926年になってからでした。
しかし、何度か手直しを加えたようで最終的には1938年に最終稿をまとめたようです。

と、言っても素人には、どこがどういう風に変わったかは知るよしもありませんが、他のピアノ協奏曲と比べると比較的スッキリとした感じで、最後まで一気にズバッ!と聴ける勢いのある曲だと思います。




 第1楽章:管楽器と弦楽器がムクムクと湧き上がると、トランペットがビシッと決めて、
 ピアノが堂々と始まります。
 力強くピアノの響きが、低音弦楽器の刻むリズムに心地よく響くと、
 ピアノは徐々に細かくなり、フルートやイングリッシュホルンが入ると、
 少し、しっとりとした感じになっていきます。
 次第にゆっくりとしたテンポに変わると、ピアノはとても艶やかに響き、
 しっとりとしたムードをたっぷりと聴かせてくれます。
 そう思うと、また急にテンポが速くなり、なめらかにそのフレーズを
 聴かせていきます。
 めくるめく展開を終えると、また低音がじんわりと響きはじめ、
 力を溜めるようにじっくりと、じっくりと聴かせ、
 徐々に盛り上げていきます。
 トランペットが響くと劇的な音色を聴かせ、大きく盛り上がります。
 金管楽器も大いに鳴り響き、ピアノがその余韻のように聴かせると、
 今度はフルートがスルリと入り、
 ホルン、イングリッシュホルンなどを交えながら、静かに聴かせていきます。
 そして、最後の盛り上がりを見せると美しい弦楽器の響きを聴かせ、
 たなびくようなピアノのフレーズを奏でると、ラストはバシッと決めます。

 第2楽章:ポツリとつぶやくような高音のピアノが、ひっそりと響くと
 弦楽器は更にしなやかにその響きを聴かせます。
 更に甲高いピアノの響きが続き、ゆっくりとそのメロディを聴かせていきます。
 少し弦楽器が大きく響くと、ピアノも後に続き力強い響きを繰り返します。
 そして、また静かな響きに戻り、ゆっくりと噛みしめるようにそのフレーズを続けます。
 すると、急に低音のピアノがズシリと響き始め、不安の表情にも似たフレーズを聴かせます。
 低音の弦楽器がぞわぞわと動きますが、静かな雰囲気はそのままです。
 やがてフルートが響くと、少し明るい兆しが見え始めたのか?
 弦楽器もなめらかになり、少しずつグッとくる音色を聴かせます。
 そして、だんだん静まりながら余韻を残すように第3楽章へ
 
 第3楽章:スネアドラム(小太鼓)とトロンボーンが急にバ、バン!と一声、
 その勢いにはじかれたようなピアノがコロコロと転がり出すと、
 可愛らしいフレーズが響きます。
 途中何かにぶつかって高く弾みながらも、どこまでも転がっていくようです。
 オーケストラの豪快なフレーズを挟んで、
 更にピアノが勢いをつけると、タンバリンやトライアングルのリズムも軽やかに
 どこまでも転がっていきます。
 途中に入る、スネアドラムや、トランペットなどの楽器をまるでハードルを
 次々に超えるように、軽やかによけながら軽快にとばしていきます。
 トランペットが入ると、ようやくなだらかになったピアノの響きに、
 ヴァイオリン他の弦楽器が、しなやかに優しくその音色を聴かせると、
 しばしの休息とばかりに、美しい調べを聴かせてくれます。
 そして、いよいよクライマックスへ向けてフルート、トランペットが高らかに響くと、
 低音の弦楽器やチューバなどがゴツゴツと続きます。
 気づくとピアノだけが寂しく響いています。
 そして何やら静かに動き始めると、ピアノのフレーズにつられて、
 徐々に他の楽器が集まりはじめ、少しずつ盛り上げていきます。
 シンバルが少しずつ響き、スネアドラムがそれを煽り、トライアングルが
 まだか?と催促するようにピアノを促すと、
 トランペットの前奏を入れて、大いに盛り上がると、
 金管楽器もバリバリと始まり、とにかく様々な楽器が派手に鳴り響くと、
 最後はサッと終わります。
 

ラフマニノフの「ピアノ協奏曲」といえば、第2番第3番が有名ですが、なかなかどうしてこの第4番!(最近まで知らなかったんですが)
急展開によりどりみどり、ラフマニノフ好きにはたまらない一曲じゃないでしょうか?
とにかく展開が速いので、文章を書いていると、いつものように、かなり長くなってしまいましたが、演奏時間は約25分と、彼の他の曲に比べるとやや短め。

それぞれの楽章でも緩急がかなり効いているようにも思えますし、最近ではなかなかのお気に入り。よかったら是非聴いて欲しい曲ですが、
なにしろ結構な急展開の曲なので、初心者にいきなり勧めるのは若干のためらいもありますが、その辺を気にしなけれは是非一度どうぞ。

≪オススメCD≫
アシュケナージで聴いてみました。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第4番

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆☆☆★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆★★★
楽:☆☆☆★★


≪おすすめシチュエーション≫
めくるめくピアノ協奏曲


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
第4番、良いですね。 (みやけん)
2010-11-27 13:53:14
第4番のピアノ協奏曲、私も好きです。
ただ、最終版よりも1926年のオリジナルの方がはるかに素晴らしいと思います。特に、最終楽章。相当改訂されていますが、結果的にオリジナルよりも平板になってしまったように感じます。時間的にも圧縮され、明快になった反面、深みが失われてしまいました。アメリカの聴衆の好みに合わせて書き直そうとしたのかもしれませんが、やっぱりオリジナルの方がずっとラフマニノフらしく思います。少なくとも2種類のCDで聴けるのはうれしいですね。
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オリジナル (けい)
2010-12-02 00:08:29
みやけんさん
返信遅れてスミマセン。
4番やっぱりいいですよね。
自分は最終版の短い曲しか聴いたことないですが、緩急が効いていて急展開に感じるのは短縮版だからなのかもしれないですね。

それにしても、オリジナル版の長い演奏も、みやけんさんのコメントを見ていると、なんだか聞いてみたくなりますね。
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