初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

弦楽セレナーデ (ドヴォルザーク作曲)

2009年03月13日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はドヴォルザーク:弦楽セレナーデです。

「弦楽セレナーデ」と言うと、チャイコフスキーの同名の曲の方が有名で、今回のドヴォルザークの方が知名度としては一般的には劣るようですが、

今回紹介するドヴォルザークの弦楽セレナーデは、確かにチャイコフスキーのものと比べると、それほど盛り上がったり、劇的な展開があったり・・・、という訳ではありませんが、しなやかな弦楽器の特徴を活かしたじっくりと聴ける一曲だと思います。

ほんのりと聴かせるところがあったかと思えば、ざっくりと刻んだり、と自然に曲が流れるうちに、様々な表情をのぞかせてくれる一曲です。
全体的には、やや悲しい面持ちのある曲調ですが、その中でもいろいろな変化を楽しめます。

そして、「“弦楽”セレナーデ」なので演奏はもちろん弦楽器だけです。だから、その意味では、慣れないと(初心者には)若干たいくつしてしまう曲かもしれませんが、逆に言えば、深い味わいを持った「大人の一曲」ということもできるかもしれません。



 第1楽章:ゆるやかにささやくような弦楽器が、やさしくリズムを刻みながら
 始まると、ほのかに香るようなメロディがゆっくりと浮き上がります。
 やさしく響くそのメロディは低音弦楽器に押されるようにしてゆっくりと
 盛り上がっていきます。
 少し落ち着いて、リズムが変わると、ヴィオラやチェロなどの中音域を中心に
 しなやかに聴かせます。
 そして、またゆっくりと最初のメロディを聴かせて、しなやかに終わります。

 第2楽章:少し悲しいワルツのメロディが流れると、少し切ない気分になります。
 途中、そんな空気を断ち切るような、弦楽器がサラリとひとつ入ると、
 少し明るくなりますが、それでも気が付くとまた、いつのまにかもとの悲しい
 ワルツのメロディがよみがえります。
 そして、今度は弦楽器が大きく弦楽器が仕切りなおすと
 少し疲れたような響きが始まります。しかし、その響きはだんだんと
 力を蓄えながら強くやさしい響きに変わっていきます。
 やがて低音の弦楽器が更に力強くその音を聴かせると、何かふっきれたようにも
 感じますが、しばらくすると、またワルツのメロディが始まり、
 最後はひとつ大きなフレーズを残して終わります。

 第3楽章:あっけらかんとした、明るいメロディが始まると、軽やかな響きは
 徐々に勢いをつけながら、大きく盛り上がっていきます。
 それから、少し静かになると、ゆっくりとしなやかにその響きを聴かせ
 チェロのゆったりとしたリズムにのせて、ヴァイオリンの美しいフレーズを聴かせます。
 そして、今度は明るいメロディがチェロなどの低音弦楽器で始まると、
 その響きに勢いを借りて大きく盛り上がっていきます。
 最後はちょっと静かに聴かせるとスッキリと終わります。
 
 第4楽章:ヴァイオリンの音色がすうっとしみるように始まると、
 チェロが寄り添うようにやさしくその音色をエスコートしていきます。
 そして、チェロのメロディがしなやかに流れると、ヴァイオリンが
 その後を追うように、美しい響きを聴かせます。
 急にプイっと顔をそむけるような音がすると、一瞬お互いに様子をうかがうような
 雰囲気になりますが、すぐに仲直りして、ゆったりと静かにそのフレーズを
 たどっていきます。
 そして、お互いが静かに見つめあうように、ゆっくりとした時間が流れると、
 そのままいつのまにか眠りにつくようにして終わります。
 
 第5楽章:緊迫感のあるヴァイオリンが甲高く響くと、軽快なリズムにのって
 俊敏なフレーズが続きます。
 しばらくすると、ちょこまかとしたフレーズになり、ラストに向けて少しずつ
 曲を盛り上げていきます。
 はじめのフレーズを何度も繰り返しながら、険しい道のりを?き分けていく
 ように何度も繰り返しながら、ゆっくりと聴かせたり、激しくなったり・・・、
 すると、第1楽章の最初のメロディがふっとよみがえります。
 ゆったりとなだらかなメロディを聴かせて、そのまま静かに終わるのか?
 と思いきや!最後は大きく盛り上がって賑やかに最後を飾ります。


終わり方がなんともニクイですね、この曲。静かに始まって最初のメロディで静かに終わる・・・のかと思わせておいて、「実はまだありますよ」みたいなこの終わらせ方。
おちゃめと言うかイジワルと言うか、でもそこがまた面白くて良かったりして。
そんな弦楽器の魅力がたくさん詰まったこの曲なんですが、

冒頭にも紹介した通り≪「弦楽セレナーデ」つながり≫として、CDではチャイコフスキーと同じアルバムで販売されることもしばしば、
ご多分に漏れず、自分も最初はチャイコフスキー目当てで買ったCDに、「たまたまドヴォルザークの曲が入ってた」くらいにしか思ってませんでしたが、(なんてヤツだ)いざ改めて聴いてみると、なかなかどうして、気を張らずに落ち着いて聴ける名曲でした。


≪オススメCD≫
やっぱりチャイコフスキーとセットが多いみたいです。
チャイコフスキー:弦楽セレナード
デイヴィス(サー・コリン)
ユニバーサル ミュージック クラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆★★★
哀:☆☆☆★★
楽:☆☆☆★★


≪おすすめシチュエーション≫
弦楽器の多彩な表情を味わえます


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