初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

ピアノソナタ第23番「熱情」

2006年03月16日 | ベートーヴェン
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベートーヴェン:ピアノソナタ第23番「熱情」です。

「熱情」タイトルだけでも、ちょっと暑苦しい感じがしますが、そうなんですね、結構
暑苦しいですね。いやいや、そんな事ない!とっても熱い想いなんですね。でもやっぱり
この曲の感じからすると、絶対片思いですよコレ。

「熱情」というタイトルは、やはりベートーヴェン自身がつけたものではないようですが、
それにしてはぴったりとハマったタイトルだと思います。誰が付けたか分かりませんが
これ以上この曲にふさわしいタイトルもないでしょうね。それくらい熱い想いだと思い
ます。

ピアノソナタとしても代表格のような存在の曲ですから、CDもたくさんありますし、
テクニックとしても、そうとうなものを要するんだと思いますから、聴く分にもかなり
聴き応えのある曲です。ただ、全体的にとてつもなく暗い曲ですから、十分な心構えを
もって聴かないと、はじめてなんの気なしに、名曲だから、と思っていきなり聴いてし
まうと、かなり衝撃を受ける事になると思いますから、くれぐれもご注意ください。


 第1楽章:少しあやしげな雰囲気をもった低音のフレーズから始まりますが、一度火が
 付いてしまうと、もう抑えられないこの想い、まるで禁断の恋に落ちてしまったかの
 ように、激しく苦しいメロディがとめどなくあふれ出してきます。
 一度は、自分の激しい想いに気付いて落ち着いた表情を見せる場面もありますが、
 やはり一度ハマってしまうと、もう引き返す事はできません、その想いをいくら抑えよう
 としても、隠そうとしても、もうどうしようもありません。そんな自分を抑えられない
 情けない想いも手伝っているのか、まるで奈落の底に落ちていくような、もう二度と現実
 の世界へは戻ってこれそうにもないような、そんな曲です。

 第2楽章:叶わぬ想いと、気が付いたのでしょうか?1楽章とは変わって対照的にとても
 落ち着いた曲調です。しかし、なぜか悲しい曲です。相手の事を思い出しながら、過去
 の想いに浸って、しっとりした感じの曲になっています。きっと楽しい思い出もあった
 んでしょう。時折、高音のとても繊細で綺麗なメロディも「今となってはいい思い出」
 のように自然に聴こえてきます。でも、絶対告白はしてないですね。この曲調だと、
 そんな風に思ってしまうほど、少し切ない曲です。

 第3楽章:2楽章で、叶わぬ想いと思いとどまったのかと思いきや、「やっぱり忘れられ
 ない」再び苦しい葛藤の中に追いやられたかのように、熱い想いがふつふつと込み上げ
 てきます。
 もう、どうしようもありません。行き場の無くなったあふれる想いが、まるで荒れ狂う波
 のように激しく押しては返しを繰り返していきます。「どう言えば自分の気持ちを理解
 してもらえるのか?」いや、それとも、「どうすれば、この気持ちを自分の中でうまく
 処理できるのか」曲を聴いているだけなのに、何故か歯がゆいもどかしい気持ちになって
 しまいます。
 最後に、自分なりに気持ちを整理しようと、努力するような曲調も見せますが、ここまで
 来てしまうと、もはやどうする事もできません。正に「熱情」を抑えきれないまま曲は
 終ってしまいます。


テクニックもそうとう入りそうなこの曲ですから、聴いているだけでも一度この曲の魅力に
取り付かれてしまったら、もうきっと引き返せない事でしょう。いや、実際好きなんです
よね、この曲。そんな魅力にとりつかれてしまったひとりです。

≪オススメCD≫
ベートーヴェンの熱い想いを感じてみてください。

ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番&第14番&第23番&第26番
グルダ(フリードリヒ), ベートーヴェン
ユニバーサルクラシック

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【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆☆☆★  →激☆☆☆☆☆
哀:☆☆☆☆☆
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
激しい恋の思い出があれば、ベートーヴェンの気持ちも判るかも。

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