たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?
今日はラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番です。
ラフマニノフのピアノ協奏曲と言えば、第2番の方が有名で昨年はフィギアスケートとか、ドラマ「のだめカンタービレ」などでも取り上げられた曲ですが、こちらの第3番も繊細かつダイナミックな要素を併せ持った名曲ですから、せっかく第2番を聴いてラフマニノフに興味を持ったならばこちらも是非聴いてみるといいと思います。
とは言え、こちらも第2番に負けず演奏時間も40分程度と結構長いんですね、コレが。なのでその意味では初心者にはつらい曲かも知れません。ただ、ピアノという無限の可能性を秘めたこの楽器の特徴を限りなく引き出した名作の名にふさわしい曲である事も間違い無いと思いますから、演奏時間が気にならない人は是非聴いてみてください。
第1楽章:暗い感じのチェロの序奏(イントロ)から、不安げなピアノが切々と
鳴り始めます。
ピアノの不安な響きは、速いパッセージに変わるとやがて焦りへと変わっていきます。
オーボエやクラリネットが入ると、そのパッセージは更に熱くなり迷走していくよう
にも聴こえてきます。
そして、コントラバスの低音がザックリと入りホルンがグッと首をもたげるように
ゆっくりとおおらかに響かせます。
オーボエが小走りなメロディを奏で、少し落ち着いた表情になると、ピアノソロが
なめらかに流れ出し、管楽器と共に美しい旋律を奏でます。
しばしの休息のようにうっとりとできるひと時を与えてくれます。
そしてテクニカルなピアノをサラッと聴かせてくれますが、
冒頭のフレーズに戻り、再び不安のよぎる展開になります。ミュート(弱音器)
トランペットが加わると不安は更に度合いを増していきます。
さらにピアノは激しさの音色を強め、トランペット、ティンパニ、が打ち鳴らし
ホルンが雄叫びを上げると、激しさは頂点を迎えます。
その後、ピアノは荒れるように右往左往しもがいていきます。
そして苦しみの中からも主メロディにたどり着き、めくるめく超絶のソロを
繰り広げていきます。(聴き所ですね。)
長くて美しく苦しみに満ちたソロが終わると、冒頭のフレーズを聴かせてようやく
曲を終わります。
第2楽章:ヴァイオリンの美しくも悲しいフレーズにあわせて、まるで途方に暮れて
しまったようなオーボエが響きます。
そんなこころに出来た隙間を埋めるようにチェロが切なくそうっと響きます。
しかし、ヴァイオリンのあふれる悲しみは抑えきれずどっと流れ出してきます。
そこへピアノが一見すると無秩序に表れますが、今回のピアノは落ち着いています。
ゆっくりと静かになごやかな音色をしっとりと響かせます。
途中ではときおり、感情が乱れたように激しくなる事もありますが、それさえも
美しく儚く聴こえてます。
そんな感情の高ぶりを抑えつつ、あくまで冷静さを崩さずに曲を続けます。
そして後半からは、素早いピアノのパッセージが響きます。
ここでも必死に高ぶる感情を抑えようと戦っているようです。
ホルンがもの悲しげな音色を歌うとようやく落ち着きますが、ヴァイオリン等の
弦楽器がまるで代弁をするように激しくひとつ、ため息のような響きを聴かせます。
第3楽章:すると、それまで抑えていたピアノの激しい感情が一気にあふれ出すように
とめどなくながれオーケストラを巻き込んで、激しい曲調に変わり、3楽章が始まります。
トランペットが勢いよく鳴ると、ダイナミックなフレーズが流れ出します。
しかし今回のピアノは悲しい響きではなく、全てをぶちまけて吹っ切れたように
少し明るい響きを聴かせます。
ピアノは徐々に明るくなり、中盤では少しきどったようなオシャレなフレーズも
耳障りがよく、心地よい響きを鳴らします。
落ち着いて余裕の出てきたピアノはオーボエやフルート、ホルンともおだやかな
やりとりを見事にこなしていきます。
そしていよいよラストに差し掛かると、激しく襲い掛かるようなフレーズが
流れますが、それさえもものともせずに立ち向かい、底力を発揮してシンバルや
トランペットを味方に付けて、バッタバッタとなぎ払うように堂々と進んで
いきます。
そして、湧き上がるようなヴァイオリンの見事なフレーズでクライマックスを
展開すると、勝ち誇ったように派手に盛上がってサッと終わります。
ラフマニノフのピアノ協奏曲を最初に聴いたのは第2番からでしたが、そのときはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番が聴きたくて、CDを買うと、ラフマニノフの第2番も録音されていました。最初はラフマニノフなんて作曲家の名前すら聞いたことありませんでしたから、とりあえず・・・、聴いてみると、さすがにクラシック音楽自体を聴き始めた頃だっただけに、なんでこんな暗い曲を作るのか意味が分りませんでした。
だけど、しばらくいろんな曲を聴いているうちに、だんだんと第2番も聴き直す様になり、改めて聴いてみるとピアノに込められた激しい感情がようやく分るようになり、とても素晴らしい曲だということが分りました。
そして、今回紹介した第3番も、ラフマニノフの名作ですからよかったら聴いてみてください。ただ、自分がそうであったように、第2番と同様にこの第3番も初心者に頭からオススメするのは難しいかもしれませんが、何がきっかけでその曲が好きになるか分りませんから「改めて」いろいろ聴き直して見ると新たな曲との出会いが見つかるかもしれませんね。
≪オススメCD≫
よかったらリンパニで聴いてみてください。
【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆☆☆☆
哀:☆☆☆☆★
楽:☆☆☆★★
≪おすすめシチュエーション≫
いろんな事を思い出しながら聴いてみるといいかもしれません。
♪ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番はこちら
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今日はラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3番です。
ラフマニノフのピアノ協奏曲と言えば、第2番の方が有名で昨年はフィギアスケートとか、ドラマ「のだめカンタービレ」などでも取り上げられた曲ですが、こちらの第3番も繊細かつダイナミックな要素を併せ持った名曲ですから、せっかく第2番を聴いてラフマニノフに興味を持ったならばこちらも是非聴いてみるといいと思います。
とは言え、こちらも第2番に負けず演奏時間も40分程度と結構長いんですね、コレが。なのでその意味では初心者にはつらい曲かも知れません。ただ、ピアノという無限の可能性を秘めたこの楽器の特徴を限りなく引き出した名作の名にふさわしい曲である事も間違い無いと思いますから、演奏時間が気にならない人は是非聴いてみてください。
第1楽章:暗い感じのチェロの序奏(イントロ)から、不安げなピアノが切々と
鳴り始めます。
ピアノの不安な響きは、速いパッセージに変わるとやがて焦りへと変わっていきます。
オーボエやクラリネットが入ると、そのパッセージは更に熱くなり迷走していくよう
にも聴こえてきます。
そして、コントラバスの低音がザックリと入りホルンがグッと首をもたげるように
ゆっくりとおおらかに響かせます。
オーボエが小走りなメロディを奏で、少し落ち着いた表情になると、ピアノソロが
なめらかに流れ出し、管楽器と共に美しい旋律を奏でます。
しばしの休息のようにうっとりとできるひと時を与えてくれます。
そしてテクニカルなピアノをサラッと聴かせてくれますが、
冒頭のフレーズに戻り、再び不安のよぎる展開になります。ミュート(弱音器)
トランペットが加わると不安は更に度合いを増していきます。
さらにピアノは激しさの音色を強め、トランペット、ティンパニ、が打ち鳴らし
ホルンが雄叫びを上げると、激しさは頂点を迎えます。
その後、ピアノは荒れるように右往左往しもがいていきます。
そして苦しみの中からも主メロディにたどり着き、めくるめく超絶のソロを
繰り広げていきます。(聴き所ですね。)
長くて美しく苦しみに満ちたソロが終わると、冒頭のフレーズを聴かせてようやく
曲を終わります。
第2楽章:ヴァイオリンの美しくも悲しいフレーズにあわせて、まるで途方に暮れて
しまったようなオーボエが響きます。
そんなこころに出来た隙間を埋めるようにチェロが切なくそうっと響きます。
しかし、ヴァイオリンのあふれる悲しみは抑えきれずどっと流れ出してきます。
そこへピアノが一見すると無秩序に表れますが、今回のピアノは落ち着いています。
ゆっくりと静かになごやかな音色をしっとりと響かせます。
途中ではときおり、感情が乱れたように激しくなる事もありますが、それさえも
美しく儚く聴こえてます。
そんな感情の高ぶりを抑えつつ、あくまで冷静さを崩さずに曲を続けます。
そして後半からは、素早いピアノのパッセージが響きます。
ここでも必死に高ぶる感情を抑えようと戦っているようです。
ホルンがもの悲しげな音色を歌うとようやく落ち着きますが、ヴァイオリン等の
弦楽器がまるで代弁をするように激しくひとつ、ため息のような響きを聴かせます。
第3楽章:すると、それまで抑えていたピアノの激しい感情が一気にあふれ出すように
とめどなくながれオーケストラを巻き込んで、激しい曲調に変わり、3楽章が始まります。
トランペットが勢いよく鳴ると、ダイナミックなフレーズが流れ出します。
しかし今回のピアノは悲しい響きではなく、全てをぶちまけて吹っ切れたように
少し明るい響きを聴かせます。
ピアノは徐々に明るくなり、中盤では少しきどったようなオシャレなフレーズも
耳障りがよく、心地よい響きを鳴らします。
落ち着いて余裕の出てきたピアノはオーボエやフルート、ホルンともおだやかな
やりとりを見事にこなしていきます。
そしていよいよラストに差し掛かると、激しく襲い掛かるようなフレーズが
流れますが、それさえもものともせずに立ち向かい、底力を発揮してシンバルや
トランペットを味方に付けて、バッタバッタとなぎ払うように堂々と進んで
いきます。
そして、湧き上がるようなヴァイオリンの見事なフレーズでクライマックスを
展開すると、勝ち誇ったように派手に盛上がってサッと終わります。
ラフマニノフのピアノ協奏曲を最初に聴いたのは第2番からでしたが、そのときはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番が聴きたくて、CDを買うと、ラフマニノフの第2番も録音されていました。最初はラフマニノフなんて作曲家の名前すら聞いたことありませんでしたから、とりあえず・・・、聴いてみると、さすがにクラシック音楽自体を聴き始めた頃だっただけに、なんでこんな暗い曲を作るのか意味が分りませんでした。
だけど、しばらくいろんな曲を聴いているうちに、だんだんと第2番も聴き直す様になり、改めて聴いてみるとピアノに込められた激しい感情がようやく分るようになり、とても素晴らしい曲だということが分りました。
そして、今回紹介した第3番も、ラフマニノフの名作ですからよかったら聴いてみてください。ただ、自分がそうであったように、第2番と同様にこの第3番も初心者に頭からオススメするのは難しいかもしれませんが、何がきっかけでその曲が好きになるか分りませんから「改めて」いろいろ聴き直して見ると新たな曲との出会いが見つかるかもしれませんね。
≪オススメCD≫
よかったらリンパニで聴いてみてください。
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第3コリンズ(アンソニー), リンパニ(モーラ), 新交響楽団, ラフマニノフユニバーサルクラシックこのアイテムの詳細を見る |
【コレってどんな曲】
喜:☆★★★★
怒:☆☆☆☆☆
哀:☆☆☆☆★
楽:☆☆☆★★
≪おすすめシチュエーション≫
いろんな事を思い出しながら聴いてみるといいかもしれません。
♪ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番はこちら
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……と思っていたら、ラフマニノフの生涯が始まりましたね。いつもいつも勉強になります。
楽しみにしています。
ラフマニノフの生涯は…、ピアノ協奏曲第3番の記事を書いてて、そう言えば話題になってたし・・・と思って初めてみました。書いてて自分でもどんな生涯なのか楽しみです。