お菓子の先生が
娘の進学お祝い会を
開いてくれました。
小学四年生のときに
はじめてマロンケーキを
習ってから
9年経ちました。
その時からいっしょだった
おないどしの友達と
一年、二年先輩の
お姉さんたちも
一緒にごはんを食べました。
作ってくれたのは
あの、蕗谷さん。
稲村ヶ崎にある
蕗谷さんのお店
「虹」にて。
なんと、貸し切りです。
蕗谷さんのおじいさまは
絵描きさんでした。
この、可憐な女の人の絵が
おじいさまの絵です。
お店の名前も、おじいさまのお名前から
ひともじ取っているそうです。
テーブルのうえに
とてもきれいなお品書き。
鳥来月献立、とあります。
なんて読むのかしら、と
つぶやいてみたら
娘の友達がささっと検索して
教えてくれました。
さすが、女子大生(笑)
とりくつき、と読むそうです。
四月の、陰暦でのなまえ。
おなじ月でも、たくさんの
呼び方があるのだとか。
お料理が運ばれてきました。
まながつお、ふわふわの焼き物。
山菜にはお酢をつかったジュレが。
お皿には青の染め付けで
小鳥が描かれています。
これは蕗谷さんのご親戚の手によるもの。
大きな家族のみなさんに
手厚くもてなしていただいている
心地よさです。
平目、めじ鮪、あおり烏賊のおつくり。
おしょうゆのほかに、
煎り酒という調味料が。
お酒に梅酢、お米、出汁を加えて
炊いたのだそう。
平目をつけていただくと
口当たりはさらり、
噛みしめると甘味とうま味。
しあわせな味。
蕗谷さんが平目をまるっと
さばくのを
興味しんしんで覗く
お嬢さんたち。
こんなことを許してくれる
日本料理のお店なんて
あるでしょうか。
お品書きにはなかった
このかわいいお魚は
諸子(もろこ)。
那珂川産ですって。
ほろほろとおいしい。
出汁茶漬けの薬味の
山葵の茎の醤油漬けが
香りも歯触りもよく
おいしかったです。
蕗谷さんはときおり
厨房からでてきて
「いかがですか、
だいじょうぶですか」
とおっしゃいます。
これだけ素晴らしい
腕をもっていらっしゃるのに。。。
甘味は
もちっとした薄焼き生地に
つぶあんとバニラアイス。
桜の葉と、桜の花漬けが
添えてあります。
お干菓子もいただきました。
学校も住んでいるところも
全然違うけれど
小さな頃から一緒に
月に一回
お菓子を作りながら
笑いあったり
じゃれあったり
愚痴りあったり
(笑)
お菓子教室の周年祭では
スクールカフェを
協力しあって企画運営したり
いつのまにか
それぞれ
やりたいこと
なりたい自分
みつけて
あるいは
みつけようと
もがいて
かわゆいお嬢さんたちは
頼もしく眩しい
お姉さんたちに
なっていました。
蕗谷さんのお料理には
そんな彼女たちへの
あたたかく応援する
きもちが溢れていました。
あらためて
娘がたくさんの
素晴らしい大人と
憧れの先輩と
心許せる友達に
囲まれていることが
しみじみ嬉しいいちにちでした。
帰り道、海を見下ろす坂道で
小鳥が春をうたっていました。
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