まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

災難。

2016-09-05 23:30:51 | 日記
例えばたまたま取った電話で
ヒステリックに喚かれたり

例えばたまたま通った道の
頭上から突風に煽られ昨夜の雨つぶが
木の枝からどっさり降り注いだり

そういや昔お世話になってた
超有名な振り付け師について
うちの娘は「災害だと思ってる」と
言ってたな
どこに怒りの地雷があるか
わかんないし
理不尽でもなんでも
言われた通りにしなきゃいけなかったから

よく、因果応報っていうけど
あれ本当だろうか

私そんなに良い子にしてたわけじゃ
ないと思うけど
身にあまる幸せを享受してるなあと
思うことがよくあるし

そこまで悪いことしたわけじゃ
ないと思うけど
こんなひどい物の言われようを
するんだなあと思うこともままあるし

だから
誰かにひどい目に遭わされたとしても
それについて
私にきっと落ち度があったんだとか
ダメな人なんだとか
落ち込まなくてもいいんじゃないかな

昔、仕事をご一緒してる先生に
こんな話を聞いた

旦那様が長く海外に単身赴任してる頃
娘さん二人と先生は寂しかったので
よく一緒にお風呂に入ったり
一緒の部屋で川の字で眠ったりしてて

ある日お風呂で妹ちゃんの方が
「学校でね、嫌なことする子がいてね」
と話し始めたんだそう

先生はかつて同じような話を
お姉ちゃんの方から聞いたことがあって
その時には「でもあなたにも悪いところが
あったのかもしれないよ」と言ったので
今回も同じように言おうとしたら

「◯◯ちゃんは悪くない!
絶対悪くない!」
って、お姉ちゃんが妹をぎゅっと抱きしめた

妹ちゃんはポロポロ泣きながら
そうだよねそうだよねって
自分に言い聞かせるように言った

つい、お行儀のいいようなことを
言ってた自分が恥ずかしかった、と
先生は言ってた

因果でもなく
ましてや
神様が与えた試練
なんてもんでもなく

唐突に降ってきた
迷惑な災難

それ以上でも以下でもない

だから愚痴でもこぼしながら
天井の穴を塞ぎ窓ガラスをテーピングして
一人じゃ大変だから手伝ってもらって
心と生活の平穏を
一刻でも早く取り戻して

また新しい1日を
始めるのがいいと思う





中国茶的世界

2016-09-05 21:59:16 | カフェ
日本茶も紅茶もウーロン茶も
同じお茶の木の葉っぱなんだよ、って
小さい頃に聞いた時
いったいどうしたらそんなことが
できるんだろうと不思議だった。
確かその時に受けた説明は
日本茶は発酵させない、紅茶は発酵させる、
ウーロン茶は半分だけ発酵させる
っていうやつで
ますますよくわかんなかった。
もう仕方ないからそのまま
不思議だなーと思いながら
いろんなお茶を飲んでいた。

こないだのちゃぶ台カフェで
そんな不思議な世界の入り口を
チラ見させてくださった
河野さん
ぜひお茶会を!という周囲の声に
応えてくれた。

用意してくださったのは

序 阿里山 台湾高山烏龍 (青茶)


一 白豪銀針 超特急 福建省 (白茶)


二 碧螺春 09 明后前期愛子 (緑茶)


三 宝珠 (緑茶茉莉花茶)


四 白豪烏龍 東方美人 (青茶)

五 黒茶

白茶は低めの温度でしっかり抽出、お出汁のような旨味。
緑茶は日本茶にも似ているけれど香りが特徴的。
くるんと可愛らしい姿の葉っぱ、華やかで心地よい香りのジャスミン。
葉っぱが緑色で、くるっとしてて、香りが素晴らしいのでその名がついた碧螺春。
東方美人、ドライアプリコットみたいな甘い香り。
最後の黒茶は、10年物。あと20年寝かせると、最高に美味しくなるんだって。

はじめは、炒め物として食べていた植物だというので


お茶を飲んだあとの葉っぱを食べてみたり。
食べるのに不向きなものもあるんだって。


みんなで持ち寄ったお茶うけ。どんなものが合うのか手探り。
あとで聞いたら、黒茶にはチョコなんかもいけるらしい。



河野さんは持ってる情報を惜しみなく開示してくれながら
次々とお茶を淹れてくれる。
なんだか時間の流れ方がとても緩やかに心地よく
4時間も長居してしまった。

広大なかの国のことだ。
地域によって気候も環境もまるで違うところで
たとえ同じ種類の植物でも作られるお茶は様々。
めいめいが好きなお茶を持ち寄って、卓を前に
長時間あらゆる話(政治だったり策略だったり)
をしながら、互いのお茶を交換しつつ飲む。
おそらく、「この段階になったら芳香でテンションを上げていこう」
「ここはむしろリラックスできる落ち着いた味わいで」
なんていうセッティングもされたに違いない。
子供が生まれると、黒茶を固めたものを誂えて飾り
成人や結婚の節目の祝いに淹れる、というのも
面白かった。

小銭をくれたら、お茶が飲めるんだけど、
と話しかけられたことがある。
ロンドンの小さな公園で、相手はホームレスの老婦人だった。
21歳の私は恐ろしくて逃げるように去ってしまったが
そういう時は気前よく小銭を渡すものだと
後から誰かに教わった。
お茶くらい、みんなが飲めなきゃね。とその人は言い
確かにその通りだなと反省したんだった。

この世で一番手っ取り早く確実に幸せを感じられるのは
お菓子を作ることだと思っているのだが
そこにもう一つ
「美味しいお茶を淹れること」
というのも追記しよう。

河野さん、たくさんのおもてなしをありがとうございました。
ご一緒した皆さん、楽しい時間をありがとうございました。