まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

8周年ライブを記念日ぽくなく演る男。

2015-06-26 23:21:09 | 日記


いまのムスメとおなじ歳の頃
ロンドン郊外の家庭にひと月ばかり
お世話になった

にこにこ優しい家主は
看護士してるシングルマザー
こどもが二人、8歳と5歳
彼らの父は週末にやってくる
その他の日には恋人の
若いドイツ人が来ていた

やっぱりそのへんの感覚が
色々違うのは文化の差なのかな
などとぼんやり思いながら
どちらの男性とも仲良く遊ぶ
こどもたちを眺めていた

彼女にとっても私は
まるで違う星から来た
存在だったのかも知れない
ある日なんの話の流れだったか
こんなことを質問された

「日本人の花嫁も、泣くの?」

ふいをくらって、なぜか
食い付き気味に
そりゃ泣きますよ、
むしろ日本人のほうがわんわん泣くでしょ
って云いたかったんだけど

おふこーす

って云うのが精一杯だった

そんなことをふと
思い出した
マスターの歌う
「ウエディングソング」

六月の花嫁は
なぜ幸せになれるんだっけか
そもそも梅雨っていう概念の
ない文化圏での話だったか


ともあれ今夜のライブは
マスターの選ぶ
六月といえば?!な曲満載で

雨の日と月曜日は憂鬱、を
カバーした直後
最新作 「曇りの日と火曜日は憂鬱」
は、サブタイトルで、
「ウルトラメジャーセブン」
の電撃発表

若い頃はもやっとした感覚が
許せなかったそのコードを
(なかなかいいじゃん)と
感じられるようになったのは
オトナになったから、だそう(笑)

そんな、もやっとしたり
しっとりしたり
めそめそしたりのセトリのなかで
際立つぱっかーんな明るさの
「似合わなすぎていとおしい」

奥様へのラブソング
ただし、TVタイアップ(笑)

8年前の6月、
ひっそりとオープンしたお店で
ひっそりと行われたという
ファーストライブ

そして今夜
周年イベントにするでもなく
ふつうにいつもの月のように
歌うマスター

ふつうに、いつものように
できることこそが
格別に嬉しいことなのだ、と

帰り寄ったトイレの
今月のCD
歌うたいでもある奥様の
甘く柔らかい声

マスターのしあわせな
ふつうのまいにちは
彼女あってこそで

記念すべき6月に
そのことへの感謝を
ひそやかにこめて
歌ってたのだろう



店に着いた時点で
ほぼ席は埋まっていたので
ふだん座らないカウンターへ

そこに飾られていた小さな楽器が
主の奏でる音に揺れていた