まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

感じるな、考えろ

2015-06-06 21:38:32 | 日記

河野式 疑食のすすめ☆ホワイトカレー実食会


ユニークなお友だちぞろいの私の
Facebookのフィードに
頻繁にあがってくる怪しい食べ物の写真。

朝ごはんに、カスピ海ヨーグルト。
それはとてもおいしそう。
そこへ、ナッツやグラノーラ乗せ。
うんうん、とてもおいしそう。

そこへ、チアシード、ドライフルーツ。
なるほど、栄養強化ね。
オリーブオイル。
んー?コクがでるのかな?
しらす、めかぶ、なっとう、焼き鮭、
バセリ、トマト、クミン、カルダモン
コリアンダー、って、まてまてまてまて!!

製作者(実験者?)は、河野さん。
別のイベントでお会いした時に
あれはいったい?と伺うと

そもそも、おいしいってなんだ?
ってことなんですよね。
と、にっこり。

実食会をするというので
興味津々、参加してきた。

まずは、プレゼン一時間。(笑)



現在、ソウルフードと位置付けられている
イタリアのトマト料理、ドイツのじゃがいも料理など
は、実はここ300年くらいの歴史。
それも、大きな飢饉で、
それまでは食べようだなんて考えもしなかったものに
しかたなく手をだした、というきっかけ。

人が、おいしいと感じる要素は
いくつかある。
糖分、油分など、生命保持に必要なもの。
学生時代の楽しい思いでにまつわるもの。
食べなれているもの。

そして、調理加工することで
ヒトはサルから進化し知能を高めていった。
つまり脳に必要な栄養素を短時間で摂取できるようになり、余ったエネルギーを捕食以外の活動に使えたのだ。

ネズミはいちにちに10時間を
食べることに費やすらしい。

思い出すのは、「マンモスの墓」
しょーもない歌詞のしょーもない組曲。
こどものころ嫌々歌ってたやつ。

マンモスはいつでも腹がぺこぺこで
おなかがすいて眠れない
どうしよう。。。
「もっと食べよう!」
それでますます大きくなって
それでますます腹ペコで
おなかがすいて(以下略)

結局、マンモスの滅んだ理由は
寝不足だった、というオチ。

さらに2年前に開発された
パーフェクトフード
「ソイレント」。
粉末を水に溶かして飲む。
毎日の食事にかける時間は
15分(5分×3回)だけとなり
人工増加に伴う食料不足の問題も
解決と。
ただし、食感は
「川底の泥水」だって。

そこまできちゃったか、人間。
とおもいきや、
セレブの風潮は有機食。
こちらは、地球がどうこうよりも、
わたしがおいしいものを安全に
食べられたらそれでよい的思考。

人間がいくら進化したとしても
生きてゆく環境がだめになってしまったら
どうにもならないよね。
それに、進化してゆくことと
幸福感を得ることとは同義じゃない。

ここでやっと、本日のメインイベント
ホワイトカレー。

千年に渡り、各地でヒトが食べ物としてきたアイテムを集めて、混ぜる。
あえて、調理加工から離れ、
おいしさを求めない方向で。

ヨーロッパの、ヨーグルト。
南米の、チアシード。
北米の、レーズンやドライクランベリー、ナッツ。
アジアの、クミンやカルダモン、コリアンダー、ココナッツ。
トマト、パセリ、ツナ、オリーブオイル。




河野さんのこの笑顔には、なにがあらわれているんだ?!



小さなカップで試食。

不思議なことに、味は悪くない。
むしろ、おいしいって言える。
だけど食感はいただけない。
もし他の食材で、口に入れてこれだったら、まちがいなく吐き出す危険レベル。

参加者の後ろ向き発言に
手を叩いて喜ぶ主催者(笑)

次に、参加者がそれぞれの好みで製作。



私は、クルミやパセリを細かくし、
アーモンドとピスタチオをごろり、
ドライフルーツたくさん、チア、
クミンとペッパー、オリーブオイル。

「おしゃれな味!」だって。



藤江さんは、トマト、ほうれんそう、パセリに
細かくしたナッツ、ツナ、スパイス、オイル。
よく混ぜたのち、上から軽くヨーグルト。

「オードブルにいい!クラッカーほしい!」という味わい。



西田さん作、水ナスとパセリがメイン。
オリーブオイルと塩で、おいしさがあがる。


やってみてわかったことは
やはりヒトは自然な流れだと
食べ物をおいしく加工する方向へと
進むんだよな、ということ。
あえてそっちへいかない、というのは
なかなかに意思の固さが必要。

大した仕事してるでもないのに
ごはんの時間さえ惜しい、と
思うことがある私。
ソイレントも少し、興味あるな。
でも、そうやって貯蓄した時間が
好きに使えるんなら
手間隙かけてお金もかけて(笑)
おいしいケーキを作りたい。
なんだかとっても自己矛盾。
でもそういう複雑さが
ヒトのヒトたるゆえんだったり
しないだろうか。