既に今日は一月も九日、
正月気分も抜けて、
普段の自分らしさを取り戻す。
新しき年を迎えた間もなくは、
神の前で手を合わせ、こうべを垂れて
戴いた神聖なる清々しさと、
静かなるも、希望へと向かう
意気込みが心に宿り、
柄に合わず、
どことなく畏(かしこ)まった
自分がいたが、
時が経つにつれ、
張り詰めた気分もいつしか緩み、
普段の心へと落ち着きを取り戻す。
それはそれで気楽でいいが、
折角、神妙な心持になれたのなら、
一度、心に留めたことは一年を通して、
忘れずにいようと考える。
例年のことながら、
「今年こそは」
と定めた目標を、気負うばかりで
実行に移さずにいることが、
余りにも多すぎる。
かつて、
とある洋風居酒屋の常連客で、
年齢も、職業も、男も女も混在した
酒と自然をこよなく愛し、
四季を通してキャンプを愉しむ
アウトドア・クラブの仲間がいた。
時を経て、それぞれの生活環境が変わり、
現在は年賀状だけのやり取りになったが、
今年も年賀状には
キャんプに、釣りに、登山に、
家族でアウトドアを愉しむ写真の横に、
キャンプのお誘いがある。
にもかかわらず、
毎年のように折角の好意を
こちらは、反故(ほご)にする。
それで、今年の年賀状には
キャンプの代わりに
「是非、我が家で
外食(そとめし)をやりませんか」
と、お誘いのコメントを
添えることにした。
そんな思いは、キャンプ仲間に限らず
いろんな方への思いと、少しも変わりない。
勝手な思い過ごしかも知れないが、
血縁の無い方が
親しき人と認めてくれる
この有難さ。
「人の情けも、生もの」
食品同様、賞味期限を過ぎれば、
永きにかけて築いた人情も、友情も、
劣化の一途を辿れば、
元の木阿弥(もくあみ)の
遅きに失することになる。
故に、自ら放った約束は、
「けして、不履行にしない」
と心し、
今年の目標にすべき、
愉しみの一つにした。
「 Take It Easy 」
気楽に臨めば、容易くできる。
何事も大事なことは、
今、自分にできることを
自分らしく、気負わずにやること。
新しい年を迎え
希望へと向かう意気込みが
心に宿り、
「今年こそは」と、今年も決めた。
「 Take It Easy 」
ジャクソン・ブラウン