一つの屋根に暮らす者にとって、
モノを味わう趣(おもむき)、いわゆる趣味や、
食べ物の嗜好が共通することは
幸せなことである。
家の中で
異なる趣味や嗜好が混在することは
別に悪いことではないが、
できれば共通している方が、
暮らしをシンプルにしてくれる。
我が家はその面、
「きわめてシンプル」と言ってよい。
どちらかが主導になることもあるが、
流れる音楽も、香漂う料理も、
共に趣味・嗜好が同じであることは、
そこには一切、違和感から受ける
苦は存在しない。
それほど嫌いなものでも無ければ、
接する内に次第に感化され、
その内、好きになるケースは、
「世に先例は、数多(あまた)ある」
共通する趣味の一つ、
例えば我が家では、「庭仕事」。
少しばかり、洒落て言うなら、、
「ガーデニング」
限られた狭小の敷地に
庭を造り、畑を作る。
所狭しと、草木を植え、
花を咲かせ、野菜を育て、
暮らしは貧しく、土地は狭くても
庭を、畑を、自然を愉しむ。
庭の主要な形成の一つ、草木は、
頻繁に植え替えることは無いが、
花や野菜や果物は、季節物。
その季節が訪れる前に、
種苗を買い、土を買い、
肥料を買い、時に鉢を買う。
葡萄、メロン、トマト、スイカ、トウキビ、等々
夏野菜菜や、夏の果物が
今、蔓を伸ばし、花を咲かせ、実を付けはじめた。
「もっと、土地があれば、子供たちに
美味しい野菜を届けられるのに」
スージィーは嘆く ・ ・ ・
子や孫や、あるいは親しき人たちに
届ける夏の贈り物はすべて、
「植物繊維、天然素材」。
何もすることが無い土曜日、
トネリコの木の下に、三年前に作った、
「いちご畑」の柵が朽ちていたのが
気になっていたので
小一時間ほどかけて修理した。
修理した後で気付いた
「ここは畑になる!」
翌日、リトルから帰ってきたスージィーに
「畑予定地」を見せたら、
「日当たりも良いし、
ここなら何か植えられる」
と喜んだ。
かくして、次の休日の
仕事が見つかった。
以前、スージィーのこぼした一言を
思い出した。
「よそのお家よりも、家が断然に高いのは、
エンゲル係数と、エンゲイ係数」。
それを聞いた瞬間、私は
「座布団一枚!
いや、もう一枚!」
「エンゲル係数」に引っ掛けて
「エンゲイ(園芸)係数」とは
うまく言ったもんだと感心した。
これを、「言い得て、妙(みょう)」と言うが、
この妙、
はたして、どこの誰から
感化されたのでしょうか?
画像は、「メロンの花」
いつかは、あの子に届く贈り物の
今は「花 」
「花」
すべての人の心に花を
唄:夏川りみ
ギター:吉川忠英