ロンドン五輪の蔭に隠れた
嬉しいニュースがあった。
10年に一度、
世界の映画監督358人が投票で決める
「世界で最も優れた映画」に
小津安二郎監督の
「東京物語」が選ばれた。
選ばれた理由として
「その域を完璧の技術に高め、
家族と時間と喪失に関する非常に
普遍的な映画をつくり上げた」
と評価した。
この物語は、尾道に住む老夫婦が
東京の子供たちを尋ねるが、
長男も長女も仕事が忙しく、
二人をかまってくれない。
一番親身にかまってくれたのが
戦死した次男の嫁(原節子)だった。
老父(笠智衆)は
「妙なもんじゃ、自分で育てた子供より、
他人のあんたのほうがようしてくれて」
と、次男の嫁に感謝する。
この記事が、今日の読売新聞の
「編集手帳」にある。
今日の日記に
「東京物」を引っ張ってきたのは
ジーナの「別府(修学)旅行」と、
ヴァリィーの、そのコメント。
故郷リトルや家族を核としてできた、
親子、夫婦、兄弟、師弟、そして、同級生との「絆」。
そして「郷土愛」。
「かけがいのない絆を喪失したくない」
と、みんながそう願っている。
たった3人の「わいた登山」も、
49年ぶりの「修学旅行」も、
ヴァリィーの
「元気な内にわずかでも、なにか恩返しを!
と思っています」も、
、
動機は、すべて「絆への感謝」にある。
前述の「選ばれた理由として」にある
普遍的な映画つくりの
「普遍的」とは、
いつの時代も、どこの国でも
「みんなが、そう願っている」
という意味であり、
「東京物語」が
「世界で最も優れた映画」に
選ばれた理由がここにある。
この映画の収められた「小津安二朗全集」と
「黒澤明全集」の二つの「DVD/BOX」は、
私の「宝物」の一つだが、
同様に、故郷リトルで生れて育った「絆」も
私のかけがえのな「宝物」である。
「宝物に感謝です。
「絆に感謝」です。
どうか動機が、同級生の間で
「普遍的」でありますように!
私たちが、二つの時に公開された
小津安二郎 『東京物語』 予告編