F老人の気ままな島暮らし日記

尾道市生口島で気ままな島暮らしの日々。

カメハメハ大王に会った(かもしれない)最初の日本人(4)

2012年08月28日 21時35分42秒 | 日記・エッセイ・コラム

夷蛮漂流帰国録によれば善松たちはハワイに95日間滞在しました。ソウル船長がカメハメハ大王に宛てた手紙のおかげで最初の1日は野宿のようでしたが、次の日には材木や草を持った200人もの人が来て家を建ててくれました。そこに草で編んだ敷物に上で紙にくるまって寝たそうです。

ハワイの歴史公園にある古い建物です。このような家だったのでしょうか。

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カメハメハ大王は、王は庶民の中に入って行っていろいろな要望などを聴取しなければ政治はできないという考えだったようで、船長の手紙も合わせて、記録にはありませんが善松たちに会ったかもしれないという推論ができるそうです。

善松たちが見た人々の暮らしは1日中遊んでいるように見え、タロイモやサツマイモ、バナナ、パンの木の実、海草、魚、鶏、野鳥、犬、豚などを食べていたことなど日常生活が記録に残されています。

高山先生の本で面白いと思ったのは、善松達から34年後に同じように漂流してハワイに来た人たちが蚊に悩まされたと記録していますが善松たちがいた時期にはハワイに蚊はおらず、1826年にメキシコを経由してきた捕鯨船が水樽をゆすいだ時にハワイに持ち込まれたことが分かっていることです。

善松たちは、お葬式などの儀式なども経験し、貞操観念の異なる現地女性から誘惑されたことも記録されています。

海の男の情けの豊かなデラノウ船長に連れられ、ハワイを離れる善松たちは、名残を惜しみ食物を持ってきてくれたりする人に送られ出航します。世界共通の人の情けを感じたことが残されています。

当時の雰囲気が感じられる地図です。

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