F老人の気ままな島暮らし日記

尾道市生口島で気ままな島暮らしの日々。

読書記録068「立場茶屋おりきー1-さくら舞う(今井絵美子)」

2012年08月21日 22時24分36秒 | 読書記録

和田はつ子さんの料理人季蔵捕物控シリーズに乗れなくなったので、今井絵美子さんの立場茶屋おりきシリースを読み始めました。今井絵美子さんは広島県福山市在住だそうで、享保年間、徳川吉宗のころ、岡山県美作地方で農民が蜂起した「山中一揆(さんちゅういっき)」を描いた「美作の風」を読んだことがありました。歴史資料を丹念に調べ、物語の構成する吉村昭氏的な方かと思っていましたが、本シリーズは平岩弓枝さんの御宿かわせみのようなしっとりとした人情味あふれる気持ちの良くなる本でした。

物語の舞台は品川宿、日本橋から2里、江戸の境界である高輪の大木戸(現在片側が残っています。)を過ぎて、すぐの最初の宿場です。現在の品川駅から八山橋を渡ったところから始まる品川宿は、江戸の近い順に歩行新宿(かちしんじゅく)、北品川宿、南品川宿の三つの宿があり、立場茶屋おりきがあるのはその南、大きなお地蔵さまで有名な品川寺(ほんせんじ)のあたりで品川門前町と言うところです。

10年ほど昔、旧東海道を日本橋から大井川まで歩いたことがありました。品川は2日間かけて、本やパンフレットに載っているところはほとんど行きました。お寺の多いところで江戸時代のものがたくさん残っていました。

おりきは、柔術指南であった父の跡目相続がもめ出奔したいわゆる武士の娘ですが、放浪中に助けられた先代女将の後を継いで茶屋と旅籠を経営しています。気扱いと料理のよさで多くのひいき客を持っていますが、使用人は家族といいながらいろいろな事件と困難に向かっていきます。

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