「葛藤」とは葛(かずら)と藤(ふじ)の枝が絡みもつれ合っていることから、「心の中に相反する動機・欲求・感情などが存在し、そのいずれをとるか迷うこと」であり、そして、その結果「人と人が互いに譲らず対立し、いがみ合うこと」という意味だそうですが、筆者によると韓国ではその上に「本当は分かりあいたいのに、うまくいかない」、「努力しているのに、理不尽で不合理な環境がじゃまをしている」というニュアンスが込められているそうです。

筆者の内山氏は日経新聞のソウル支局長で2012年12月の大統領選挙の結果、韓国の経済・社会・日韓関係・南北関係などを端的に解説してくれています。帯にあるように「なぜこの国はいつも不満なのか?」も・・・
韓国の新聞の日本語版は「落ち目の日本」に対して「成功しさらに伸びつつある韓国」という視点から全てが述べられているように感じますが内実はそうでもないようです。
一番驚いたのは年金制度です。「低負担低給付」が貫かれており、保険料が低い代わりに支給額も少ない。11年度の平均受給額は26万5000ウオン-日本円で約24,000円で最低生活費の約2割です。これでは日本のように「年金生活者」と言う人はすくないのでしょう。経済全体に対する高評価に対する現実の生活、特に貧困比率や自殺者の比率が高い老人層の将来不安、福祉充実の公約と限られた財源など大きな矛盾があるようです。
さらに、李前大統領の竹島上陸、天皇謝罪発言などについて、日本側の反発は明らかに韓国側の想像を超えるものであり、誤算であったという韓国政府内部高官の感想を述べています。
韓国の人口は5,000万人、北朝鮮と合わせるといわゆる朝鮮人は約7,400万人です。ウオンはローカル通貨であるためウオン安を維持しやすくその恩恵で輸出立国を維持してきていますが、国力が付けば必然的に「大国」としての役割を果たすようになるのでしょうか。人口が約6,200万人と大差のないイギリスやフランスと同じように。自己矛盾と将来不安を和らげるため、一丸となって隣国日本を貶めて鬱憤を晴らす-まさかそんなことはないでしょうね。