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理念無き人による理念無き内閣改造

2011年01月15日 18時41分42秒 | Weblog
理念無き人による理念無き内閣改造・・・(オリーブ・徳山 勝)より

政治理念を持たない政治家だと、菅首相を批判して来たが、これほど政治家として理念が欠落し、無節操だとは思わなかった。

菅改造内閣に、「立ちあがれ日本」を離党した与謝野馨氏を経済財政担当相として起用した。

「類は類を呼ぶ」と言うが、与謝野氏も菅氏と同じ無節操な政治家である。そして、クリーンに相応しくない、職務権限の伴う先物会社「オリエント貿易」の迂回献金疑惑の持ち主でもある。

改めて説明するまでもなく、与謝野氏は消費税増税による財政再建論者で、財務省の代弁者だ。

「民主党が日本経済を破壊する」との書を著し、民主党の政策に異を唱えている。

筆者はこの著書を読んでいないので、その内容を詳しく知らないが、書評によると、国民が政権交代に託した民主党の諸政策をバラマキと批判しているようだ。

菅氏は、野党時代から自民党与謝野財政を批判してきたので、記者会見で、菅氏の政治信条と矛盾するのではないか、と突かれた。

それに対して「財政健全化などについて、自民党の中で中心として取り組まれ、また、社会保障のあり方に対しては非常に熱心な方であり、私はそういう所では、私なり民主党の考え方とも、大きな流れとしてはかなり共通性の高い政治家だと認識している」との言い訳・釈明をした。

だが、この菅氏の釈明に対し、先の総選挙で、衆院東京1区で、与謝野氏と争って勝った海江田氏は「選挙で戦うと云うことは、有権者に選択肢を示して判断を頂くと云うことで、当然ながら(民主党の政策とは)違いはあったと思う」と述べたそうだ。

当にその通りで、国民が政権交代に託したのは、民主党と自民党の政策に差があったからだ。国民が何を政権交代に託したか。菅首相はそれが分かっていない。

国民が政権交代に求めたのは、財務官僚を中心にした官僚政治がもたらす、政財官癒着構造による国民からの収奪構造を改め、「国民の生活が第一」の政治であった。

だが、菅内閣は、既に法人税減税を打ち出している。そしてここで与謝野氏を経済財政担当相に就けて、消費税増税を打ち出したことは、再び「大企業優遇」の政治に逆戻りすることを意味する。小泉政治と同じ、新自由主義経済を志向するのだろう。

菅氏は改造人事を発表した後の記者会見で、与謝野氏の名前を挙げ「肝いり人事」だと強調した。「よく言うよ」である。

菅氏は、党大会で挙党一致を言ったのではなかったのか。与謝野氏は「たちあがれ日本」の結党時に、自民党を出るのは反自民となるのではなく、打倒民主党だとの趣旨の発言をしていた。政権内に「打倒民主党」を唱えて、1年も経過していない政治家を抱えて、これで挙党一致になるのか。

話は遡るが、9月の民主党代表選で、菅氏は「一に雇用、二に雇用、三に雇用」と主張した。

だがこの内閣改造で、何か「雇用」が語られたか。

旧年末にテント村は無かったが、雇用が改善されたからではない。

パフォーマンスの必要が無くなったから止めただけだ。雇用対策が何も出来なかったから、今度は「安心できる社会保障」を目玉にしたのだろう。

だが、その実は消費税増税を目論む以外の何ものでもないのだ。

理念なき政治家だから、自分が財務官僚の掌の上で踊っているのに気付いていない。

財務官僚にすれば、自民党だろうが民主党だろうが、消費税増税を実施してくれる政権の後押しをする。

その結果、政権党が選挙に敗れても、後に消費税率アップが残れば万々歳である。

かくして、官僚政治は国民の生活を踏みにじり、永遠に続く訳だ。

菅氏には「国民の生活が第一」の理念が無いから、それを見抜くことが出来ない。

だから、民主党両院議員総会で、菅氏は「この7か月やってきたことは、大きく見て間違っていなかった。

日本がもう一度、元気な国になったきっかけが、あの2009年の衆院選の政権交代だったと言えることを確信しながら、自信を持って進んでいこう」と述べたのだろう。

菅内閣のやってきたことが、「国民の生活が第一」に相反しており、間違っているから、民主党は選挙で連戦連敗なのである。

分かっていない。
 
<徳山 勝>

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