(株式日記と経済展望さんのサイト)より

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軍拡に努力しないで、人々の平和な生活のために努力してくださいな。

<転載開始>

中国の近海からでも米国本土に核弾頭装備の

弾道ミサイルを撃ちこめる能力を持つという

この潜水艦の配備は、西太平洋での米中戦力のバランスを変える。


2013年9月4日 水曜日

中国海軍の最新鋭の晋型原子力潜水艦

 
米国の36カ所を核弾頭が狙い撃ち?

実戦配備の日が近い中国の原子力潜水艦 9月4日 古森義久

国の人民解放軍が最新鋭の戦略原子力潜水艦を完成させ、2014年から実戦配備を始めるという展望が、米軍研究機関から明らかにされた。

 中国の近海からでも米国本土に核弾頭装備の弾道ミサイルを撃ちこめる能力を持つというこの潜水艦の配備は、西太平洋での米中戦力のバランスを変えて、日本と中国との尖閣諸島を巡る対立の構図をも大きく変容させかねないという。

36発の核弾頭を積載する多弾頭ミサイルシステム

 この展望は、米空軍国家航空宇宙情報センターがこのほど作成した報告により明示された。

 同報告によると、中国海軍はこれまですでに遠距離に届く戦略核ミサイルを搭載した094型晋級潜水艦を完成させていたが、そのうち1隻は2014年から定期的な実戦配備のための航行に就くことが確実となったという。

 晋級は中国海軍保有の潜水艦の中でも最も性能の良い原子力艦で、射程距離8000~1万4000キロの潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)12基を装備している。中国海軍ではすでに晋級3隻を完成させたが、これまでは港の停泊中の状況や、あるいは中国本土にごく近い沿岸での活動しか公開してこなかった。

 しかしいまの時点では、技術的な進歩や潜水艦操縦方法の練達によって晋級のうちの1隻は中国本土を離れ、南シナ海、東シナ海、西太平洋の広大な海域でまもなく定期的な活動をすることが可能になったという。

 米軍側の情報によると、晋級潜水艦は将来、新開発の多弾頭ミサイルシステムを装備することを目指している。そのシステムでは各ミサイルが3発の核弾頭を積載し、それぞれの核弾頭は個別に特定の目標に向かうことが可能になるという。

 この多弾頭ミサイルシステムがもし実現すると、晋級潜水艦1隻から最大36カ所を目標に核弾頭を発射できることになる。米国としては本土に大規模な核攻撃を受ける危険が生まれることになる。

東シナ海、南シナ海から米国本土への核攻撃が可能

 中国のこの新たな原子力潜水艦の配備は、米国の安全保障や日本の領土防衛に具体的にどんな影響を与えるのだろうか。

 米国中央情報局(CIA)の元専門官たちが組織した国際安全保障の調査研究機関「リグネット」がその点についての分析をしていた。この8月中旬に公表された分析である。

 その内容の骨子は以下のようなものだった。

・中国の核ミサイル装備の潜水艦は、これまで米国本土に攻撃をかけようとする場合、太平洋を長く航行して、米国にかなり近い水域まで接近せねばならず、その接近を米海軍の攻撃型潜水艦に発見される確率が高かった。しかし晋級潜水艦は、東シナ海、南シナ海からでも米国本土に核ミサイルを撃ちこめる能力を有することになり、米中間での最悪の衝突が起きた場合の中国軍の核戦力が大幅に威力を増す。

・これまで米国との最終対決への準備としての中国の核戦力は、陸上の固定サイロに配備された少数の大陸間弾道ミサイル(ICBM)だけだった。米国本土に確実に届く核ミサイルはこのICBMだけで、しかもそれらのミサイルはミサイル防衛網で守られておらず、早期警戒のレーダーもない状態だった。その状態では米国の先制核攻撃で中国の核戦力はほぼ全滅させられる公算が大きく、米国への核抑止の効力はほとんどなかった。だが晋級潜水艦の配備により、万が一、中国が米国から本土に核攻撃を受けても、潜水艦のミサイルで核報復ができる能力をなお保つことになる。この結果、中国の対米核抑止力が大幅に強くなる。

・これまで中国側の一部軍人が、台湾有事に米軍が介入した場合には米国本土への核攻撃を示唆して脅すというケースがあった。米国側は、中国軍に実際にはその能力がなく、またたとえあっても、米軍が先制で中国の核攻撃能力を破壊することに自信を持っていた。だが晋級潜水艦の実戦配備により、中国側のそうした攻撃能力が強まり、米国の台湾や日本、韓国など同盟国への防衛誓約が侵食される恐れも生じてきた。

・中国の海洋での最終目標は、南シナ海、東シナ海などの近海から西太平洋の多くの部分に覇権を確立することだ。その一端として中国は沿岸から200海里の排他的経済水域の内部では外国の軍事活動を沿岸国としての自国の許可なしに認めないという国際的にも異端な政策を打ち出している。晋級潜水艦の第一線への配備はこうした政策の推進にも資することになる。

米国の核兵器使用が封じ込められる?

 以上の分析では中国は米国本土に核ミサイルを撃ちこむ能力を本気で強め始めたということになる。(後略)

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(私のコメント)

8月31日の「株式日記」では「日本はアメリカがいつまでも同盟国でいてくれると思わないほうがいい。チャーチルは「永遠の敵も永遠の同盟国もない。永遠にあるのは国益だけだ」と言いました。と題して書きましたが、中国の軍事大国化でアメリカはアジアから追い出される日が近いかもしれない。

アメリカは、自らの戦略で中国という大国を作り上げましたが、その中国によってアメリカは戦略的な危機を招いてしまった。もし中国がアメリカとの「戦略的パートナーシップ」を大事にするのなら、核ミサイル原潜は作る必要がありませんが、核ミサイル原潜を着々と配備しているという事は、中国はアメリカの敵となることを示すものだ。

アメリカにおいては、永遠の同盟国などなく、あるのは永遠の国益だけという現実主義は世界一の超軍事大国だから言える事であり、今まではソ連崩壊後はアメリカに逆らえる国はなかった。それが中国という軍事大国化はアメリカの覇権主義に挑戦状をたたきつけている。これは日本にとってはチャンスであり、中国が在日米軍基地を追い出してくれるかもしれない。

60年間にわたってアメリカは日本に軍事基地を置き、事実上日本を軍事占領し続けてきましたが、中国のアメリカに対抗できる軍事大国化で日米安保が事実上空洞化しつつある。古森義久氏の記事でも指摘していますが、単に核ミサイルを持つだけではアメリカに対抗できませんが、核ミサイル原潜を持つことでアメリカから先制攻撃を受けても報復できる能力を持つことができる。

オバマ大統領の親中国的な外交は、ブレジンスキー仕込みなのでしょうが、中国からの硬軟合わせた工作活動でアメリカは中国に対抗できないような国になりつつあるのだろう。中国は何度もアメリカを裏切ってきましたが、中国に軍事援助をして日本の脅威から救ってあげたのに中国は共産主義国家となってしまった。

中国はソ連と手を組んでアメリカに対抗する冷戦時代を作りましたが、中国にも永遠の同盟国などなくソ連と手を切ってアメリカと手を組んだ。ソ連の崩壊には中国の裏切りがあり、ロシアのプーチンはそれを忘れていない。しかしロシアと中国は上海協力機構で手を組んでアメリカに対抗しようとしている。

このような戦略感覚は、戦国時代では当たり前の感覚であり、同盟国が敵対国となり裏切りしあうことは戦国時代の常識だった。ところが日本は大戦による敗戦ボケで60年間日米安保にどっぷりと浸かって来たから政治家たちも呆けてしまった。「株式日記」では自主防衛体制を主張し続けてきましたが、親米派はいても真の保守派はほとんどいないに等しい。

今までもアメリカは中国を舐めきってバカにしてきましたが、中国の核ミサイル原潜に対してアメリカは対抗ができるのだろうか? 地上にあるミサイル基地は先制攻撃で破壊できても核ミサイル原潜は見つけ出して攻撃することは難しい。中国との冷戦時代は始まっていると見るべきかどうかはオバマ大統領ではわからない。オバマ政権には親中派がだいぶ入り込んでいるからだ。

このような米中の軍事的な均衡は、日本にとってはチャンスでもあり、在日米軍は自らの意志でアメリカ本土に引き揚げるかもしれない。中国の核戦力に極東で対抗が出来なければ引き揚げたほうが効率的だからだ。つまり日本との同盟関係はアメリカの都合で一方的に破棄される可能性がある。90年代のアメリカは日本を敵国とみなして封じ込めを図ってきた。その事を日本は忘れてはならない。

ネット上では、中国や韓国が日本が右翼化していると騒いでいますが、右翼化=親米化であり、親米化しているというとアメリカを刺激するので右翼化と言い換えて言っている。安倍総理も親米派であり保守派ではない。保守派なら村山談話や河野談話の否定や靖国参拝を回避したりはしない。自主防衛体制を主張しているのは保守派だけであり、親米派はアメリカに防衛を全面的に依存する政策を取っている。

しかし中国の核ミサイル原潜は、アメリカの極東の軍事力を無力化するものであり、アメリカ軍は自発的に極東から撤退していくだろう。そうなった場合日本の防衛はどうすべきか、中国の核の傘に入るか、自前で核保有国となり、日本も核ミサイル原潜を保有して中国に対抗していくべきだろう。問題はアメリカがそれを認めるかどうかですが、在日米軍の引き揚げと同時に日本の核武装を認めるかもしれない。戦略的にはそこまでの想定はしておくべきだ。