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米国は2011年2月「新100ドル札」発行、「1ドル=80円」突破、中国に「元切り上げ」要求

2010年10月17日 01時06分23秒 | Weblog
米国は2011年2月「新100ドル札」発行、「1ドル=80円」突破、中国に「元切り上げ」要求
(板垣英憲)より

◆「あふれるドル 独歩安-米金融緩和の流れ 投資マネー他国へ」「新たなバブルの芽」「日本、G20控え金縛り」「通貨安競争 世界に亀裂」と朝日新聞が10月16日付け朝刊「2面」の「時々刻々」欄で通貨問題を大々的に報道している。
これは、1面の「米追加緩和 強く示唆-FRB議長『行動する状況』」の記事を受けたものである。
 
「円高ドル安」が象徴するように、円がドルやユーロなどに包囲されていたのが、このところ、ユーロが今年1月以来の8%上昇し高値を記録、豪ドルが10%上昇し、変動相場制移行後の最高値、シンガポールドルが5%上昇して史上最高値、人民元が2%上昇(中国政府が為替取引を制限しているため、上昇は限定的)、ブラジルのレアルは6%上昇し、2年ぶりの高値をそれぞれ記録している。
軒並み「米ドルの独歩安」になっているという。  
 
「円高ドル安」に限定してみると、「1ドル=80円90銭(10月15日夜のニューヨーク外為市場)→79円75銭(1995年4月19日、東京外為市場が史上最高値を付ける)」という輸出産業にとっての危険衰期に限りなく接近している。
 
だから、日本政府・日銀が、単独で為替市場にいくら介入しても、焼け石に水なのである。

介入して一時的に「1ドル=84円」辺りまで円安に振れさせても、すぐに元の木阿弥になってしまう。
 
しかし、以前に述べたように、こうした「ドル 独歩安」の流れは、「経済再建と新たな戦争準備」を大目標とする「新100ドル札発行」が実施される「2011年2月」までオバマ政権が継続する世界戦略であるということを忘れてはならない。
 
さりとて、菅直人政権が、何もしないで、放置しておけば、「経済オンチ」とか「無策」だとか言って国民や財界から猛烈に批判を食らう。
そこで、野田佳彦財務相も「断固として強い措置を取る」などと出来ないことを、いかにも出来るかのようなフリをせざるを得ないのである。
一度は出来ても、二度目は難しくなっている。
 
しかし、日本の輸出総額は、GDPの17%にすぎないというから、以前のように深刻に受け止める必要はない。
多くの企業が、すでに海外に出ており、貿易立国のあり方が、大きく変化しており、むしろ、多額の企業収益や所得が、日本国内にもたらされているからである。
とは言うものの、日本国内で活動している輸出産業の大半が大打撃を被っているのも、事実である。
菅政権は、いつまでも手をこまねいている暇はない。

◆大問題なのは、中国の通貨政策である。さすが5000年とも3000年とも言われる歴史を誇る大国だけはある。
実にしたたかである。
中国製品が洪水の如くアメリカに入ってくるので、貿易赤字がどんどん膨らみ、悲鳴を上げている。
ブッシュ前大統領以来、オバマ政権も要求している「元の切り上げ」に応じようとしないのである。
 
ブッシュ前大統領は、在任2期8年の最後の2年、すなわち、2007年7月10日から2009年1月20日まで、財務長官を務めさせた。
前任のジョン・スノー財務長官は、
ブッシュ前大統領の長年の友人だったが、財政赤字と貿易赤字の双子の赤字が生まれたのに、その解消には、無能無策だった。
ヘンリー・ホールソンは、ジョン・D・ロックフェラー4世(民主党上院議員)がオ-ナーのゴールドマンサックス社CEОを務め、戦略用語「BRICs」(インド人の若い女性がレポートで発表)を全世界に広めた経営者として知られ、中国の江沢民前国家主席、胡錦涛国家主席ら上層部とともに「中国虎の保護活動」を通じて親交があり、「元切り上げ」交渉に力を発揮することを、ブッシュ前大統領は、期待していた。
早い話が、中国版の「プラザ合意」のような形で、為替市場を通じて中国が大量に蓄積している外貨準備金をアメリカに還流させようとしたのである。
 
米中両国は、年に2回、ワシントンと北京で「米中経済対話」を行い、その席上、ヘンリー・ホールソンは、「元切り上げ」を要求し続けた。
 
だが、カウンターパートの中国の女性の貿易・商務・衛生担当だった呉儀・国務院副総理が、極めてしたたかで、中国3000年の歴史を長時間語り、その最後に「わが国は、発展途上国ですから元切り上げは、時期尚早」と煙に巻かれて、なかなか要求に応じようとしない。
この状態が今日でも続いているという。
ちなみに、呉儀・国務院副総理は2005年5月19日には愛知万博視察のため来日、小泉純一郎首相と会談する予定を緊急の公務という理由で急遽キャンセルし、帰国したことで話題になった。

◆ところで、中国共産党1党独裁の北京政府は、保有している「円の放出」、すなわち「円の大量売り、ドル買い」を計画しているという。
要するに、1ドル=80円~79円に突入している為替相場のなかで、円をドルに換えておけば、アメリカが強圧をかけて迫っている「元切り上げ」要求に対抗できると計算しているようなのである。
 
オバマ政権は、北京政府に米国債を大量に買わせており、米国財務省によると、中国の米国債保有額は近年、8015億ドル(約75兆468億円)に及び、それでも一部売却も行ってきており、増減している。
これに対して日本は、アメリカの恫喝を受けて、売却が難しく、その分、アメリカ側は、安心しており、2010年年初以来、日本は累計で553億米ドルの米国債を購入し、その伸び率は7.2%で、このところの米国債保有額総計は8210億米ドル。
日本は中国をしのぎ米国債の最大の購入国になっている。
 
だが、潤沢な外貨準備金を持ち、米国債購入の力は、絶大である。
にもかかわらず、中国は、用意にはアメリカの言うがままにはならない。
それだけに、自由主義、資本主義経済においては、為替の変動相場は、基本的なルールであり、「元の切り上げ」による貿易の収支バランスを実現すべく、北京政府に圧力をかけているのである。

板垣英憲マスコミ事務所

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