学校と市教委、甘い認識=いじめとの因果関係認めず-大津中2自殺
大津市で昨年10月、いじめを受けていた市立中学2年の男子生徒=当時(13)=が自殺した問題では、いじめのサインを見逃した学校側の認識の甘さや対応の遅さが指摘されている。
先週には滋賀県警が暴行容疑で学校や市教育委員会を家宅捜索する異例の事態に発展。
生徒の両親が損害賠償を求め市などを訴えた訴訟の第2回口頭弁論が17日、大津地裁で予定されているが、学校や市教委はいじめと自殺との直接的な因果関係を認めない方針を崩していない。
「自殺の練習をさせられていた」「死んだハチを食わされた」「銀行口座から金を奪われていた」。
学校が男子生徒の自殺後に実施した全校生徒対象のアンケート調査では、いじめの事実を物語る具体的な証言が数多く寄せられた。
市教委は否定するが、複数の生徒は、男子生徒が担任に泣きながらいじめのつらさを訴えていたと指摘したとされる。
昨年10月5日には別の生徒がいじめの実態を直接、担任に訴えたこともあった。
担任が男子生徒らに事情を聴くと「けんか」と答え、学校側は「いじめにつながる可能性がある」としたが、いじめとは判断しなかった。
6日後の11日、男子生徒は自宅マンションで飛び降り自殺した。
アンケートによると、男子生徒は自殺直前、いじめに関わっていたとされる同級生3人に対し「死にます」とメールを送信。同級生は「死ねばいい」と返信した。
自殺後、同級生が「もう死んだか」と笑っていたとする回答も複数あった。
校長は学校の対応について「不十分だったと認めざるを得ない」としながら、「(当時は)いじめだという認識は持っていなかった」と強調。
自殺との因果関係は家庭事情なども含め判断すべきだとの姿勢を変えていない。
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