脱原発ドイツ、原発大国フランスへ電力輸出「愚かに日本では原子力に頼ってきたために、今電気が足りなくなるぞと脅かされている状況」小出裕章 2/20(1)
2012年2月20日(月)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。
脱原発したドイツが、昨年10月から原発大国フランスに電力を輸出していることについて言及しています。
▼原発のないふるさとを:小出裕章
▼20120220 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
=====(文字おこし、ここから)
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに伺います。小出さん、こんばんは」
小出「こんばんは」
水野「よろしくおねがいします」
平野「あ、こんばんは、よろしくおねがいします」
小出「よろしくお願いします」
水野「え…まず、原発が全部停止することになるということについてですけれども」
小出「はい」
水野「わたくし自身は、そんな日が日本にやって来るって想像もしていなかったんです。正直なところ。」
小出「はい」
水野「で…もし1年前にこんな日があるかもって聞かされても、考えることすらできなかったと思うんですね」
小出「はい」
水野「で、もし、そんな日が来るならもう日本は大混乱に陥って、あの…夜は街が暗くなったり、あの…工場が止まったりとか…自分のパソコンが使えなくなったりとかっていうことを、想像していたんです。」
小出「はい」
水野「そんなことはないん…ですね」
小出「はい。もともと、全くありません」
水野「もともと、ないことは、わかっていたんですね」
小出「そうです」
水野「小出さんには」
小出「私じゃなくて政府が、わかっていました」
※一同「ふーむ」
水野「あ、政府はちゃんと数字の上で分かる数字を出していたんですね」
小出「ええ…私は、特別あの…秘密のデータを持っているわけではありませんが」
水野「(笑)」
小出「政府の統計局のデーターが、原子力発電所は全て無くなっても、水力発電所と火力発電所がちゃんと動く限りは、何の問題もないということを示しています。」
水野「はあ……。しかしながら…政府はまだ再稼働を目指してますよね」
小出「はい」
水野「…どう(苦笑)、国民の意識は、今回のことで大きく変わったと思うんですよ」
小出「はい」
水野「あのー、まあ不幸な出来事ではありましたけれどもエネルギーに関する考え方は大きく変わった人は多いかと思いますが。政府は、ま、未だ変わってないように思いますが、いかがですか」
小出「その通りですね。情けない政府だと思います。」
水野「ふーん。あの…これ、ドイツのおはなしですけれども。
ドイツでは、福島の事故があって脱原発を決めました。
そしてそちらの方向に向かってどんどん進んでいくんですね。
えー、ドイツの国内には17基の原発があるんですが。
そのうち、8基が停止になっているんだそうです。で、あのー。平野さん確か…」
平野「はい。」
水野「ドイツが脱原発を決めたのが…」
平野「決めたときに…そうですね、あのー大丈夫なのかと言ってフランスからあの国は、あのー、電力をかっと、買い取ってるから、大丈夫なんだと。フランス頼りなんだという話、」
水野「うーん」
平野「流れましたね」
水野「自国で原発で作らなくてもとなりのフランスからもらえるから、だからそんなことを決められるんだ、と。日本はそれはできないから、無理なんだという」
平野「という話になってましたね」
水野「話、よく出てましたですよね。え…小出さん、」
小出「はい」
水野「ところがですね、ドイツでは、この脱原発をしましたあと、いったんは、その、電力を輸入するより、いや、輸出するよりも外に売るよりも、え…国の外から買わなきゃけない状況になってたんだそうです。
ところがそれが去年10月に、逆転いたしました。
詰まり電力事情は黒字になったんですって」
▼ドイツ:脱原発しても…電力輸出超過 再生エネ増、消費減で - 毎日jp(毎日新聞)
小出「はい」
水野「で、それには太陽光や風力などの再生可能なエネルギーをどんどん割増していったり。エネルギーの効率化をはかったり、と、いうことなんですが。
あの、ドイツでは、今年の2月になりましたら寒さが厳しくなって、フランスに逆に電力を売ったんだそうです」
小出「はい」
水野「ご存知でしたか?」
小出「はい」
水野「あっ……そうですか……」
平野「ああ…」
小出「はい」
平野「(苦笑)」
水野「あの、フランスって、原発大国、でしたよね」
小出「そうですね」
平野「うーん」
水野「その原発大国のフランスがこの寒さで電力が逼迫して、え…原発をフル稼働しても電力が足りなくなったんだそうで」
小出「はい」
水野「逆に、脱原発をしたドイツから、原発大国に減力を売る事態になったというのを、わたしなんか非常に驚くんですが。小出さんはどう受け止められますか」
小出「別に驚くこととは違うと思います」
平野「(笑)」
水野「そうですか(笑)?」
小出「要するにどういう発電方法を、選ぶかってだけのことであって。」
水野「ええ」
小出「日本だって原子力なんて選ばなければ、もっともっと自然エネルギーが開発されてきたはずですし。電力の供給にいついかなる時も困らない状況を作れたはずだと、思います」
水野「はあ……」
小出「全く愚かに日本では原子力などに頼ってきたがために、今なんか電気が足りなくなるぞと言ってみなさんが脅かされているという状況になってしまっているのです。」
平野「ふむー」
水野「ふうーーん」
平野「あのー、今年の、まあ夏ごろまでに国はエネルギー大綱というものを改めて見直して、まとめると言ってますけど。」
小出「はい」
平野「そっちの方向に、再生可能エネルギー、その、シフトするというのは、動きでは、必ずしもないですよね」
小出「ないですね、はい」
平野「これがもう、ちょっと信じられませんねえ」
小出「はい(苦笑)。そう思います」
水野「はあ、つまり、もう1度再稼働の方向でのみ、進んでいくと、いわゆるドイツのような再生可能エネルギーが成長していかない。ということですか」
平野「先生あの、日本もまだまだ、ドイツも一生懸命やってるんですけども、他にも地熱とかバイオとか、様々、あの、再生可能エネルギーの広がる要素はまだあるんですよね。他の国と同じ以上に」
水野「どうなんですか?」
小出「はい。あのもちろんあると思います。
日本はこれまで原子力原子力と、そちらばかりに目を向けて、力を入れて、何兆円ものお金を原子力に投入してきてしまったわけですが。
え…もっと前から再生可能エネルギー資源に、力を入れていればずうっと安定的な供給を保証できるような体制が作れたはずだと私は、思います。」
平野「うん」
水野「うん…。え…もう1つ、福島県の調査について伺いたいんですけれども。
先ほどニュースでお伝えいたしました。放射線量の高い地域、3つの町村で外部被ばく線量の推計、の値が出ました。
で、一般の方で1番高い数字が出たのは、23ミリシーベルト、成人の女性です。
これは、外部被ばくだけで23ミリシーベルト。」
=====(文字おこし、続く)
▼99%が10ミリ・シーベルト未満 県立医大の山下副学長「健康影響考えにくい」 : 福島 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
※回答率が低すぎることなど、けっこう問題がある調査な気がします(管理人)。
水野「どう見たらいい数字でしょうか」
小出「え……普通の皆さんは1年間に1ミリシーベルト以上の被曝をしてはいけないというのが法律です」
水野「はい」
小出「それで。私のようなごく特殊な仕事に従事している人間、放射線業務従事者というレッテルを貼られてる人間は、しかたがないから20ミリシーベルトまでは我慢しろと、」
水野「はい」
小出「言われてきたのです」
水野「ええ」
小出「え…それを23ミリシーベルト…、というのは私のような人間すら、超えて被曝をしてしまった。それもえ…1年、丸1年ではないですよね。え…何ヶ月かの間」
水野「最初の4ヶ月ですね…」
小出「はい。ということですから。え…とてつもない被曝を、すでにさせられてしまった人がいるということです。」
水野「ふーむ。しかしながら、これ、福島県立医大の山下俊一副学長、こうおっしゃっております。え…健康の影響が直ちにあるという数値ではない」
小出「(嗤い)、まるであの事故直後の枝野さん、ですね」
水野「ああ、ありましたねえ…」
小出「はい、はい。あの、直ちに影響が出るレベルではない。
そうです。もちろんそうです。
え…ただちにというのは、急性放射線障害が出るレベルではないという、だけのことであって。
もともとは私たちそんなこと何も言っていません。え…急性でバタバタ死ぬようなことではなくて、これから何年、あるいは10年20年後にガンで死ぬような人たちが出てくるんですよ、ということを、ずうっと警告してきたわけですから。
え…山下さんにそういう人は、じゃあいないのですか、とむしろ聞いてみたくなります。」
水野「うーん…。あるいは山下副学長、こうもおっしゃっていて。年間100ミリシーベルト以下の被曝では明確な発がんリスクはない、と」
小出「はい(嗤い)。」
水野「どうなんですか」
小出「それもだから、実にアカデミズムの言葉で言うならば。」
水野「ええ」
小出「おかしな言い方だと私は思います。要するにあの、疫学的に、統計的に、え…確たる証拠がないというだけのことであって。
え…疫学、だけではなくて、生物学的な実験データーとか、そういう事を総合的に考えれば、100ミリシーベルト以上でも…以下であっても、必ず影響があると、考えるべきだというのが現在の学問の到達点、なのです。
え…当然山下さんもそんなことは十分ご存知のハズなんですけれども。
未だに、え…、証拠がないというような言い方をするというのは、私は不誠実な方だと、思います」
平野「うーむ」
水野「でもこの、23ミリシーベルトのかたにしても外部被ばくだけの量ですよね」
小出「そうですね」
水野「内部被曝…」
小出「はい」
水野「も合わさって、行きますよね」
小出「もちろん。もちろん内部被曝もありますし。」
水野「ええ」
小出「事故直後の数日間というのが決定的な被曝をしたはずなのですが。」
水野「はい」
小出「その時のデータが殆どありませんので。ひょっとするとまた何倍かもしれないというような被曝、の可能性もあると私は思います」
水野「はい。どうもありがとうございました」
平野「ありがとうございました」
小出「はい。ありがとうございました。」
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんにうかがいました」
=====(文字おこし、ここまで)
2012年2月20日(月)、小出裕章氏が、毎日放送「たね蒔きジャーナル」に出演。
脱原発したドイツが、昨年10月から原発大国フランスに電力を輸出していることについて言及しています。
▼原発のないふるさとを:小出裕章
▼20120220 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章
=====(文字おこし、ここから)
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんに伺います。小出さん、こんばんは」
小出「こんばんは」
水野「よろしくおねがいします」
平野「あ、こんばんは、よろしくおねがいします」
小出「よろしくお願いします」
水野「え…まず、原発が全部停止することになるということについてですけれども」
小出「はい」
水野「わたくし自身は、そんな日が日本にやって来るって想像もしていなかったんです。正直なところ。」
小出「はい」
水野「で…もし1年前にこんな日があるかもって聞かされても、考えることすらできなかったと思うんですね」
小出「はい」
水野「で、もし、そんな日が来るならもう日本は大混乱に陥って、あの…夜は街が暗くなったり、あの…工場が止まったりとか…自分のパソコンが使えなくなったりとかっていうことを、想像していたんです。」
小出「はい」
水野「そんなことはないん…ですね」
小出「はい。もともと、全くありません」
水野「もともと、ないことは、わかっていたんですね」
小出「そうです」
水野「小出さんには」
小出「私じゃなくて政府が、わかっていました」
※一同「ふーむ」
水野「あ、政府はちゃんと数字の上で分かる数字を出していたんですね」
小出「ええ…私は、特別あの…秘密のデータを持っているわけではありませんが」
水野「(笑)」
小出「政府の統計局のデーターが、原子力発電所は全て無くなっても、水力発電所と火力発電所がちゃんと動く限りは、何の問題もないということを示しています。」
水野「はあ……。しかしながら…政府はまだ再稼働を目指してますよね」
小出「はい」
水野「…どう(苦笑)、国民の意識は、今回のことで大きく変わったと思うんですよ」
小出「はい」
水野「あのー、まあ不幸な出来事ではありましたけれどもエネルギーに関する考え方は大きく変わった人は多いかと思いますが。政府は、ま、未だ変わってないように思いますが、いかがですか」
小出「その通りですね。情けない政府だと思います。」
水野「ふーん。あの…これ、ドイツのおはなしですけれども。
ドイツでは、福島の事故があって脱原発を決めました。
そしてそちらの方向に向かってどんどん進んでいくんですね。
えー、ドイツの国内には17基の原発があるんですが。
そのうち、8基が停止になっているんだそうです。で、あのー。平野さん確か…」
平野「はい。」
水野「ドイツが脱原発を決めたのが…」
平野「決めたときに…そうですね、あのー大丈夫なのかと言ってフランスからあの国は、あのー、電力をかっと、買い取ってるから、大丈夫なんだと。フランス頼りなんだという話、」
水野「うーん」
平野「流れましたね」
水野「自国で原発で作らなくてもとなりのフランスからもらえるから、だからそんなことを決められるんだ、と。日本はそれはできないから、無理なんだという」
平野「という話になってましたね」
水野「話、よく出てましたですよね。え…小出さん、」
小出「はい」
水野「ところがですね、ドイツでは、この脱原発をしましたあと、いったんは、その、電力を輸入するより、いや、輸出するよりも外に売るよりも、え…国の外から買わなきゃけない状況になってたんだそうです。
ところがそれが去年10月に、逆転いたしました。
詰まり電力事情は黒字になったんですって」
▼ドイツ:脱原発しても…電力輸出超過 再生エネ増、消費減で - 毎日jp(毎日新聞)
小出「はい」
水野「で、それには太陽光や風力などの再生可能なエネルギーをどんどん割増していったり。エネルギーの効率化をはかったり、と、いうことなんですが。
あの、ドイツでは、今年の2月になりましたら寒さが厳しくなって、フランスに逆に電力を売ったんだそうです」
小出「はい」
水野「ご存知でしたか?」
小出「はい」
水野「あっ……そうですか……」
平野「ああ…」
小出「はい」
平野「(苦笑)」
水野「あの、フランスって、原発大国、でしたよね」
小出「そうですね」
平野「うーん」
水野「その原発大国のフランスがこの寒さで電力が逼迫して、え…原発をフル稼働しても電力が足りなくなったんだそうで」
小出「はい」
水野「逆に、脱原発をしたドイツから、原発大国に減力を売る事態になったというのを、わたしなんか非常に驚くんですが。小出さんはどう受け止められますか」
小出「別に驚くこととは違うと思います」
平野「(笑)」
水野「そうですか(笑)?」
小出「要するにどういう発電方法を、選ぶかってだけのことであって。」
水野「ええ」
小出「日本だって原子力なんて選ばなければ、もっともっと自然エネルギーが開発されてきたはずですし。電力の供給にいついかなる時も困らない状況を作れたはずだと、思います」
水野「はあ……」
小出「全く愚かに日本では原子力などに頼ってきたがために、今なんか電気が足りなくなるぞと言ってみなさんが脅かされているという状況になってしまっているのです。」
平野「ふむー」
水野「ふうーーん」
平野「あのー、今年の、まあ夏ごろまでに国はエネルギー大綱というものを改めて見直して、まとめると言ってますけど。」
小出「はい」
平野「そっちの方向に、再生可能エネルギー、その、シフトするというのは、動きでは、必ずしもないですよね」
小出「ないですね、はい」
平野「これがもう、ちょっと信じられませんねえ」
小出「はい(苦笑)。そう思います」
水野「はあ、つまり、もう1度再稼働の方向でのみ、進んでいくと、いわゆるドイツのような再生可能エネルギーが成長していかない。ということですか」
平野「先生あの、日本もまだまだ、ドイツも一生懸命やってるんですけども、他にも地熱とかバイオとか、様々、あの、再生可能エネルギーの広がる要素はまだあるんですよね。他の国と同じ以上に」
水野「どうなんですか?」
小出「はい。あのもちろんあると思います。
日本はこれまで原子力原子力と、そちらばかりに目を向けて、力を入れて、何兆円ものお金を原子力に投入してきてしまったわけですが。
え…もっと前から再生可能エネルギー資源に、力を入れていればずうっと安定的な供給を保証できるような体制が作れたはずだと私は、思います。」
平野「うん」
水野「うん…。え…もう1つ、福島県の調査について伺いたいんですけれども。
先ほどニュースでお伝えいたしました。放射線量の高い地域、3つの町村で外部被ばく線量の推計、の値が出ました。
で、一般の方で1番高い数字が出たのは、23ミリシーベルト、成人の女性です。
これは、外部被ばくだけで23ミリシーベルト。」
=====(文字おこし、続く)
▼99%が10ミリ・シーベルト未満 県立医大の山下副学長「健康影響考えにくい」 : 福島 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
※回答率が低すぎることなど、けっこう問題がある調査な気がします(管理人)。
水野「どう見たらいい数字でしょうか」
小出「え……普通の皆さんは1年間に1ミリシーベルト以上の被曝をしてはいけないというのが法律です」
水野「はい」
小出「それで。私のようなごく特殊な仕事に従事している人間、放射線業務従事者というレッテルを貼られてる人間は、しかたがないから20ミリシーベルトまでは我慢しろと、」
水野「はい」
小出「言われてきたのです」
水野「ええ」
小出「え…それを23ミリシーベルト…、というのは私のような人間すら、超えて被曝をしてしまった。それもえ…1年、丸1年ではないですよね。え…何ヶ月かの間」
水野「最初の4ヶ月ですね…」
小出「はい。ということですから。え…とてつもない被曝を、すでにさせられてしまった人がいるということです。」
水野「ふーむ。しかしながら、これ、福島県立医大の山下俊一副学長、こうおっしゃっております。え…健康の影響が直ちにあるという数値ではない」
小出「(嗤い)、まるであの事故直後の枝野さん、ですね」
水野「ああ、ありましたねえ…」
小出「はい、はい。あの、直ちに影響が出るレベルではない。
そうです。もちろんそうです。
え…ただちにというのは、急性放射線障害が出るレベルではないという、だけのことであって。
もともとは私たちそんなこと何も言っていません。え…急性でバタバタ死ぬようなことではなくて、これから何年、あるいは10年20年後にガンで死ぬような人たちが出てくるんですよ、ということを、ずうっと警告してきたわけですから。
え…山下さんにそういう人は、じゃあいないのですか、とむしろ聞いてみたくなります。」
水野「うーん…。あるいは山下副学長、こうもおっしゃっていて。年間100ミリシーベルト以下の被曝では明確な発がんリスクはない、と」
小出「はい(嗤い)。」
水野「どうなんですか」
小出「それもだから、実にアカデミズムの言葉で言うならば。」
水野「ええ」
小出「おかしな言い方だと私は思います。要するにあの、疫学的に、統計的に、え…確たる証拠がないというだけのことであって。
え…疫学、だけではなくて、生物学的な実験データーとか、そういう事を総合的に考えれば、100ミリシーベルト以上でも…以下であっても、必ず影響があると、考えるべきだというのが現在の学問の到達点、なのです。
え…当然山下さんもそんなことは十分ご存知のハズなんですけれども。
未だに、え…、証拠がないというような言い方をするというのは、私は不誠実な方だと、思います」
平野「うーむ」
水野「でもこの、23ミリシーベルトのかたにしても外部被ばくだけの量ですよね」
小出「そうですね」
水野「内部被曝…」
小出「はい」
水野「も合わさって、行きますよね」
小出「もちろん。もちろん内部被曝もありますし。」
水野「ええ」
小出「事故直後の数日間というのが決定的な被曝をしたはずなのですが。」
水野「はい」
小出「その時のデータが殆どありませんので。ひょっとするとまた何倍かもしれないというような被曝、の可能性もあると私は思います」
水野「はい。どうもありがとうございました」
平野「ありがとうございました」
小出「はい。ありがとうございました。」
水野「京都大学原子炉実験所助教、小出裕章さんにうかがいました」
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