論告求刑「国民への背信行為」で佐久間20年、大鶴18年の禁固かと思った
(世相を斬る あいば達也)より
東京地検公判部の検事達は、上げた拳を降ろすことは出来ずに、政治犯に適用する事が多い禁固刑を意図的に論告求刑したようだ。
懲役との大きな違いはないのだが、法的には懲役より厳しい刑罰を科すると云う印象をつけることに苦慮したようである。
今回の検察側の論告求刑の詳細を吟味しなければならないのだろうが、公判で論告求刑するまでが検察公判部検事の仕事であり、まさか端から「罰金刑」や「無罪」を求刑するわけにもいかないだろ(笑)
しかし、求刑の論告要旨で ≪陸山会が土地購入のために小沢元代表から借り入れた4億円の原資について、「小沢元代表や被告らは具体的な説明をしていない」と指摘。
借り入れ後に陸山会名義の複数の口座に分散入金したことなどを、「借り入れを隠蔽するための偽装工作だ」として、公にできない性質の資金だったと主張した。
虚偽記載の動機は、ダム建設工事に絡み、中堅ゼネコン「水谷建設」から石川被告らに渡された計1億円の「裏献金」を隠すためだったと改めて主張。
裏献金を認めた同社元社長らの供述は「詳細、合理的で信用性が高い」≫と強弁を続けている。
検察側の唯一の拠り所が、例の水谷建設の川村元社長の証言のみなのは良く判る論告求刑だ。
裏金1億円を捻出、指示を出したと云う水谷元会長は、川村がその金を裏金金庫から出したのは認めているが、その金を石川議員に渡したかどうかは判らない、自分で流用したかもしれない、と証言している。
まさか、検事調書をあれだけ破棄した東京地裁が、たった一人の紐のつかない1億円を握った男の証言ひとつを根拠に、禁錮刑と云う有罪判決を出せるとは思えない。
しかし、裁判だけは下駄を履いてみないと判らないもの、9月26日の判決が注目だ。
筆者の判断では、公民権の停止に当たらない範囲の罰金刑(政治資金規正法の記載違反)が石川議員に言い渡されるのが最高刑だと推察している。
勿論、大久保秘書、池田秘書は無罪である。筆者などは検察の論告求刑の「国民への背信行為」と云う言葉から、当時の東京地検特捜部の捜査の主導者たちへの罪状じゃないのかと錯覚を憶える程の目茶苦茶な捜査と公判だったと云う印象が否めない。
いずれ郷原弁護士らが、この求刑の理由等を解説してくれるだろうから、じっくり読んでみたいと思う。先ずは、一報に際してのコメントのようなものである。
≪ 元秘書3人に禁錮求刑=「国民への背信行為」-陸山会事件で検察側・東京地裁
小沢一郎民主党元代表(69)の資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違 反罪に問われた元秘書3人の論告求刑公判が20日、東京地裁(登石郁朗裁判長)であった。検察側は「国民に対する背信行為で、政治への不信感をまん延させ た」として、元公設第1秘書大久保隆規被告(50)に禁錮3年6月、衆院議員石川知裕被告(38)に禁錮2年、元私設秘書池田光智被告(33)に禁錮1年 をそれぞれ求刑した。判決期日は9月26日に指定された。
地裁は先月30日、収支報告書への虚偽記載を大久保被告や小沢元代表に報告し了承を得たとする供述調書など、石川被告らの逮捕後の調書の大半について、全文または一部を却下した。
検察側は論告に先立ち、石川被告が虚偽記載容疑を認めた供述部分など、証拠採用された調書の要旨を読み上げた。
検察側は論告で、陸山会が土地購入のために小沢元代表から借り入れた4億円の原資について、 「小沢元代表や被告らは具体的な説明をしていない」と指摘。
借り入れ後に陸山会名義の複数の口座に分散入金したことなどを、「借り入れを隠蔽(いんぺい) するための偽装工作だ」として、公にできない性質の資金だったと主張した。
虚偽記載の動機は、ダム建設工事に絡み、中堅ゼネコン「水谷建設」か ら石川被告らに渡された計1億円の「裏献金」を隠すためだったと改めて主張。
裏献金を認めた同社元社長らの供述は「詳細、合理的で信用性が高い」とした。≫
(時事通信)
■有期禁固とは
有期禁錮は、原則として1ヶ月以上20年以下である(但し、刑を加重する場合には30年まで、減軽する場合は1ヶ月未満にすることができる)。
した がって、ある条文において「2年以上の有期禁錮に処する」などと書かれている場合、天井知らずの刑が言い渡される可能性はない。
裁判所は原則として「2年以上20年以下」の範囲内で量刑しなければならない。
有期懲役と刑の軽重を比較するときは、「有期の禁錮の長期が有期の懲役の長期の二倍を超えるとき」は禁錮のほうが重い刑であるとされている(刑法10条)。
3年以下の禁錮刑が言い渡された場合においては、情状によって、その刑の執行を猶予することができる。
2007年に通常第一審事件の終局判決として禁錮が確定した人員は、3,548名である。
このうち実刑判決は、3年超が11名、1年超3年以下が 156名、1年以下が44名である。
執行猶予を付された者は3,337名で、執行猶予率は94%に達している。
■懲役との違い同じく自由刑である懲役との制度上の違いは、懲役では「所定の作業」を行わなければならないのに対して、禁錮ではただ拘置(監禁)することのみが定められていることにある。
ただし、願い出により刑務作業を行うこともできる(「請願作業」あるいは「名誉拘禁」などといわれる。
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律93条、刑事施設及び被収容者の処遇に関する規則56 条)。
多くの禁錮受刑者は、請願作業に従事することを望むのが実情で、懲役と禁錮を区別する意義は薄いとする議論(自由刑単一化論など)も存在する。
また、同じく自由刑である拘留との違いは、期間の長短による。
禁錮刑が無期または1ヶ月以上20年以下であるのに対し、拘留は1日以上30日未満 である。
古くは、禁錮は政治犯や過失犯に科されるもので、懲役は破廉恥罪(殺人、窃盗など道徳的に非難されるべき動機により行われる犯罪)に対して科されるものとする理解があった。
その名残りとして、政治犯的性質を持つ内乱罪の法定刑には懲役がない。
しかし、現代においては必ずしもこのように解釈されているわけではなく、例えば、過失犯は非破廉恥罪であるが懲役刑が科されることもある。
(ウィキペディア抜粋)*禁固、禁錮は同じ意味
PS:ともひろ日記より
≪悪党3人に禁固刑 先ほど法廷において検察側より論告求刑が言い渡された。
大久保氏に禁固3年6か月、池田氏に禁固1年、そしてわたくし石川知裕には禁固2年が言い渡された。
2時間ずっと座っていたので後半はさすがに疲れたが求刑を言われるときは緊張した。
しかし水谷建設からの裏献金についてストーリーをいまだに変えられない検察側には驚くばかりだ。
8月22日の最終弁論でしっかり反論したい。≫
マスメディアは意図的に三被告人側の8月22日の最終弁論をネグった報道をしている。
まったくマスメディアには”反省”と云う概念がないのには呆れるばかりだ。