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不定期で更新中♪

時代を作ってきたものが去っていく時に…

2007-03-30 | 
今日も暑いくらいになりました。
伊豆のソメイヨシノも3分咲きまできてます。



先日発表されたのですが、1936年に創刊されたアメリカの写真雑誌「ライフ」が廃刊になるらしい…。

あえて雑誌を画像で載せないのは、皆さんきっと想像できるから…。

「LIFE」という赤と白の目立つロゴ。
表紙にはかならずその時・その時代の人物などが印象的に使われていましたねぇ。


あのロバート・キャパが創設した写真家集団“マグナム”による写真の数々は多くの人々の心に訴えるものがありました。
今でも当時の写真が使われる事もしばしば。

大スターのポートレイト写真も有名でした。
そして「LIFE」に載ることがスターの証でした。

あのアーネスト・ヘミングウェイ「老人と海」もここで発表されたんですよね。


私の大好きなヒッチコック監督の「裏窓」で主役を演じていたジュームズ・スチュワートの職業は「LIFE」誌のカメラマンという設定でした!


今は本も雑誌も発行部数が伸びなくて苦労しているところも多いと聞きます。
広告収入が得られなくなり廃刊となるにはとても惜しい雑誌です。

ネットでつづくそうですが、やはり紙に印刷されたものが残るというのは私にとっては大切なことなんですけどねぇ。

「切り抜いてスクラップしておこう!」

なんて言葉が通用しなくなってしまうのかなぁ。



日本の雑誌で印象深いのはあの筑紫哲也さんも編集長だった「朝日ジャーナル」。
仕事でも携わっていただけにとても残念な雑誌でした。

そして「明星」「平凡」ですよね!
これが分かる人はもう随分いい年になっちゃってるかも。


時代はどんどん変化する。
最近特に感じることです。


名探偵にはまった理由。

2007-01-30 | 
今日は最高に良い天気ですよ~!
太陽に当たると温かくて、お昼ねしたくなります。


幼いときから家にあった1冊の本。
これによって私は「名探偵」というものにはまってしまいました。


タイトルはズバリ!

「キツネの名たんてい」
 インゲマル・フィエール作
 塩谷太郎訳
 村上勉絵


キツネが主役です。
名前はコンティ。
父親の靴屋を継いだのですが、私立探偵になるべく通信教育を受けて開業するという話。
幼いながらも探偵なる過程が楽しめました。
今思うととても単純なストーリーで解決するまでの過程や犯人も分かりやすいかも。

なにが良いかというと「絵」です。
村上勉さんの挿絵が素晴らしいです。
絵本でいうと「コロボックル」のシリーズが有名ですよね。

探偵になりたてのコンティはまずは外見から!
大きな虫眼鏡、立派なパイプ、帽子、マントなどなどかわいいったらないですよ。

やはりコナン・ドイルのシャーロックホームズの影響は大きいですね。


このコンティによって私は推理小説・ミステリー小説が好きになったのです。


本には村上勉さんの直筆サインがあります。
まだ若かりし頃、父が本人からいただいたそうです。

今では貴重な宝物ですね!


*残念ながら絶版のようです。

生きる…を考えてみた時。

2007-01-08 | 
開店前にアカシアミモザの植替えのために、庭仕事をしてみました。
昨日は風がすご過ぎるし…今朝は天気も良かったからね~!
植えてあった場所から伸びてしまった枝が、人通りにはとてもやっかいになったからです。
時期的には良くないのですが、まぁ桜祭りの準備の一環です。
ちゃんと育ってくれると良いのですが…。

今日は成人の日なんですねぇ。
河津町は昨日、成人式を終えたそうです。
今年の成人はなんと108名。
多いのか?少ないのか?


「二十歳の原点」という本があります。
作者は高野悦子さん。
享年20歳です。
1969年に貨物列車に飛び込み自殺を図りました。

作品は彼女が亡くなる前の日記をまとめたものです。

大学生だった彼女は常に「生きる」ことを考えていた。
なぜ?そんなに考えて悩んでいたのだろうか?
まっとうに生きなければ…そんな正義感の強さ、そして生真面目な人間性。

成人の日の日記に
「独りであること、未熟であること、これが私の二十歳の原点である」と書いてあります。

考えなければ人間ではない。
それは分かっているけれど、ここまで自分を追い込む必要がこの若さであるのだろうか?と読んでいて疑問に思うこともあった。
でも青春という時代の中では、考え悩むことが「青春」だったりするもの。

彼女は自分の幼さから色々なことにチャレンジしてみている。
たとえばタバコを吸ってみるとか…。
パチンコ屋に入ってみたとか…。
エロ映画を一人で観に行ったとか…。
アルバイトをしてお金を稼ぐ(親になるべく頼らない)とか…。

学生運動が盛んで、高度成長期、厳しい目で見られる大人社会。
次第に彼女は疲れていく。
生きる希望、生きる意味、自分の価値。

時代もあるとは思う。

思想・論争・文学・哲学・アングラ・学生…。

そして自分に厳しかったんだろうなぁ。

そこを越えてしまえば意外と人生楽しめたのかもしれないのに…。

二十歳の彼女は精一杯生き抜いたんだと思う。






グレッグ・アイルズを読んで

2007-01-07 | 
正月明けの連休はいまいちの空模様。
今日はものすごく強烈な風がふいています。
海は青く、波は白く、山から吹き降ろす風は冷たいです。


久しぶりにサスペンスを読んでみました。
グレッグ・アイスルの作品はこれで3作目。

「戦慄の眠り」(上)(下)  2004.4.15初版

彼の作品は長編が多いんですよね。
「神の狩人」はちょっと長すぎた気がします。
それに比べれると軽めの上下巻。

舞台はミシシッピで起こる連続誘拐事件。
世界中の戦地で活躍する女性カメラマンは双子の妹がこの事件で失踪していた。
ある日、香港の美術館で見た絵に自分の姿を見る。
そこから始まる謎解きと冒険サスペンス。

最初の数ページで引き込まれ、あっという間に完読してしまうほど読みやすかった。
途中で告白する個人的な秘密などには思わず涙が浮かんだほど…。

男性作家にもかかわらず女性の視点で書かれているわりには、とても驚くほど納得できる内容になっていた。


下手な映画を観るよりはず~っとこの活字の世界のが楽しい!
彼の作品「24時間」も映画よりも原作のほうが断然よかった。

途中登場するFBIの女性捜査官は「羊たちの沈黙」のジョディフォスターに憧れて入局したというエピソードなどはエンターテインメント性の強い作品の表れか…。


暇つぶしには最高の作品かも。


「消えた2ページ」を探して…

2006-12-12 | 
今日は朝から峠まで買出しに…雨がパラついていましたが、山の色は最高に美しかった。
赤い山、黄色い山、橙の山、緑の山、木の種類によって山も色分けされています。全体的に色が混じっている山も綺麗ですね。
ちょうど漆が真っ赤になっていたので、とても映えて見ごたえありました。

伊豆の里山の紅葉は12月も半ば近くになって見頃となっています。



何度となく読み返した児童文学があります。
寺村輝夫さんの作品です。
「おうさまシリーズ」「こまったさん」シリーズ・「おしゃべりなたまごやき」など多くの作品を残されました。
残念ながら今年の5月に亡くなられていたんですねぇ。
それも実家の近くにいらっしゃったようで…どこかでお会いしていたのかもしれません。

「おうさまシリーズ」の異色作として「消えた2ページ」はあります。
なんと初版は1970年!

私はこの本を小学生の時、夕暮れ時の図書館で見つけました。
まるで宝物を見つけたかのごとく、こっそりと家に持ち帰り夜なべして読書に耽ったのを覚えています。

主人公は図書館で本を借ります。
これが「おうさまシリーズ」なんです。
おうさまの冒険が描かれています。
途中まで読むと、なぜか2ページ抜けているのです。
どうしても気になるので、町の本屋に行きました。
そこにあった本のページまでも抜けていたのです!

なぜ?
だれが?

とっても気になりませんか?


中村ヒロシさんの挿絵もちょっと怖くて…出てくるキャラクターもちょっと怖くてついつい引き込まれていきます。

大人が読んでも、もちろん子供が読んでも楽しめると思います。

内容は教訓がたくさん書かれています。
とても考えさせられる本です。

そしてあとがきも素晴らしいです!

自分で考えよう!
「わからない」では駄目なんだよ。
人間なんだから…時間がかかってもいい、自分の意見を持とう!

そんな内容だったと思います。


久しぶりにまた読みたくなってきました。
図書館にあるかなぁ~?


ここが家だ-ベン・シャーンの第五福竜丸

2006-10-08 | 
秋には読書を……。

最近、絵本の売れ行きが良いそうで…。
大人向けの素敵な本をご紹介します。


ここが家だ
 ベン・シャーンの第五福竜丸


絵:ベン・シャーン  
構成・文:アーサー・ビナード  
■ISBNコード: 4-08-299015-1
■判型: B5判/56ページ
■定価: 1,680円(税込)
■発売年月日: 2006年9月26日
■出版社: 集英社


第五福竜丸といえば…私にとっては強烈な印象が残る社会科見学でした。
小学生の時、夢の島公園内にある展示館に遠足気分で行ったのですが、当時の記憶はそれほどでもなかったものの、時を経るごとに心の奥底にある記憶がよみがえります。

「四葉のクローバーがたくさんあるね~♪」

一面の芝生の中にたくさんのクローバーがありました。
お弁当を食べ終わると、「四葉を探してみよう!」ということになり……
「あった~!」
「私も2つ見つけたよぉ~!」
「凄いよねぇ~こんなにあるなんて」

いったいどうしたことでしょうか?
「幸福の四葉」があちこちで簡単に見つかります。

本当かどうかは分かりませんが、昭和29年に被爆した船はその後展示されることになるのですが、その放射能汚染が周りにまで影響を及ぼしている!というのを聞いたことがあります。
放射能除去作業をしているので人体に影響はもちろんないのでしょうが、話を聞いて恐怖を感じました。


そして最近になって船長の日誌の文章が、書き換えられていたということが証明されました。
当時の状況はとても厳しく、被爆被害にあった人間が非難され、差別される時代だったのです。
貴重なスライド資料を公開しているHPがありますので、一度ご覧になっていただくといいかと思います。→第五福竜丸・被災事件記録


ベン・シャーンのすばらしい絵画とともに、分かりやすく温かく心に響く詩人アーサー・ビナードの文章で書かれたこの本を一度ぜひ読んでみてください。
そして核というものの恐ろしさを再認識するとともに、親子で語ってみるのもいい機会かもしれません。


2006年7月4日から12月27日までの期間、全国各地でベン・シャーン展が開催されます。→詳細


*Hulamikaちゃんへ。
本日お友達がご来店くださいました。(Hula関係)
ご紹介ありがとうございました。くれぐれもよろしくお伝えくださいね。

★お知らせ★
来週10月10日(火)~13日(金)までお店をお休みさせていただきます。


「わたしのマトカ」-片桐はいり-

2006-07-13 | 
今日は暑いです!
朝の風は爽やかだったのに、午後はもわぁ~っていう蒸し暑さ。
陽射しが強くないのでなんとか冷房が効いています。


マトカとはフィンランド語で「旅」という意味だそうです。

この本を書いたのは片桐はいりというとても個性的な女優さん。
一度見たら忘れられないと思います。

今まで文章を書いたことがない彼女が映画「かもめ食堂」でロケ地になったフィンランドでのさまざまな体験をエッセイという形でまとめています。


片桐さんの「わたしの旅」のスタイルがとても分かりやすく紹介され、
「あ~ちょっと私と似てるなぁ~」っていうのが最初の感想。

彼女の旅は楽しいです!
この本を読んでいると一緒に旅をしている気分になります。

そしてますますフィンランドに行ってみたくなりました。

旅のきっかけはどこにでもあるものですね!

映画の撮影で1ヶ月滞在したフィンランドも片桐さんの感じ方はやはり個性的!
もっと旅行記を書いていただきたいものです。


装丁もまたかわいらしく、森に隠れている動物を探してみて!
(きのこもいるよ!)




「わたしのマトカ」 片桐はいり(著)
単行本: 166ページ
出版社: 幻冬舎 (2006/03)
ASIN: 434401135X

自分へのおみやげ。

2006-07-01 | 

今日も蒸し暑い1日になりそうです。

先週行ってきた長崎の旅で、自分へのおみやげを買うことができました。
長崎駅にある本屋「メトロ書店」で見つけた本です。

「被爆のマリア」 田口ランディー(著)

帯には「平和がいちばん怖い」と書かれていた。
装丁もシンプルで表題の長崎浦上天主堂にある「被爆のマリア」の写真のみ。

田口ランディーという作家に興味を持ったのは「忘れないよヴェトナム!」という本に出会ってから。
旅行記などエッセイも多いランディーさんですが、この作品は文学作品。
タイトルに惹かれたのもありますが、書店においてあった本は本人の直筆サイン入りのものでした。
5月に発売されきっと長崎でサイン会があったのでしょう!
思わず即買いしてしまいました。

内容は…4つの短編からなり、文学界に4ヶ月にわたって発表されたものでした。
原爆の被害にあった広島が舞台になった作品もありますが、60年も経つと原爆についての記憶も薄れていく…そのことが悲しいとかそういうことではないんです。
日常、原爆について考えることがない現代人に、日本の歴史の一部としてどこかで繋がっていて重くのしかかっている感じ?薄い膜で覆われているような感じ…そういった物語になっています。

被爆者の語りべの人々の生き方も現実的にはとても厳しいんですよね。
修学旅行生に話すことを続けていた被爆者の方も、
「そろそろやめてしまおうか?」と思うきっかけができるのもやはり60年という年月なのでしょうか?

表題の「被爆のマリア」は原爆にはまったく関係のない内容で、主人公の彼女はなぜか実物も見たことがないこのマリアに救いを求めているんです。
「何かを感じた!」というこの彼女には彼女にしか分からないことがあると思うのですが、読んでいる方としてはちょっと分かりづらいかもしれないですね。



平和に慣れてしまっている現代人の「分かってはいるけど、わざわざ表現しないだろう!」という内容には好みが分かれるとは思いますが、私はこの作品を読んで日本の歴史と民族性に興味を持ちました。

最近特に話題になる「靖国参拝問題」も色々な意見がありますが、やはり歴史認識を間違わないようにしないと誤った方向へ進んでしまいそうで怖いです。

先日、韓国の方が再会を果たした「北朝鮮拉致問題」もそうですよね。

未来には過去がかならずついて回るのです。

過去を清算することはできないん…ですよね……。


「平和がいちばん怖い」という言葉は現代をよく表しているような気がします。
私には最近理解できない事件が多すぎます……怖いです。






バチスタとは?!

2006-06-12 | 
今日はなかなか良い天気です?か?
微妙ですね……。

今朝は大きな地震があったり、沖縄での土砂崩れなど自然災害が出てますね。
他人事ではないので少し気を引き締めないと。


河津川では今日も亀が甲羅干しをしています!


最近TVドラマなどの影響もあり、「バチスタ」という言葉を良く聞きます。
新聞などでも特集記事になっていましたが、いままで聞いたこともありませんでした。

バチスタとはブラジル人外科医師のバチスタ博士が80年代に始めた、
まったく新しい治療法で、膨らんだ左心室の心筋を三分の一程度切り取り、形を整えた後縫い縮めるというもの。正式には「左室縮小形成手術」と呼ばれるそうです。
なかなか心臓移植ができない日本ではとても画期的な手術で、救われる人も多いとか…。


先日読んだ本に「チーム・バチスタの栄光」海道 尊著があります。

2006年第4回「このミステリーがすごい!」で大賞を受賞。
著者の海道さんは現役のお医者さんで、内容は医学ミステリー。
大学病院という閉鎖的な世界で個性的なキャラクターたちが活躍します。

ドラマも映画も本でも医療の実態というものは、意外と分からないものですよね。
難しい内容のものが多い中で、とても分かりやすい本だと思います。

ミステリーとしては物足りない気がしましたが、病院の内情などが意外とリアルに描かれているので面白かったです。



TVドラマ「医龍」の中で麻酔医として活躍する阿部サダヲさんの演技に惹かれました。
素敵な俳優さんがたくさんいる「大人計画」には昔の同僚・村杉蝉之介さんがいます。
今度7月に公開される映画「日本沈没」に出演しています!
劇場で見た予告はとても恐ろしいものでした。
どうせなら大きなスクリーンで観たいものです。




池波正太郎とフランス

2006-06-03 | 
今日は肌寒い1日になりそうです。
いまにも雨粒が落ちてきそう……。


バガテル公園に行ってから、よくフランスについて思い出すことがあります。
そうそうパリもここ最近、天気も悪く寒いそうです。


フランスに行くときに読んでおきたい本というのはかなり多いのですが、
中でも池波正太郎さんの「フランス映画旅行」という本は面白いです。

内容は初の海外旅行をした池波さんの旅行記です。
フランス映画を何十年と観続けてきた彼ならではの切り口でジャン・ギャバンの思い出と共に紹介されています。

古い時代のパリの様子や、当時の状況なども分かりやすく語り口調での文章についつい引き込まれていきます。


池波 正太郎(1923.1.25-1990.5.3)
東京・浅草生まれ。


池波正太郎さんといえば、やはり時代小説ですよね。
「鬼平犯科帳」などは特に有名です。
私は今回紹介した作品や「食卓の情景」などのエッセイが好きです。
作品の中には、直筆の挿絵なども入っていてその絵がままた良いんです。



彼の絵画や直筆原稿、愛用品などが展示されているところがあります。
台東区の図書館内に併設されている池波正太郎記念文庫です。
今度、浅草に行ったらぜひ立ち寄ってみたいものです。



避暑地の猫-宮本輝-

2006-05-29 | 

ちょっと蒸し暑くなってくると、読み返したくなる本があります。


「避暑地の猫」
宮本 輝さんの作品です。


避暑地と聞くとやはり軽井沢、毎年夏になると軽井沢に避暑にくる家族と別荘を管理する家族の複雑な人間関係の話です。

爽やかなイメージの軽井沢とはかけ離れた内容のものですが、蒸し暑い土地にいると避暑地に行くという行為に憧れがありついつい本に吸い込まれてゆきます。


読み終わるとなぜか背筋が寒くなる。

ひんやりとした何かを自分の中に感じることがあります。



宮本輝さんにはちょっとした思い出があって、まだ印刷会社に就職間もない頃、輝さんの生原稿を拝見する機会がありました。
多くの作家がワープロ原稿になる中、輝さんの原稿は万年筆の直筆で、インクはちょっと薄めのブルーブラックだったように記憶しています。
そしてとても字が美しかったのを覚えています。


直筆原稿を活字にしていく作業は、とてもわくわくする瞬間でした。
生原稿を目で追いながら、キーボードをたたく……1日何万という文字を活字にしていくのです。
まだ本になる前の文字は生きています。
どんどん変化していくのです。

出版される前の作品を読めてしまう!
今考えると素敵な仕事だったんだなぁ~とふと思ってしまった。

生原稿はほかにも手書きの方は多かったです。
とても特徴的なのが、赤川次郎さんと西村京太郎さんでした。
まず赤川次郎さんは原稿用紙の1マスにその4分の1ほどの小さな文字が真ん中にきちんと整列していました。
遠くから見るとまるで蟻の行進です。
「あ」や「お」「め」など似たような形はさらに読みづらくちょっと苦手でした。
西村京太郎さんは文字が1マスからはみ出ていて、細長く、流れ文字でまったくと言って良いほど読めなかった記憶があります。
文字の横には編集者の赤字で書き直しがあり、それでも読みずらかったなぁ。
でも作品が読める喜びは大きかったです。

他にも多くの原稿を見ましたが、仕事としてはワープロ原稿が嬉しく(読みやすいから)
個人的には直筆原稿は感動してましたね。(仕事はとてもやり辛かったけど…)




久しぶりに「避暑地の猫」を読んでみようかな……。





-少年とアフリカ- 坂本龍一×天童荒太

2006-05-15 | 


久々の太陽の光を浴び、今朝のお散歩はとても気持ちが良かったです。

近所の畑ではじゃがいもの花がかわいく咲いています。


書棚から気になる本(タイトル)で無作為に選んでみた作品を紹介してみたいと思います。

「少年とアフリカ」 文芸春秋
-音楽と物語、いのちと暴力をめぐる対話-

坂本龍一さんと天童荒太さんの対談を収録したものです。


天童さんの作品「永遠の仔」のTVドラマ化が決定し、坂本氏が音楽を担当したのが知り合うきっかけだそうですが、以前YMOのライブの会場整備をアルバイトでしていたという天童さんのつながりには驚きました。

「永遠の仔」はとても衝撃的な作品でした。
ドラマになってさらにショックを受けた…。
(その後、古尾谷さんも亡くなってしまって…)

オリジナル・サウンド・トラックはとても良いらしいので、ちょっと聞いてみたくなりました。


対談の内容は過激な部分も結構多く、特に坂本さんの言葉には驚きを隠せませんでした。
かなり天童さんがカバーしているような気が…。
普段なかなか知りえなかった、彼らの考え方や思いがとてもよく分かって面白く読みました。
アーティストならではの悩みなども尽きないようで……。

中にはたくさんの人物も出てきます。
監督・俳優・歌手・画家・作家はもちろんのこと、杉原千畝さんからダウンタウンまで。

知識のある方々が対談されるのはきっと密度の濃い時間なんだと感じました。

読んでる私まで博識になったようで……。


この1冊で、読んでみたい本、観てみたい映画、知りたくなった人物・歴史、があっという間に増えました!

そしてアフリカ!!!!!

行ってみたい~~~~~!

サバンナもいいけど私はモロッコに興味津々です♪


人間って複雑な生き物ですね。

2006-05-05 | 


今日はこどもの日です。
そして両親の結婚記念日……。おめでとうございます!

爽やかな1日になりました。


最近、本や映画でも気がつくと人間の複雑な面が描かれるものを手にとっているような気がしています。
そしてTVでもそんな特集をやっていたりすると、ついつい目が行ってしまうのです。

特に気になるのが脳です。
こんなに複雑な器官はあまりないのではないでしょうか?

「博士の愛した数式」(小川洋子 著)
を読みました。

この作品は映画にもなっているんですよね。

80分しか記憶がもたない数学者と家政婦と子の話。

数学なんてここ十数年お目にかかったことがないので、最初は思い出すのに時間がかかりましたが……数学って面白いものなんですねぇ。
この作品を読むと数学の楽しさが良く分かります。
もっとちゃんと勉強するべきだったんだなって。

こどもの日ということだけではなく、お子様がいらっしゃる人は是非読んでいただきたいと思います。

内容は読んでからのお楽しみって事で!



交通事故にあった人の話をTVでやっていました。
「悩めない病気」こんな不思議な病気があるなんて…、初めて知りました。
頭部を縁石に打ち付け、脳に損傷を受けたらしいのですが奇跡的に意識を回復、今では元気に過ごされています。
しかし、脳には損傷が残ったままで、そこは「考える」という事をする部分だったのです。
どんなに辛い状況でも、「考える」ことをしないのでまったく「悩まない」そうなのです。

人間らしく生きるというのはどういうことなのか?

考えてしまいます…。
凄く考えてしまいました…。


記憶が無くなっても、悩まなくても生きていることには変わりはない。

どうやって生きるのか?
そして生きていこうとするのか?


人間って複雑な生き物ですね。




*タンポポもすっかり綿帽子になっています。
 昔はこれを飛ばして遊ぶと「耳が聞こえなくなるよ!」なんて言われたのを思い出します。本当なのでしょうか?


 





かもめ食堂に行ってみたい∵

2006-04-30 | 

今日もあまりぱっとしない天気になりました。
寒さはなかったので、朝から草むしりをしてみましたよ!
ちょっとしたことで気分爽快な1日の始まりです。


…たった今、雨が降ってきました。
結構本降りっぽい感じはしますが、きっとすぐにやむでしょう!


先日、お客様から「かもめ食堂」の原作本をお借りしました。
残念ながら映画を観には行けそうにないのでDVDで我慢しようと思ってはいたのですが、ラッキーな出来事でした~。

フィンランドのヘルシンキでカフェを始めた女性のお話。
ちょっとありえないような設定ではありますが、それでも「いいなぁ~」って思ってしまいました。
「おにぎり」という食べ物にこめられた思い。
カフェという場所の存在意義。
自分の生き方。

登場人物それぞれが個性的で、色々な人生があって楽しんで読むことができました。


なぜ?ヘルシンキ?ってところも面白いです。

きっとどこでも良かったのかもしれませんねぇ。
なにかきっかけが必要な時っていうのが人生にはありますもの。

誰も知らない土地に行けば、何かが見つかるかも……。


だから旅に出たくなるんですよねぇ。


いつか行ってみたいなヘルシンキ!








図書館を利用しよう∵

2006-04-27 | 


今日は1日雨でしょうか…。
また少し肌寒いです。


休み前にお客様とお話していたら、今気になる人物がいるの!っていう話題になりました。
その人物の話を聞いてるうちに興味が沸いてきて、自伝があれば読んでみたいなぁって思ったのです。

いつもお世話になっている河津町の図書館はまだ新しく、自然の光が降り注ぐなかなか気持ちの良い空間です。
本の蔵書数は少ないのですが、調べてもらって県立図書館から借りるということもしていただけます。
今回気になった人物についての本はあるのか?
早速調べてもらいました。
「ありました!」
なんとこの方、自伝をお書きになっていたのです。
そして図書館にありました。
ほとんど借りられていないという様子が分かるほど、新品に近く、今週はこの本にチャレンジしてみようと思っています。
詳しくは読んでからのお楽しみ!


先日リクエストして借りた「陰日向に咲く」劇団ひとり(著)の感想を…。

一人で何人ものキャラクターを演じることができる芸人さんなので、頭の良い人なんだろうなぁって思っていました。
5編からなるオムニバス小説、年代も場所も人物もまったく違うのに全部つながっているという構成にちょっとびっくりしました。
人物のキャラクターも個性的な人が多いと思います。
いそうでいないような気がするなぁ。
ホームレスに憧れるサラリーマンっていそうだけどいないような気がするし、そのスーリー展開もやはりないような気がする。

でも読んでいて、なんとなく人間っていいなぁとか人生って悪くないなぁって思えてくる。

彼の書く人物たちには愛が溢れているの。

あっという間の1時間と数分、楽しめますよ!