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現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

津村記久子「運命」浮遊霊ブラジル所収

2017-01-29 17:48:16 | 参考文献
 いろいろな私が登場しますが、共通することは他人に道を尋ねられることです。
 一応受験に失敗した浪人生が主人公のようですが、浪人生なのは最初の二つのエピソードだけで、後は、モスクワ出張中の研修生、小児喘息の小学生、予防接種に来た生後二か月の赤ちゃん、パラグアイへ恋人を追いかけてきた女性、死んだばかりのおばあさん、ISS滞在中の女性宇宙飛行士、生殖中の精子(なぜか卵子でないのは話が作りにくいからでしょう)に変身しますが、いろいろな場所への道(受験会場、図書館、ボリショイ劇場、耳鼻科、予防接種開場、三途の川の渡し場、月、卵子)を尋ねられます。
 エピソードによって出来不出来はありますが、作者得意の南米ネタが一番面白いようです。
 児童文学でもこのように変身していく話はありますが、やはり自分の得意分野で勝負する作品が面白いようです。

浮遊霊ブラジル
クリエーター情報なし
文藝春秋

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