2016年公開のイタリア映画(英語とイタリア語が使われています)です。
世界的な天文学者が、自分の死ぬ直前の三ヶ月間に、年の離れた恋人(大学院博士課程の学生ですが、スタントマンのアルバイトもやっていて、無謀なことからカミカゼと呼ばれています)のために、膨大な手紙、メール、ビデオレターなどを残して、彼の死後、弁護士などを通して、彼女が助言を必要であろう時に送り届けるという風変わりなラブストーリーです。
すごくいいいタイミングで恋文が送られてくるので、最初は彼女は彼が生きていると思っていました。
しかし、大学での天文学の授業中に、黙祷を捧げるために彼が死んでいることを教員から知らされてからは、なぜまだ恋文が送られてくるかの謎解きが始まります。
また、途中で、彼が彼女の母親との和解(彼女の運転する車で事故があって、実の父親を亡くしたのが原因のようです)を勧めた時に、一旦二人の関係が解消されるというアクシデントもあって、ストーリーを盛り上げます。
結論から言うと、彼の助言のもとで、母親とも和解し、博士号も獲得し、憎まれていた博士の遺族(特に娘。彼女と三ヶ月しか年が違わない)とも何故か和解でき、新しい恋人(今度は年相応な)も出現しそうな、彼女にとってはハッピーエンドなのですが、どうも見終わった後でしっくり来ません。
それは、天文学者とその若い恋人の馴れ初め(六年前だとされています)が描かれていないので、なぜここまで互いに惹かれるのかがもう一つはっきりしないからでしょう。
彼女が、実の父親を自分の運転でなくしたことによる一種のエディプス・コンプレックスだということは類推できますし、天文学者が提供したゴージャスな関係(イタリアの別荘での暮らしも含まれます)も想像できるのですが、それだけでこの狂気とも言えるほどマニアックなことをする(それはこの映画の最大の見せ場ですし、けっこう面白いのですが)老人をここまで愛する理由がわかりません。
天文学者の方でも、この若い女性(大変個性的な魅力を持っていますが)にここまで夢中になる理由がはっきりしません。
家族との不和、一種のロリータ・コンプレックス、自分の死を意味づけるためなどの理由が考えられますが、いずれにしてもエピソードとしてきちんと描かれていないので、想像の域を出ません。
一つ一つの場面は非常におしゃれに魅力的に作られているのですが、どこか作り物めいてもうひとつ観客の心に響いてこないのです。
世界的な天文学者が、自分の死ぬ直前の三ヶ月間に、年の離れた恋人(大学院博士課程の学生ですが、スタントマンのアルバイトもやっていて、無謀なことからカミカゼと呼ばれています)のために、膨大な手紙、メール、ビデオレターなどを残して、彼の死後、弁護士などを通して、彼女が助言を必要であろう時に送り届けるという風変わりなラブストーリーです。
すごくいいいタイミングで恋文が送られてくるので、最初は彼女は彼が生きていると思っていました。
しかし、大学での天文学の授業中に、黙祷を捧げるために彼が死んでいることを教員から知らされてからは、なぜまだ恋文が送られてくるかの謎解きが始まります。
また、途中で、彼が彼女の母親との和解(彼女の運転する車で事故があって、実の父親を亡くしたのが原因のようです)を勧めた時に、一旦二人の関係が解消されるというアクシデントもあって、ストーリーを盛り上げます。
結論から言うと、彼の助言のもとで、母親とも和解し、博士号も獲得し、憎まれていた博士の遺族(特に娘。彼女と三ヶ月しか年が違わない)とも何故か和解でき、新しい恋人(今度は年相応な)も出現しそうな、彼女にとってはハッピーエンドなのですが、どうも見終わった後でしっくり来ません。
それは、天文学者とその若い恋人の馴れ初め(六年前だとされています)が描かれていないので、なぜここまで互いに惹かれるのかがもう一つはっきりしないからでしょう。
彼女が、実の父親を自分の運転でなくしたことによる一種のエディプス・コンプレックスだということは類推できますし、天文学者が提供したゴージャスな関係(イタリアの別荘での暮らしも含まれます)も想像できるのですが、それだけでこの狂気とも言えるほどマニアックなことをする(それはこの映画の最大の見せ場ですし、けっこう面白いのですが)老人をここまで愛する理由がわかりません。
天文学者の方でも、この若い女性(大変個性的な魅力を持っていますが)にここまで夢中になる理由がはっきりしません。
家族との不和、一種のロリータ・コンプレックス、自分の死を意味づけるためなどの理由が考えられますが、いずれにしてもエピソードとしてきちんと描かれていないので、想像の域を出ません。
一つ一つの場面は非常におしゃれに魅力的に作られているのですが、どこか作り物めいてもうひとつ観客の心に響いてこないのです。