goo blog サービス終了のお知らせ 

現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

児童文学と学校生活

2016-12-21 09:57:07 | 考察
 現在の学校生活(児童文学の舞台となるのは、主に小学校)は、私の子どもたちが通っていたころ(もう十年以上前になりますが)とは、すっかり様変わりしているようです。
 子どもたちの風俗の変化が非常に早くなっていて、普段そうした姿を見る機会のない外部の人間には、その実態を描くことは難しくなっています。
 インターネット、スマホ(小学校高学年(特に女子)の普及率は非常に高くなっています)、携帯ゲーム機(特に男子)などの学校生活への影響は、たとえ持ち込みが禁止されたとしても大きいでしょう。
 私が児童文学を書きだした二十代の時は、自分の子どものころの体験(やはり十年以上も前のことでしたが)をもとにして学校生活を描いても、それほど違和感はなかったと思います(読者の子どもたちが実際にどう思っていたか分かりませんが)。
 しかし、現在の子どもたちの学校生活を、若い児童文学作家(他の記事にも書きましたが、経済的な理由で現在ではほとんどいません)でも、過去の体験をもとに書くのは困難なのではないでしょうか。
 その点、学校の先生は、日常的に学校で子どもたちと接しているので、学校生活を舞台にした作品を描くには有利でしょう。
 しかし、かつては皿海達哉や岡田淳のような優れた教師の作家がたくさんいましたが、いまは激減しています。
 おそらく、現在の学校(特に小学校)では、昔とは比べ物にならないほど学級運営が難しく、担任になったら多忙で消耗していて、児童文学作品を書くどころではないのかもしれません。
 また、学校を舞台にしたリアリズムの児童文学作品は、支援学級など描いた作品を除いては、現在は需要が少なく(本が売れない)ので出版されにくいのかもしれません。



飛ぶ教室 (岩波少年文庫)
クリエーター情報なし
岩波書店

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 幼年児童文学における文学性... | トップ | エーリヒ・ケストナー「笑い... »

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

考察」カテゴリの最新記事