一人暮らしの独身女性が、ある作家が死んだ時に、その作家の本を読むことを通して高校から大学にかけてつきあうことになった雨宮くんのことを思い出します。
彼とは、その作家が死んだら、そのころ一緒によくいった植物園で再会する約束をしています。
彼には21歳の時にふられているのですが、その約束が守られると主人公は固く信じています。
次の日曜日に、主人公はおめかしして植物園へ行きますが、もちろん雨宮くんが来るはずもありません。
帰りの電車で死んだ作家の本を読んでいた男性と声を交わしますが、その先にはいつもと変わらぬ孤独が待ち受けています。
設定として日曜日に雨宮くんと会う約束になっているわけではないので、もしかすると主人公は精神を病んでいるのかもしれません。
もちろんこの主人公は、結婚もし孤独でもないだろうと思われる川上とは別人格なのですが、主人公をどこか冷たく突き放したようなラストが、川上が美人で作家としても成功しているだけにどこか優越感が感じられて気になりました。
さて、亡くなった作家の本をいつまでも読み続ける読者がいるというのは作家冥利に尽きるわけですが、私にとっても、賢治やケストナーや柏原兵三の作品群は、彼らがとうに亡くなっていても色あせるものではありません。
そういった作家がいるということは、読者冥利に尽きることでもあるのかもしれません。
彼とは、その作家が死んだら、そのころ一緒によくいった植物園で再会する約束をしています。
彼には21歳の時にふられているのですが、その約束が守られると主人公は固く信じています。
次の日曜日に、主人公はおめかしして植物園へ行きますが、もちろん雨宮くんが来るはずもありません。
帰りの電車で死んだ作家の本を読んでいた男性と声を交わしますが、その先にはいつもと変わらぬ孤独が待ち受けています。
設定として日曜日に雨宮くんと会う約束になっているわけではないので、もしかすると主人公は精神を病んでいるのかもしれません。
もちろんこの主人公は、結婚もし孤独でもないだろうと思われる川上とは別人格なのですが、主人公をどこか冷たく突き放したようなラストが、川上が美人で作家としても成功しているだけにどこか優越感が感じられて気になりました。
さて、亡くなった作家の本をいつまでも読み続ける読者がいるというのは作家冥利に尽きるわけですが、私にとっても、賢治やケストナーや柏原兵三の作品群は、彼らがとうに亡くなっていても色あせるものではありません。
そういった作家がいるということは、読者冥利に尽きることでもあるのかもしれません。
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