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現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

ズートピア

2021-01-08 16:37:09 | 映画

 2016年制作の3Dアニメ映画で、翌年のアカデミー賞でアニメ作品賞を受賞しています。
 ストーリー自体は、ディズニー映画の王道のハッピーエンドで、いつも夢を信じるウサギの新米警官とひょんなことから相棒になるキツネの詐欺師が、いろいろな困難を克服して難事件を解決するという単純なものです。
 しかし、圧倒的にリアリティのある映像、特に、草食動物と肉食動物、大型動物と中型動物と小型動物、熱帯の動物と温帯の動物と寒冷地の動物が巧みにエリアを区分して暮らしているズートピアの設定と映像の緻密さには圧倒されます。
 他の記事にも書きましたが、CGはアニメの世界の魅力とリアリティを飛躍的に向上させました(ディズニーのように膨大な製作費をかければの話ですが)。
 また、動物の特性やイメージ(民話、児童文学、マンガ、アニメなどで長い年月をかけて構築されました)を利用したり(ウサギは子だくさんで真面目、キツネはずるい、ライオンは偉い、ナマケモノはスローモーなど)、逆に裏切ったり(頑張り屋のウサギ、友情に厚いキツネ、影の実力者の羊、スピード狂のナマケモノなど)するバランスが非常に巧みで、観客が物語世界に引き込まれるのを助けています。

ズートピア (吹替版)
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グレイテスト・ショーマン

2021-01-07 15:27:22 | 映画

 世界で初めてサーカスを作った実在の興行師の半生を、ミュージカル仕立てで描いています。
 フリークを集めた見世物として出発したサーカスを舞台に、人と違うところを持つマイノリティの人たちも平等であることを歌い上げていて感動的です。
 おそらく実際のこの男は、そんなきれいごとではなく、単なる金儲けのためにサーカスを始めたのかもしれませんが、それを「すべての人が平等である」という今日的なテーマとより普遍的な「家族愛」をうまく結びつけていることがこの映画の成功の要因のように思います。
 同じコンビが曲を書いてアカデミー賞を取った「ラ・ラ・ランド」(その記事を参照してください)よりも、歌もダンスも格段に良く、特に集団によるダンス・パフォーマンスはキレキレでかっこいいです。
 ズンバ(ダンス・エクササイズの一種)・フリークの私としては、一緒に踊りだしたくなります。
 セリフや普通の演技だとこうは簡単に行かないようなストーリーでも、歌とダンスで演じられると妙に説得させられてしまいます。
 しかも、主役のヒュー・ジャックマンを初めとして芸達者がそろっているので、その完成度は非常に高いです。
 それにしても、アメリカ映画は、こうしたエンターテインメント作品でも、今日的なメッセージ(この映画では、マイノリティの権利を訴えることでアンチ・トランプのメッセージが隠れています)を忍び込ませるのがうまいです。
 
 

グレイテスト・ショーマン(サウンドトラック)
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ワーナーミュージック・ジャパン
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地上最大のショウ

2021-01-07 14:50:05 | 映画

 1952年公開のアメリカ映画です。

 こうした大スペクタクル映画を得意とする巨匠セシル・B・デミル監督が、実際に世界最大のサーカスであるリングリング・ブラザーズ・アンド・バーナム・アンド・ベイリー・サーカスを舞台に、リチャード・バートン、ジェームス・スチュワートなどのオールスター・キャストで描いてアカデミー作品賞を受賞しました。

 主人公のサーカスの責任者を中心に、サーカスの花形の男女の空中ブランコ乗りなどの人間模様を描いた人間ドラマは、良くあるパターンの恋愛と仕事の両立の難しさや三角関係にすぎませんが、随所で紹介される実際のサーカスの出し物は、そのスケールも、芸のレベルの高さも、今では再現できないものばかりなので記録としても貴重です。

 もちろん、70年近く前のことですから、猛獣(ライオン、トラ、ゾウなど、ものすごい種類と数です)や人間(美女、大男、小人、巨漢、ピエロなど)の見世物小屋的な雰囲気もあるのですが、なにしろスタッフも含めると1400人以上の規模なので、その迫力は一見の価値があります。

 そういった意味では、グレイテスト・ショーマン(その記事を参照してください)の世界を、100倍か、1000倍にスケールアップしたものと考えると、近いかもしれません。

 また、当時の大スター(ボブ・ホープやビング・クロスビーなど)がチョイ役や観客として出演しているので、それを探しても楽しいかもしれません。

 

 

 

 

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ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル

2020-12-28 17:05:55 | 映画

 2017年公開のアメリカ映画です。
 1995年公開の「ジュマンジ」(その記事を参照してください)の続編として作られました。
 ゲームの世界に紛れ込んで冒険するという設定は同じですが、前回のジュマンジはボードゲームだったのですが、今回はビデオゲーム版です。
 ただし、それが作られたのが1996年ごろという設定なので、かなりレトロなゲームになっていて、それを使ったギャグ(なめらかに動かなかったり、登場人物が同じセリフを繰り返すなど)が多用されていて、初期のビデオゲームのRPGのような感じです。
 オリジナル映画の主演のロビン・ウィリアムスのような核になる俳優がいないので、かなりB級感が漂います。
 それを補うように、ゲームをした高校生たちが全く違うタイプのゲームキャラクター(オタクの男子高校生がマッチョな男性(元はWWEの人気プロレスラーのザ・ロックだった俳優が好演しています)、いじめっ子のアメフト部の男子高校生がチビのお調子者、イケイケの女子高生はデブのおっさん、堅物の女子高校生はセクシーガール)に変身するという味付けがなされています。
 冒険自体はあまり新味がないのですが、ゲームの中で高校生たちがそれぞれ成長するという児童文学的なハッピーエンドなので、ファミリーで楽しめます。



 

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ジュマンジ/ネクスト・レベル

2020-12-28 17:04:07 | 映画

 2019年公開のアメリカ映画で、「ジュマンジ/ウェルカム・トゥ・ジャングル」(その記事を参照してください)の続編です(オリジナルの「ジュマンジ」(その記事を参照してください)とは直接的には関係ありません)。
 現実世界の登場人物も同じ(高校生だったのが大学生になっていますが)で、ゲーム内のキャラクターも一緒なので、前作を見た人には親しみやすくなっています。
 ただし、題名通りに前作よりゲームの難易度が上がっていて、新しい登場人物も出ますし、途中でキャラクターの入れ替わりなどもあるので、前作を見ていない人には分かりにくいかも知れません。

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マーウ゛ェリック

2020-12-21 15:03:53 | 映画

 1994年公開の豪華キャスト共演の西部劇です。

 主役が「マッドマックス」(その記事を参照してください)などのメル・ギブソンで、相手役が「羊たちの沈黙」などのジョディ・フォスターで、さらに、大御所のジェームス・ガードナーやジェームス・コバーンまで出演しています。

 特に、ジェームス・ガードナーは、60年代の同名の人気テレビシリーズで、主役のマーウ゛ェリックを勤めているので、そのファンには堪らないでしょう。

 クライマックスは船上を貸しきった大掛かりなポーカー大会なのですが、それに至るまでの過程がユーモアたっぷりに描かれている、いわゆる珍道中物です。

 ガンファイトや殴り合いもたっぷりあるのですが、少しも血が流れない健全な娯楽映画です。

 

 

 

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マトリックス

2020-12-19 14:29:48 | 映画

 1999年公開のアメリカ映画です。

 コンピュータが支配した世界を描いた近未来SF映画で、その世界観には特に目新しいものはありません。

 しかし、CGとワイヤーアクションなどの従来の特撮技術を融合させた映像や音楽は斬新で、関連するアカデミー賞をそうなめにしました。

 主演のキアヌ・リーブスの若々しい魅力にあふれた演技もあいまって、世界中でヒットしました。

 特に、超高速で反応できるために、弾丸が止まって見えて、イナバウアーのようなスタイルでかわすシーンは、多くのパロディを生み出しました。

 子どもたちの間では、それを真似たマトリックスごっこがはやりました。

 インターネットが普及する前なので、サイバー空間に入る通路が電話回線というのには、時代を感じさせます。

 また、携帯電話はあるものの、まだ通信できるのは音声だけです。

 他の記事にも書きましたが、インターネットとスマホがいかにすごい発明であるかと、それを実現している半導体技術の進歩のものすごさが、この映画からも実感できます。

 

 

 

 

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三大怪獣 地球最大の決戦

2020-12-18 13:53:36 | 映画

 「モスラ対ゴジラ」(その記事を参照してください)と同じく、1964年に作られたゴジラシリーズ5作目です。
 三大怪獣というのは、モスラ、ゴジラと、もうひとつ東宝の誇る怪獣スター、ラドンのことで、人気スターのそろい踏みです。
 実は、もうひとつキングギドラも登場するのですが、それは途中まで伏せられています。
 初めはけんかをしていたゴジラとラドンを、正義の怪獣モスラ(国会の要請により、平和の島インファント島からやって来ました)が説得して、金星の文明を滅ぼしたというふれこみの宇宙怪獣キングギドラを、地球の三大怪獣が力を合わせてやっつけるという怪獣ストーリーに、命を狙われている外国の王女(なぜか金星人になったり、日本語をしゃべれたりします)とボディーガード役の日本の警察官の恋と冒険のストーリー(「ローマの休日」の完全なパクリです)をからめた娯楽作です。
 この作品で、怪獣たちの擬人化度が格段に上がったこと、「人類の敵」であったゴジラが「人類の味方」へ変身したこと、怪獣だけではスト―リーが持たないので人間たちのドラマを付け加えたことなどで、ゴジラシリーズはこの後急速に堕落していきます。
 人間社会の個々の問題(当時であれば、東西冷戦、核実験、安保、公害など)を批判するのではなく、人類のためとか地球のためといった大きな(それゆえあいまいな)正義を持ち出して、悪(この映画の場合は金星を滅ぼした宇宙怪獣)をやっつけるといった構図は、児童文学でもファンタジー作品でよく用いられますが、たんなる娯楽作品以上の価値は持ちえません。

 

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グーニーズ

2020-12-14 17:21:22 | 映画

 1985年公開のアメリカ映画です。

 主人公を含むグーニーズというチームの少年たちと、主人公の兄やそのガールフレンドなどが、海賊の宝を巡って、強盗団と争います。

 海賊の伝説や家の立ち退き問題や主人公の奇妙なファースト・キスなどを絡めて、痛快な冒険物語を展開します。

 シンディ・ローパーのコミカルな主題歌も、世界中でヒットしました。

 日本の児童文学にも、こんなぶっとんだ面白い作品があれば、子どもたちの読書離れ(大人の方がもっと深刻ですが)を防げるでしょう。

 それにしても、このころのスピルバーグ印(監督だけでなくこの映画のように製作者としても)の映画は、無双状態でした。

 

 

 

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素敵なウソの恋まじない

2020-12-04 17:43:44 | 映画

 老人の恋を描いたイギリスの映画です。
 へたをすればいやらしくなったりウェットになったりしがちな題材ですが、題名通りにユーモラスにシャイな主人公の恋の行方を描いています。
 日本でもこんなに高齢化が進んでいるのですから、こういった題材の映画や文学がもっと描かれてもいいのではないでしょうか?
 特に映画では、平日などは老人の観客が多いのですから、興業的にもある程度の数字は見込めると思います。
 また、このような作品は一種のメルヘンなので、児童文学と親和性が高く、児童文学作家がもっと描いていい題材だと思われます。
 現に、この映画の原作は、「チャーリーとチョコレート工場」のロアルド・ダールです。
 この作品では、ダスティン・ホフマンを初めとした老優たちが見事な演技を披露しています。
 日本でも、かつてのスターたちが、こういった老人映画でまたいい演技を見せてくれると楽しいのですが。

 
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マダガスカル

2020-12-04 17:42:10 | 映画

 2005年公開の、人気アニメーション・シリーズの第一作です。
 ニューヨークのセントラル・パークの動物園で暮らす仲良し四人組(シマウマ、ライオン、カバ、キリン)が、主人公のシマウマが野生の王国にあこがれて脱走したことをきっかけにおこすドタバタ・コメディです。
 動物愛護団体の働きかけで、ケニアの自然保護区へ送られることになった四人組ですが、一緒に乗っていたペンギン四人組が南極へ行こうとシージャックしたはずみで荷箱が海に落ちて、同じ野生の王国でも、リス猿などのユニークな動物が暮らすので有名なマダガスカル島に流れ着きます。
 しかし、都会育ちの四人組は、そこでの暮らしは向いていなくて、みんなで故郷ニューヨークへ帰ろうとします。
 ストーリー自体は、肉食獣のライオンが野生に目覚めてみんなを食べようとすることへの葛藤が中心ですが、BEASTARS(その記事を参照してください)と比べると非常に他愛のないもので、都会暮らしに戻れば元通りになれます。
 この作品の最大な成功要因は、四人組を根っからのニューヨーカーに設定したことでしょう。
 みんな(特に女性であるカバ)おしゃれでノリがよく、どこか軽薄なところも魅力になっています。
 また、全編に流れる音楽やダンスもなかなかカッコ良くて、ノリノリです。
 本筋とは関係ないのですが、日本語吹き替え版のシマウマ役は柳沢慎吾が務めているのですが、シマウマの顔が出っ歯な所や軽薄なノリは、まるで最初から企画されたかのようにピッタリはまっています。





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ダイ・ハード3

2020-11-27 20:22:04 | 映画

 1995年に公開された、人気アクション映画シリーズの第3作です。
 季節もクリスマスではないし、主演のブルース・ウィルス(髪が薄くなり始めています)以外の出演者も違うので、かなり雰囲気は変わっています(ただし、監督は第1作と同じです)。
 この作品では、主人公は警察の一員(ただし、事件が起こったときには停職中でしたが)として活動するので、前二作の権力者への批判は影を潜め、たんなるテロリストとの戦いになっています。
 また、妻も事件には巻き込まれていない(電話でしか登場しない)ので、彼の活躍の最大の原動力であった彼女への愛情も関係なく、彼がここまで体をはってテロリストと戦うモチベーションには説得力はありません。
 そうしたストーリー上の弱さを補うようにして、「Simon Saids」(サイモン云わく)で始まる犯人の謎掛けと、それを主人公と相棒の黒人の民間人が必死で解くという味付けがなされています。
 この「Simon Saids」は、日本人には馴染みがないのですが、アメリカ人などには定番の言葉(誰かの支持に他の人たちが従がう遊びなどに使われます)ですし、謎掛けにはやはり欧米人には馴染みのあるマザー・グースのパロディや昔のアメリカ大統領の名前などが使われています。
 でも、「Simon Saids」と聞くと、私などのオールド洋楽(死語ですね)ファンは、1967年に発売された1910フルーツガム・カンパニーのこの題名の曲の軽快なメロディが浮かんできてしまいます。
 話が脱線しますが、この曲を皮切りにその頃はやった内容はないがノリのいい音楽は、バブルガム・ミュージックと呼ばれました(他に私が好きだったのは、オーシャンの「サインはピース」やエジソン・ライトハウスの「涙のハプニング」などです)。
 こうした曲の音源はディジタルにエンコードしてあるので今でもたまに聴いていますが、現在ではそんなことをわざわざしないでもYouTubeで簡単に聴くことができます。

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ボス・ベイビー

2020-11-20 16:30:19 | 映画

 生まれてきた赤ちゃんが、「赤ちゃん」を製造(?)しているベイビー社の経営者のボス・ベイビーだったという奇想天外な設定のアニメです。
 両親の愛を独り占めしていた主人公の男の子が、ボス・ベイビーにその座を奪われて苦悩する前半は、よくあるパターン(児童文学でも「トロットの妹」以来、多くの作品で描かれているテーマです)で、やや退屈でした。
 しかし、家庭における「赤ちゃん」のライバル(?)である「子犬」を製造する会社の経営者との戦いを描いた後半は、スリルのあるアクションと赤ちゃんたちのかわいらしさが全開でかなり楽しめます。
 兄弟愛に目覚めるラストもよくあるパターンなのですが、お約束のハッピーエンドなのでファミリーで楽しめる作品になっています(春休みのせいか、場内は子どもたちや親たちの笑い声が、上映中たえず響いていました)。

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夏をゆく人々

2020-11-08 13:20:01 | 映画

 2014年のカンヌ国際映画祭で、グランプリのパルムドールを受賞したイタリア映画です。

 トスカーナ地方を舞台にして、一家で養蜂を営む家族の姿を、長女の中学生ぐらいと思われる少女の目を通して描いています。

 彼女は典型的な長女キャラで、横暴でわがままな父親、優柔不断な母親、気ままな妹たち(小学生ぐらいが一人と、幼稚園ぐらいが二人)などに囲まれて、実質的に一家を支えています。

 彼女は、一度はこうした家族たちから離れることを夢見て、もっと広い世界への憧れを持ちますが、最後には家族のもとへ戻ってきます。

 彼女の名前ジェルソミーナからは、ジュリエット・マシーナが演じたフェリーニの「道」の主人公を連想してしまいます。

 軽度の知的障害者だった彼女に対して、長女は感受性豊かで聡明な少女ですが、どちらも無垢な魂の持ち主であることは共通しているかもしれません。

 

 

 

 

 

 

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スティング

2020-11-06 15:52:32 | 映画

 1973年公開のアメリカ映画です。

 監督がジョージ・ロイ・ヒル、主演がポール・ニューマンとロバート・レッドフォードと言えば、「明日に向かって撃て」(その記事を参照してください)のゴールデン・トリオですが、この映画でも再結集して、アカデミー賞では作品賞や監督賞などの7部門を受賞した傑作コメディが出来上がりました。

 ギャングの大親分を相手に、詐欺師たちが胸のすくようなトリックを成功させて、観客を大満足させる腕前はさすがです。

 複雑な伏線が幾重にも張られて、それが一気に解けるラストは痛快です。

 1969年の「明日に向かって撃て」では、どちらかというとポール・ニューマンの方が中心だったのですが、この映画では、ロバート・レッドフォードは対等ないしはより主役を演ずる存在に成長しています。

 

 

 

 

 

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