1998年のアメリカ映画です。
キュートな魅力を持つメリーを巡って、周囲の男性が互いにいろいろな謀略を巡らすお話です。
徹頭徹尾下品なドタバタコメディですが、それを超越したようなかわいいキャラクターのメリーに、登場人物だけでなく、観客も首ったけになるように仕組まれています。
この映画でブレイクした、キャメロン・ディアスの魅力が全開です。
1998年のアメリカ映画です。
キュートな魅力を持つメリーを巡って、周囲の男性が互いにいろいろな謀略を巡らすお話です。
徹頭徹尾下品なドタバタコメディですが、それを超越したようなかわいいキャラクターのメリーに、登場人物だけでなく、観客も首ったけになるように仕組まれています。
この映画でブレイクした、キャメロン・ディアスの魅力が全開です。
1990年のアメリカ映画です。
「ブレードランナー」(その記事を参照してください)の原作者として有名なフィリップ・K・ディックの短編を元にしたSF映画です。
記憶を奪われた男が、地球から火星に戻って、独裁者と対決します。
CGがまだあまりなかった時代なので、手作り感満載ですが、そのためかえって迫力あるシーンが撮れています。
主役のアーノルド・シュワルツネッガーの肉体的な魅力が、迫力あるシーンを生み出しています。
2019年公開のアメリカ映画です。
老人の養護施設になぜか収容されているダウン症の青年が、脱走してプロレスの養成学校を目指します。
彼の面倒を見ていた看護師の女性が、彼を探して追跡します。
一方で、しっかり者の兄を自分が原因の事故で亡くした漁師は、自暴自棄になって同業者の蟹籠を燃やして逃亡します。
ダウン症の青年と漁師が出会い、一緒にプロレス養成学校を目指します。
二人に追いついた看護師も、彼らに共鳴して旅に合流します。
典型的なロードムービーで、気ままな旅も魅力的ですし、三人の人間関係の描き方も悪くありません。
しかし、ラストの部分が、リアルなのかファンタジーなのかわからないような描き方(ダウン症の青年は、手作りのリングに上がり、巨漢の元プロレスラーを持ち上げてリングの外へ投げ捨てます。漁師は、そのリングサイドで追っ手の男にバールで頭を殴られます。その後、病院のシーンを挟んで、三人が車でフロリダを目指すところで終わります)なので、観客は曖昧な印象のまま、現実世界へ放り出されてしまいます。
なお、ザ・ピーナッツバター・ファルコンという風変わりなタイトルは、ダウン症の青年のリング・ネームです。
1984年に公開されたアメリカ映画です。
東部から西海岸に引っ越してきた男の子が、地元の裕福な子どもたちにいじめられて、空手を習うことを思い立ちます。
地元の空手道場はいじめっ子たちの巣窟だったので、偶然知り合った日本人の老人に空手を教わり、最後にはいじめっ子たちを押さえて大会で優勝します。
典型的な成長物語のストーリーは万国共通なようで、大ヒットしてシリーズ化されました。
こうした男の子向きのストーリーの王道を行く構成で、風変わりな空手の修業シーンと大会での試合がクライマックスです。
ただし、背景としては、アメリカの格差社会への批判や、主人公のロマンスなども織り込まれています。
また、その中に盆栽や日本庭園や日本家屋などの日本趣味や、戦争中の日系人の苦労なども盛り込まれています。
日本人が見るとおかしな点も多々ありますが、1980年代という時代を反映して、当時隆盛を極めていた日本への関心と、日本をマーケットとして重要視していることが伺えます。
ちなみに、2010年に公開されたリメイク作品は、中国を舞台にして中国武術に変えてあるそうですから、ハリウッドの商法のしたたかさには驚かされます。
2018年公開のスペイン映画です。
短気からヘッドコーチを殴ってチームを首になり、さらに飲酒運転で事故を起こしたプロバスケットボールチームのコーチが、懲役代わりの社会奉仕で、知的障害者のバスケットボールチームのコーチをやることになります。
初めはいやいやでスタートし、奔放で個性的なメンバーにてこずりながら、次第に彼らの人間的な魅力に惹かれて指導にのめり込んでいきます。
チームも全国大会で準優勝するまでになりますが、自己中心的でマザコンだったコーチも人間的に成長していきます。
障害者を扱った作品ですが、少しも深刻ぶらずに、コメディタッチのエンターテインメントとして作ったのが成功の原因でしょう。
陽気で明るい楽しめる映画に仕上がっているので、本国で大ヒットしたのも頷けます。
特に、チームを構成しているメンバーを、実際に障害者の俳優陣が演じているので、場面場面にリアリティがあって、かなりご都合主義のハッピーエンディングストーリーでも、十分に説得力があります。
1993年公開のアメリカ映画です。
ケーリー・グラントとデボラ・カーが主演した。1957年公開の往年の名メロドラマ「めぐり逢い」をモチーフにしたロマンチック・コメディです。
メグ・ライアンとトム・ハンクスが、いかにも好ましいアメリカの若いカップルを演じて、子役(トム・ハンクスの息子役)の熱演もあいまってヒットしました。
実は、「めぐり逢い」自体も1937年の映画のリメイクで、こういったすれ違いの恋愛はアメリカの女性の大好物のようです。
それぞれの時代の代表的なスターが演じていますが、やはり時代背景を反映して、今回はコメディ仕立てにしています。
2015年公開のイギリス・アメリカ映画です。
コミックスが原作ですが、往年の007のようなオーソドックスな娯楽スパイ映画です。
愉快な秘密兵器やCGを使った派手なアクションが売りです。
けっこう残酷なシーンも多いのですが、あまりに荒唐無稽なので、深刻にならずに見られます。
一応、死んだ父親の後をついで、スパイになろうとする青年の成長物語でもあるのですが、あまりにご都合主義なので、成功しているとは言えません。
イギリスの人気コミックスの映画化の第二弾です。
秘密スパイ組織「キングスマン」と、悪の麻薬組織「ゴールデン・サークル」の対決を、アメリカにある「キングスマン」の同盟組織「ステイツマン」と絡めて、三すくみの荒唐無稽ではちゃめちゃなアクションコメディです。
CGの発達により実写化が可能になったので、かつてだったらアニメで描かれたコミックスの映画化が実写版で行われるのは、洋の東西を問わずに今の映画の主流になっています。
人間ドラマを描くより、テーマパークのアトラクションのようなハラハラさせる作品の方が、現在では受けるようです。
もっとも、映画が生まれたころのモノクロの無声映画時代も、同様なスラプスティック・コメディがたくさん作られていました(代表的なスターはチャップリンやキートンでしょう。日本では、「目玉の松ちゃん」こと尾上松之助や「エノケン」こと榎本健一が有名です)から、それへの先祖がえりと言うことができるかもしれません。
この作品では少々残虐なシーンがあって興ざめするところもあるのですが、本来は、どんなに激しいアクションシーンでも主人公はもちろん敵役も怪我ひとつしないので、子どもも含めた観客が安心して楽しめる娯楽作品なのです。
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キングスマン(字幕版) |
クリエーター情報なし | |
メーカー情報なし |
2019年のアメリカ映画です。
フェラーリの買収に失敗したフォードが、社長のメンツを守るために、天才カー・デザイナーや天才ドライバーの手を借りて、王者フェラーリを破って、ル・マン24時間レースに勝利するまでを描いています。
デザイナーとドライバーの友情や、ドライバーの家族(妻と息子)の愛情はよく描けています。
しかし、それを強調するために、フォードという大会社の官僚主義をあざとく描きすぎてドラマが安っぽくなっています。
また、史実をかなり大胆に逸脱している点もいただけません。
そのくせ、結局は大会社の論理に屈する形になっている点も、見終わっての後味を悪くしています。
ただし、手作り感満載だった時代(60年代)のレースの様子は、迫力満点で楽しめます。
作曲家の父親の印税で暮らしている無職の独身男と、精神を病んでいるシングルマザーに育てられ学校でいじめられている少年が、ひょんなことで知り合う話です。
お互いに欠損している部分を次第に補い合って、周囲の人たちも巻き込んで、何とかピンチを切り抜けていく二人を、ユーモアを交えて描いています。
だいぶ前にニック・ホーンビィの原作を読んだ時にはほとんど印象に残りませんでしたが、映画の方は上質なヒューマンコメディに仕上がっています。
それは、主役のヒュー・グラントがこの軽薄だが心優しい主人公にはまり役だったことと、少年役のニコラス・ホルトの達者な演技に負うところが多かったように思いました。
これからの児童文学でも、このような大人と子どもの共生は重要なテーマですし、もっと描かれるべきだと思われます。
そういった作品を書く時には、この映画はヒントになるかもしれません。
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アバウト・ア・ボーイ [Blu-ray] |
クリエーター情報なし | |
ワーナー・ホーム・ビデオ |
2010年公開の、キャサリン・ライアン・ハイドの同名小説を映画化した作品です。
「世界を変えるために自分でできること」という風変わりな学校(ジュニア・ハイスクールの一年生です)の課題に、まともに取り組んだ12歳の少年の戦いを描いています。
彼が考えたのは、自分が三人の人に無償の善意の行動を行えば、それが連鎖的に拡がって、やがては世界が変わるというものです。
それは、彼自身が、アルコール依存症で家庭内暴力(彼自身にではなく彼の母親に対してです)でネグレクトの父親と、アルコール依存症で恋愛依存症(DVの夫にも依存しています)の母親のもとに育ち、この「クソのような」世界を変えたいと思っていたからです。
彼自身は、第一段階(薬物依存上のホームレスの男性を立ち直らせる、父親のDVによって顔や体にひどいやけどを負って女性と交際できない担任の教師(この課題を出した人です)と自分の母親との仲を取り持つ、いじめられている友だちを暴力から守る)をクリアできなくて悪戦苦闘するのですが、彼の知らないところでこの「ペイ・フォワード」運動は広がりを見せます。
一方で、彼自身は、三番目の課題の友人を守ろうとして命を落としてしまいます。
こうした原作のある映画は、上映時間の制限があるので、どうしてもあらすじのようになってしまいますし、観客にうける母親と教師の恋愛が中心になってしまって、「ペイ・フォワード」運動については説明的になっている感はあります。
それでも、アルコール依存症、薬物依存症、DV、ネグレクト、ホームレス、学校内暴力、犯罪など、アメリカが抱える社会問題の根深さを考えさせてくれます。
そして、それらの多くは、現在では日本社会の深刻な問題でもあります。
第86回アカデミー賞で監督賞と撮影賞を受賞した作品です。
宇宙を題材としたSF物ですが、「2001年宇宙の旅」のような壮大な宇宙叙事詩でもなく、「スターウォーズ」のような痛快なスペース・オペラでもありません。
ゼロ・グラビティ(無重力)の宇宙空間を、徹底的にリアルに再現しています。
正味1時間24分ほどの短い作品ですし、これといって特筆するような物語性もありません。
事故で宇宙空間に投げ出されたミッション・スペシャリストが、さまざまな障害を克服して地球へ生還するまでをCGと3Dを駆使して描いています。
そう、これは映画というよりはよくできたゲームに近いのかもしれません。
ただし、本当のゲームと違って生還は約束されていますし、障害の克服も偶然に頼りすぎているので、スリルはあまりありません。
ただ、宇宙から見た地球の圧倒的な美しさや、宇宙空間や宇宙船内での無重力状態の再現が素晴らしくて、一見の価値はあります。
残念ながら私は自宅のテレビで見たのですが、映画館のできるだけ大きなスクリーンで3Dで観たら、宇宙飛行士になったような気分を体験できたことでしょう。
これは、ある意味映画の先祖がえりの一種なのかもしれません。
もともと映画は、写真を動かすところからスタートしたもので、明治、大正時代の日本ではずばり「活動写真」と呼ばれていました。
その後、文学作品の映画化などにより映画は物語性を獲得していったわけですが、この作品では物語性よりもCGや3Dによるびっくりするようなリアルな立体映像や立体サウンドを作り上げることに注力して、観客に宇宙空間を体験させるテーマパークにあるようなアトラクションとして成功を収めています。
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クリエーター情報なし | |
ワーナー・ホーム・ビデオ |
2016年公開の日本映画です。
離婚した男女とその一人息子を、月一度の面会交流の日を中心にして、描いています。
夫が育った古い団地に一人で住む夫の母親を絡めて、修復できない二人の関係を際立たせています。
小説家くずれで、探偵事務所に勤めている(本人はいまだに取材のためと証しています)駄目人間(平気で依頼主を裏切ったり、金持ちの高校生の弱みを握って脅したりして、違法な小銭を稼いでいますし、同僚に借金して競輪をしたりしています)を阿部寛が熱演しています。
彼は、長身でイケメンなのですが、このようなやや病的なところのある人間(例えば、「テルマエ・ロマエ」(その記事を参照してください)や「結婚できない男」(その記事を参照してください)など)を演じると、不思議とはまります。
樹木希林や小林聡美やリリー・フランキーなどの芸達者は役者が多数出演していて、作品のリアリティを保証しています。
ただし、前半にダメ男ぶりを描きすぎたために、後半の家族ドラマや、樹木希林のいかにもそれらしい台詞にも、素直に感動できませんでした。
1984年のアメリカ映画で、ディズニーの映画部門であるタッチストーン・フィルムの一作目の映画です。
子どものころに親しんだファミリー向けのディズニー映画(「罠にかかったパパとママ」(ケストナーの「二人のロッテ」の翻案(舞台を当時のアメリカにしています)や「スイスファミリー・ロビンソン」(ウィースの「スイスのロビンソン」(デフォーの「ロビンソン・クルーソー」の成功以来夥しい数が出版されたいわゆる「ロビンソン物」(関連する記事を参照してください)における数少ない成功作品)の翻案(登場人物や時代を当時のアメリカにしています)のテイストを、大人の世界に持ち込んだ現代のおとぎ話的なファンタジーです。
主人公が子ども時代に海でおぼれた時に助けてくれた同い年くらいの子どもの人魚と、大人になってめぐり合い結ばれるディズニー映画らしいハッピーエンドな作品です。
基本的にはドタバタコメディ(人間社会を知らない人魚の無邪気な魅力、好青年(死語ですね)の主人公とすけべで不真面目な兄の対比、二人の人魚の存在を証明しようとする偏執狂な科学者(いわゆるマッド・サイエンティストですね)とのバトルチェイスなど)で、ストーリーはたわいのない物なのですが、出てくる人物が権力者(政府、警察、科学者のお偉方などを除いては、みんな最後にはいい人(兄もマッド・サイエンティストも)になるし、二人が海の中で一緒に暮らすことになる(主人公が、慣れない海で暮らして、その後本当に幸せなのかはいささか不安ですが)ハッピー・エンドなので、安心して楽しめます。
なんといっても、この作品を支えているのは登場人物の魅力です。
主人公の青年を演じている若き日のトム・ハンクスは、アメリカの好青年(ピュア―でまじめで仕事もでき、長身でそこそこハンサム(これも死語ですね)にピッタリです(その後、やはり現代のお伽噺的な映画「ビッグ」(その記事を参照してください)で、同様の好青年を演じて賞を取りブレイクします)。
人魚役のダリル・ハンナは、当時世界的に美人の代名詞であった典型的な北欧美人(長身で金髪で青い目)で、人魚姫にはうってつけ(御存じのように、「人魚姫」の作者のアンデルセンはデンマークの人です)なのですが、そこに野性的(水泳(当たり前ですが)もエアロビクスもアイススケートもすごく上手ですし、しばしば全裸(長い金髪が上手に隠しています)で登場したり、レストランでロブスターを殻ごとバリバリ食べたりしてしまいます)で現代的な(デパートでのショッピングに夢中になり、テレビで英語もエアロビクスもあっという間にマスターしてしまったりします)な要素を加味しています。
主人公の兄役のジョン・キャシディーは「ホーム・アローン」などでお馴染みの名脇役で、すけべ(子ども頃から女性のミニスカートを下からのぞくのが癖で、大きくなってからは出会った女性を片っ端からくどいています)で、怠惰(仕事はあまりせずに遊んでいて、肥満していて、酒もたばこもギャンブルも大好きです)ですが、どこか憎めない(営業では社交的な性格を生かした手腕を発揮しますし、すごく弟思いです)陽気なアメリカ人にはうってつけです。
マッド・サイエンティスト役のユージン・レヴィはユダヤ系(自身もそうです)の有名人の物まねもする人で、頭はいいが性格に難があって、でもどこか抜けているので憎めない、こうした役にうってつけです。
他の記事でも繰り返し述べていますが、このようなデフォルメされた典型的なキャラクターの設定は、読者や観客を作品世界に引き込むための、エンターテインメントにおける重要な手法です。
しかし、今では、多様なマイノリティの人たちや健康への配慮のために、特に映画やテレビでは難しくなっており、その分派手なCGなどでごまかした作品が増えてきています。
この映画でも、現代ならば、白人中心主義(黒人やヒスパニックやアジア系の俳優をもっと使わなければならないので、金髪美人(これも死語ですね)などはもってのほかでしょう)、ギャンブルや飲酒や喫煙などのシーン、セクシャルなシーン、セクシャルハラスメント(ナンパやミニスカートを下からのぞくシーン)、人種差別(ユダヤ人の描き方など)などが問題になるでしょう。
現代ではこうした配慮はエンターテインメント作品を作る上で当然必要なことなので、どうしたらそうした制約の中で、新しい典型的(分かりやすいと言い換えてもいいかもしれません)なキャラクターを創造するかが課題です。
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四人の若者の青春群像劇でもあり、クライム・ムービーでもありますが、イギリス映画らしいモンティ・パイソン的なユーモアとギャグに満ちたコメディです。
徹底的に偶然とご都合主義に満ち満ちているのですが、それがむしろ痛快に感じられる一級のエンターテインメント作品に仕上がっています。
また、全編に流れる音楽や、登場人物たちのファッションも、非常にスタイリッシュです。
このヒリヒリした若者たちの感覚は、日本の児童文学でもほしい所です。
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ソニー・ピクチャーズエンタテインメント |