だれもがポオを愛していた (創元推理文庫) | |
平石 貴樹 | |
東京創元社 |
やっと読了。実に読みづらい。
本格ミステリだという触れ込みで、表紙をめくるとまずは登場人物欄が目に入る…探偵役が更科丹希(さらしなにき=更級日記)、語り手がナゲット・マクドナルドで、ケロッグ警視に刑事がナビスコ、バドワイザー、キャンベル、マコーミック、ハインツ、ロンとヤース(しかもゲイ)…。
すでにこの段階でうんざり。
で、文体は下手な翻訳調を真似ているへんな日本語。
マイルドセブンを"穏やかな七"と直訳する態をとっているに至っては…
下手な訳者には泣かされているが、何故日本人作家のそんな真似っ子で泣かされなくてはいけない??(著者は東大教授らしい)
著者のゆがんだユーモア感覚にはほとほと嫌気がさした。
トリック自体がそれほど悪くはなかっただけに惜しまれる。
あ、そうそう、人物造形も下手。
本書の更科丹希をみていると、西之園萌絵ちゃんはかわいかったなぁと『すべてがFになる』を読み返したくなって困った。