読書日記☆こんな本読んでます

2004年1月からの記録です。
この頃積ん読が多くっていけません....

新釈四谷怪談

2008-09-29 | 歌舞伎
新釈四谷怪談 (集英社新書 454F)
小林 恭二
集英社

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『「祟りは過去のものではない。現代こそ、祟りのスーパーパワーが発揮される時代であることを解き明かす本。思わずぶるっとします」鏡リュウジ氏(占星術研究家)
「お岩さまは、史上最強、完全無欠の守護天使」山本容子氏(版画家)

親殺し、子殺し、無差別殺人の横行する現代に、時代を超えた「目に見えない世界」からの声が届く……。江戸時代に誕生した「お岩さま」は、何故今も恐れられ、拝まれているのか? 「祟り」とは何か? なぜ怖いと思いながらも私たちは怪談話に惹かれるのだろうか。目に見えないものを畏れることの今日的な意味合いとは? 鬼才鶴屋南北が江戸末期に近い文化文政の時代に世の中へ投げかけた問いが、今、鮮やかによみがえる。 』

悪への招待状―幕末・黙阿弥歌舞伎の愉しみ」の小林さんである。
黙阿弥の次に近松を取り上げているはずなのだけど、それは未読。
本書は南北。私にとっては実に不可解な戯作者。
分かりやすく、面白く・・・はいいのだが~・・・わたくし、怖がり(・・;)
怪談ってだめ。四谷怪談(歌舞伎の)も観たことがない。観る予定もない(関西で上演されることもあまりないのだが) じゃ、読むなって話ですけど・・・。

南北の登場した歴史背景についての考察は面白かった。

歌舞伎、東京では荒事が優勢であり、上方では世話物が優勢であるということは事実なのだけど、その理由について江戸は武士の世界だからと説明されていることが多いように思う。
でも歌舞伎を観ていたのは町人が主のはずと少々納得がいかないもやもやをかかえていたのだけれど、本書に「江戸語が誕生したのは、18世紀後半のことであり、固まったのは19世紀になってからのことだ」とあり(要するにそれまで江戸にはちゃんとコミュニケートできる共通語はなかった)、上方のようなせりふを中心とした芝居はわからなかったから、江戸では役者の身体所作中心の舞台を作り上げたということのようで、なるほど~でした。
(諏訪春雄氏の「鶴屋南北」を読んで得た知識だそうです)
やっとできた江戸語を使って世話物を作り始めたのが南北。
四谷怪談をただの怪談となめてはいけないと自戒。





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坂東三津五郎 歌舞伎の愉しみ

2008-07-30 | 歌舞伎
坂東三津五郎歌舞伎の愉しみ
坂東 三津五郎
岩波書店

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『世話物・時代物をどう観るか,踊りの魅力とは,荒事・和事をどう愉しむか,新作の可能性とは──など,俳優の視点から,歌舞伎鑑賞の「ツボ」を伝授します.演題に即して観かたを具体的に解説.さらに舞台の想い出や演じる心意気にも触れ,三津五郎丈ならではの知的で洗練された語り口で,芸の真髄を解き明かします.』

「歌舞伎役者で誰がお好き?」と問われて、三津五郎さんの名前を挙げるとたいていいやな顔をされる。
それは、人気絶頂の寿ひずる(宝塚歌劇のスター)をトップ寸前に辞めさせた挙句に捨てたから。
あの突然の引退・結婚の衝撃をみんな(特に関西人は)忘れていない。
でも、それでも好きな役者さんの一人ではある。
彼の踊りは、私のような門外漢でもわかるくらいすばらしい。

で、ま、本書。
"中級者のために"と書かれていたので読んでみた。
現役の役者ならではの率直な書きようで面白かった。
三津五郎格子の表紙カバーがすっきりしていてGOOD!

それぞれの役者さんが、それぞれの志向で歌舞伎の未来を考えているところが素晴らしい。
その総和が歌舞伎の発展につながるのだろうなぁ。



坂東三津五郎公式ホームページ
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カテゴリーの歌舞伎

2005-01-28 | 歌舞伎
『歌舞伎』というカテゴリーを設けていますが、
私の歌舞伎入門というブログの読む・歌舞伎と重なってしまうので、
こちらへはもう増やさないことにしました
どうぞ歌舞伎入門にいらしてくださいね
よろしくお願いします
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役者は勘九郎―中村屋三代

2005-01-27 | 歌舞伎
役者は勘九郎―中村屋三代

文芸春秋

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『父・勘三郎の厳しい指導を深く心にきざみつけて、意欲的に様々な役に挑戦、名優への道を一直線に進んでいる勘九郎。今、その志は二人の息子・勘太郎と七之助に受け継がれようとしている。中村屋三代と親しい著者が、勘九郎の芸と人間性を、周囲の人々との心温まるエピソードを数多く盛り込んで爽やかに描く。』

関容子さんの語り口がいいんですよねぇ
ごいっしょに楽屋やお宅にお邪魔して、ごいっしょにお話をうかがっている気になっちゃう
すっかりお友だち気分です(汗

関さんのご本を読んでて、東京の歌舞伎役者さんたちとはずいぶん"お友だち"になったのだけれど、関西に住んでいながら上方の役者さんたちにはどうもなじみになれなくて・・・
どなたか上方の歌舞伎役者さんたちについても同じようなご本書いていただけないかなぁ
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江戸人と歌舞伎―なぜ人々は夢中になったのか

2005-01-24 | 歌舞伎
江戸人と歌舞伎―なぜ人々は夢中になったのか

青春出版社

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『世界有数の巨大都市・江戸の流行を生み出した歌舞伎。現代に受け継がれた、江戸っ子の「はり」と「粋」の世界。歌舞伎がどのように創造され、伝承されてきたのか。江戸の人々がどうやって歌舞伎と関わってきたのかを解説する。』

田口章子さんの著書だと思って買ってみたらよく見たら"監修"だった
で、出版社が青春出版社。。。(+。+)あちゃ-
繰り返し、繰り返しポイントを説明してくれるので(よく言えば)実にわかりやすい(この出版社「試験に出る英単語」でお世話になったなぁ)
芸術選奨文部大臣賞受賞の「江戸時代の歌舞伎役者」の方を読めばよかったかなぁ

"江戸っ子"というものの成立も興味深い
江戸学ってあるのは知ってたけど、面白そう
江戸っ子って税金かからなかったって知ってた?
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花の脇役

2005-01-22 | 歌舞伎
花の脇役

新潮社

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『「立廻りが大好き」と坂東橘太郎、「まだ十一代目の夢を見ます」と市川升之丞、心から敬愛した師匠とのやり取りを懐かしむ六代目最後の弟子尾上菊十郎―歌舞伎の世界に惚れこんだ男たちが、入門のきっかけ、辛かった修業時代、思い出の舞台のことなどをそっと明かします。華やかな桧舞台を脇から支える十人のいい話、ちょっと泣かせる話。』

そう、歌舞伎は主役だけで成り立っているわけではない。
こうやって主役を支えてくれる脇役たちがいてこそ、なのである。
しかし、現代の演劇などの世界とは違う江戸時代さながらの封建的な社会・・・
脇役は表舞台でだけ主役を支えているわけじゃない。
暗くなりそうな話を関容子がさらっと聞かせてくれる

玉三郎さんや勘九郎さんのお弟子さんたちに対する扱いがいい
さすがと言うべきか・・・
歌舞伎の世界とはいえ現代社会ではそうそう封建的ではやっていけないだろうなぁ
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中村勘三郎楽屋ばなし

2005-01-16 | 歌舞伎
『この1冊には、一代の名優が一生かかって貯えたものが、すべて集められている。軽妙な語り口を見事にうつしとった聞き書きの冴えに酔いながら、中村屋の生い立ちにホロリとなり、岳父6代目菊五郎と兄・吉右衛門にはさまれて修業する姿に手に汗握る。教養小説と冒険小説を同時に読んでいるような贅沢な気分。名優中村勘三郎に密着して聞き出した滋味溢れる芝居の話、芸の話さまざま。日本エッセイスト・クラブ賞受賞の名著。』

1985年の著書である
勘三郎さんは88年に亡くなられたわけだから、一生の伝記と言ってもいい
気難しいとされている勘三郎さんに突貫取材を試みた関容子さんはすごいけど、この人の人徳なのだろうなぁ、取材を許されて足掛け5年の密着取材
たぶんいやなこともあっただろうけど、そこは触れられず、勘三郎さんの雰囲気をそのまま写し取られた
これがエッセイなのかどうか・・・でも名著であることは間違いない
カバーも小松崎邦夫画伯の描かれた勘三郎の当り役十二選でなまじな写真より雰囲気をよく出している

関容子さん、「海老蔵そして團十郎」に続いて読んだわけだけど、いいですね
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歌舞伎鑑賞ガイド―観る前に読んで役立つ

2005-01-15 | 歌舞伎
歌舞伎鑑賞ガイド―観る前に読んで役立つ

小学館

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『歌舞伎の代表的演目を12選び、見せ場のポイントとストーリーや、重要な登場人物24人について、実際のイヤホンガイド解説者が写真上で解説。当世の人気役者の紹介や花道、セリ、口上等の知識も解説する。』

歌舞伎名作選、ヒーロー・ヒロイン列伝、役者の家系、歌舞伎鑑賞の基礎知識の四部構成
カラー写真だし、説明もわかりやすくていいのだけれど、なにせ12作品・・・物足りないかなぁ
ほんとの初心者にはいいかもしれない(ん?えらそうに~(笑) 初心者からちょっと初級者レベルになったかな?(爆))

しかしまあ役者の家系図のわかりにくいこと
いろんなとこで血縁関係があるかと思えば、大きな名前でも養子だったり、名前が違っても兄弟だったり・・・
ま、こんなこと知らなくてもいいかねぇ

あの作品をこの配役で、なんて勝手に思い描いてます
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歌舞伎への招待

2005-01-12 | 歌舞伎
歌舞伎への招待

岩波書店

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『戦後の歌舞伎批評を確立した戸板康二.本書はその出発点となった作品であり,異邦人(エトランゼ)の鑑賞眼で,芝居通の間で当然のこととされていた「約束事」を,読者にやさしく翻訳してみせる.「花道」に始まり「女方」「菊五郎」「荒事」「黙阿弥」等のテーマで構成される各章では,それぞれにまつわる挿話・芸談が連句のように紡ぎ合わされている』

昭和25年出版の復刻版で、五代目菊五郎などと書かれているとびっくりするけど、なに、本質は変わらない。
『荒事は一から十まで、誇張の演劇である。見得は誇張の演技である。誇張がばかばかしくて見ていられない観客がいるとすれば、歌舞伎にとって、その人はとうてい「縁なき衆生」であろう』の言葉に凝縮される。
「縁なき衆生」だった私が一度生の舞台を見て、その魅力にはまった、それも歌舞伎である。
食わず嫌いの皆様、ぜひお出かけくださいな。

全く本筋とは関係ないのだが、
『二十世紀の原子力時代に、亡霊の怨念凝って祟りをなすということを人々は信じなくなった。また信じないからこそ、おどろくべき犯罪が横行する。』
とある。
これが書かれてから55年。けだし、慧眼である。
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歌舞伎手帖

2004-12-26 | 歌舞伎
歌舞伎手帖

講談社

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第一人者が310作品を解題・解説した名著!!
全作品を【物語】【みどころ】【成立】【初演・作者】【芸談】【蛇足(エピソード)】で楽しむ、類のない歌舞伎事典!!

これはすごいとしか言いようがない! 
310作品ですよ!!
歌舞伎ファン必携バイブルではないかな
見る前に、みどころを押さえるのもよし
見てから、なるほど~と思うのもよし
読んでいたら、あれも見たい、これも見たいと思ってしまうのが困りもの(笑)
個人的には【芸談】が殊に好きです
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