Enjoy KABUKI !!

気ままに歌舞伎を楽しんでいます♪

演劇界 2014年 12月号

2014-12-02 | 読む・歌舞伎
演劇界 2014年 12月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
小学館
『内容紹介

◎巻頭大特集
十八代目中村勘三郎 当り役撰   撮影=篠山紀信

【忘れえぬ舞台】
片岡仁左衛門 坂東玉三郎
坂東三津五郎 中村橋之助
中村勘九郎 中村七之助

【その芸】
勘三郎 三つの顔 文=渡辺 保
双頭の鷲の飛行歴 文=上村以和於

【勘三郎さんへ】
篠山紀信 野田秀樹 笹野高史
柄本 明 長塚圭史

言の葉アルバム――懐かしき日々を振り返る

【中村屋の思い出】
山川静夫 中村哲郎 塚田圭一
荒井 修 小松成美

一門が語る旦那の姿


◎特別付録
十八代目中村勘三郎
芸の軌跡―出演年表―


◎歌舞伎座「十二月大歌舞伎」チケットプレゼント!

◎話題の舞台/国立劇場 十二月歌舞伎公演
通し狂言『伊賀越道中双六』

◎染五郎の歌舞伎摩訶不思議
文・絵=市川染五郎

◎歌舞伎名作案内
男伊達吉例曽我 解説=齊藤千恵

◎名優の食卓
初代松本白鸚 文=大島幸久

◎秋の舞台
○歌舞伎座
○国立劇場
○新橋演舞場
○錦秋名古屋顔見世
○大阪松竹座
○吾妻徳穂 十七回忌追善 三世宗家・七代目家元襲名披露 記念舞踊会
○いわて三陸鎮魂復興祭
○世界遺産劇場 Extra 市川猿之助 平泉歌舞伎
○醍醐寺特別公演~歌舞音曲~醍醐の宴    』



改めて惜しい人を亡くしたと思うなぁ。
決して好きな役者さんじゃなかったはずなのに・・・

永久保存版です。


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GOEMON(ごえもん) 石川五右衛門

2014-10-09 | 観る・歌舞伎
goemon2.jpg十月花形歌舞伎 GOEMON  石川五右衛門を観ました。
愛之助さんの持ちネタ。3回目の公演。

まぁ、五右衛門はイスパニア人の神父の子(ハーフ)って設定からしてとんでもなストーリーなのだけど(フラメンコを多用するのが冗長)、歌舞伎の美味しいところを上手く繋ぎ合せて、客席も使いまくり~の、宙乗りも2回もやり~の楽しい演出で、後味が悪くなかったのが面白かった。ってへんな感想かなぁ。
五右衛門は釜ゆでにもならず、妙に敵打ち(秀吉)にも拘泥もせず、そんな小さいことどうでもいいって大鷹(母の化身)に乗って父の住むイスパニアへ。前向きでいい。

子役の子も鬘&袴でフラメンコ踊るんですよ。いまどきの子役は大変だ。

修学旅行の高校生の団体が3階に入っていて、ちょっと心配したけれど、エンディングの宙乗りで「きゃ~~~~っ」って大騒ぎしてくれたのがかえってかわいくて、愛之助さんもノリノリ。 

壱太郎くん、どんどん上手くなりますね。楽しみ!
吉弥さん、好きな役者さんの一人ですけど、立役は初めて見ました。
上置きの翫雀さん(好色な秀吉)、しっかり来年1月の鴈治郎襲名披露公演の宣伝も!


goemon.jpg
GOEMON(ごえもん) 石川五右衛門

【みどころ】
 『GOEMON 石川五右衛門』(水口一夫作・演出)は、平成23(2011)年11月、徳島県の大塚国際美術館「システィーナ歌舞伎」の第三回公演で初演された作品です。

 誰もが知っている稀代の大泥棒・石川五右衛門が、実はスペインの宣教師の血をひく赤毛のハーフで、フラメンコも踊れるという奇想天外な設定が話題を呼び、平成25(2013)年2月には舞台装置を一新して大阪松竹座で上演。そして、ご好評を受け、今秋の「十月花形歌舞伎」で、早くも待望の再演が実現しました。

 五右衛門を演じるのは、初演からすっかりお馴染みの片岡愛之助。五右衛門の父、カルデロン役に、本公演が歌舞伎初出演となる今井翼を迎え、和と洋が巧みに交錯する大胆な演出と、二度の宙乗りで、客席を席巻する、みどころたっぷりの新たな『GOEMON』にご期待ください。

【あらすじ】
 豊臣秀吉が天下を統一し、戦乱の世が終焉を迎えて間もなくのこと。秀吉に滅ぼされた明智光秀の家臣・四天王但馬守の娘、石田局は、父の仇である秀吉への恨みを募らせ、復讐の機会を密かにうかがっていた。しかし、遠くイスパニアよりキリスト教の布教のためにやってきた神父カルデロンに神の教えを説かれると、仇討ちが虚しくなり、信仰に傾倒するようになった。いつしか二人は恋に落ち、友市という息子が生まれる。親子三人で仲良く暮らし始めたが、秀吉が切支丹禁令を打ち出したことで、カルデロンは国外に追放されてしまう。家族の仲を引き裂かれた失意の石田局は、秀吉に一矢報いようと、単身、聚楽第に乗り込んだものの、返り討ちにあって絶命する。

 時が流れ、都で全盛の人気を誇る阿国一座の「ややこ踊り」を偶然見かけた秀吉は、出雲の阿国に興味を持ち、寝所に召し出す。そこに、突如、曲者が忍び込んだとの知らせが入る。なんと、曲者の正体は、成人した友市。両親の仇敵、秀吉と対決するべく、石川五右衛門と名乗る大泥棒となっていた…。

 五右衛門は、秀吉のもとから阿国を救い出すと、その夫、名古屋山三とも手を組み、三人で共通の敵、秀吉へ立ち向かう約束を交わす。一方、一座の踊りの人気が翳り始めたことに悩む阿国に対し、五右衛門は父カルデロンの母国イスパニアに伝わる踊り、フラメンコを教え、再起へのヒントを与えるのだった。

 同じ頃、秀吉は、五右衛門が隠れ住むという南禅寺に軍勢を差し向ける。五右衛門を捕える包囲網は、すぐそこにまで迫っていた…。
 
【配役】
石川五右衛門   片岡 愛之助
カルデロン神父   今井 翼
出雲の阿国     中村 壱太郎
加藤虎之助     中村 種之助
友市(五右衛門の幼少時)  若山 耀 人 (ダブルキャスト)
友市(五右衛門の幼少時)  菊田 千 瑛 (ダブルキャスト)
石田局/名古屋山三  上村 吉 弥
北政所        市村 萬次郎
豊臣秀吉       中村 翫 雀
フラメンコ       佐藤 浩 希

平成26年10月3日(金)~27日(月)
大阪松竹座




うめだ阪急で↓が開かれます(15日~20日)。御用とお急ぎでない方はおついでにぜひどうぞ~。
あ、愛之助さんのファンの方はぜひどうぞ(って言うまでもなくご存じですね)

ainosuke1.jpg ainosuke2.jpgクリックで大きくなります
上方歌舞伎 片岡愛之助の世界展

今回のために撮り下ろしたプライベート写真や舞台写真、「GOEMON」などの演目で着用の衣裳などを展示。初公開のものを含む映像も上映し、片岡愛之助さんの魅力を余すところなくご紹介します。さらに、愛之助さんグッズの阪急先行販売、歌舞伎柄の手ぬぐいやお菓子の販売も。

◎10月15日(水)~20日(月)
◎9階 阪急うめだギャラリー ※閉場30分前までにご入場ください。催し最終日は午後6時閉場。
◎入場料:一般800円、大学生・高校生600円、中学生以下無料

なんで「GOEMON」の衣装がもう展示できるのだろう( ‥) ン? 


蛇足ながら
mini_141009_1041.jpgグリコの6代目の新しい看板が完成するまでのピンチヒッター。
綾瀬はるかさんです❤

このままでもいいのにね(笑)
ただ電飾ではないので夜は見えないようです。





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七月大歌舞伎昼の部 @松竹座

2014-07-09 | 観る・歌舞伎
shochikuza_201407ff.jpg関西・歌舞伎を愛する会 第二十三回 七月大歌舞伎 @松竹座行ってきました。

天保遊侠録、新歌舞伎なのでね、あまり好きなストーリーじゃないけれど
橋之助さんはさすがでしたが、少し品が良すぎるかなぁ。
児太郎くん、おっきくなったねぇ...って言っちゃいけないか、もう21なんですね。うまいですね。女形で行くのね。
国生くんももう19なのか・・・年をとりますねぇσ(・・;)

女夫狐、翫雀さんが(これまでそう見えたことは無かったのだけど)お父さん(=藤十郎さん)に見えて驚きました。

寺子屋、寺入りなし。みんな知っているものとして。
妙な座組みの寺子屋ってどうだろうと思いましたけど、さすがに達者なみなさんはこなしてくださってました。
仁左衛門さんがお元気で帰ってきてくださってほっ!
秀太郎さんはいつまでもお若くてかわいらしくてステキです。
孝太郎さんの戸波も見たかったな。

藤十郎さんと竹三郎さんも拝見したかったのですけれど、夜の部のみ。
また次回のお楽しみということで・・・



七月大歌舞伎

一、天保遊侠録(てんぽうゆうきょうろく)

 貧乏旗本の小吉は、若い頃から気ままな暮らしぶりでしたが、秀才の誉れ高い愛息麟太郎の行く末を思い、自らの出世を画策し、組頭たちを招き饗応の宴を催します。しかし、上役の腐敗ぶりを目の当たりにしては元来の性格を抑えきれず、啖呵切って糾弾するのでした。来合わせた伯母阿茶の局がその場を収めますが…。
 昔馴染みの芸者八重次との再会や、父親思いの麟太郎の決断など、重なる出来事から自身の無鉄砲な生き方を見つめる小吉の姿を活写した、真山青果の新歌舞伎です。

   勝小吉        橋之助
   坂本屋の八重次  孝太郎
   松坂庄之助     国 生 
   芸者茶良吉     児太郎
   大久保上野介    市 蔵
   中臈阿茶の局    秀太郎

  
二、吉野山雪の故事 女夫狐(めおとぎつね)

 雪深い館で一人、楠帯刀正行が亡き恋人の弁内侍を想い形見の鼓を打っていると、又五郎という供を連れた弁内侍が訪ねてきます。不審に思う正行の前に現れたのは、実は狐の夫婦で、鼓の皮にされた親狐を慕いやって来た塚本狐と、妻の千枝狐でした。
 『義経千本桜』の「川連法眼館の場」をもとにした作品で、二人を怪しむ正行からの問いかけに、様々な舞いで答える展開がみどころの常磐津舞踊です。

   又五郎実は塚本狐   翫 雀
   楠帯刀正行       菊之助
   弁内侍実は千枝狐   扇 雀


  
三、菅原伝授手習鑑 寺子屋(てらこや)

 寺子屋を営む武部源蔵と妻の戸浪は、主君・菅丞相の嫡子、菅秀才を匿う生活をしていましたが、敵方に知られ、菅秀才の首を討つように命じられます。逃れる手立てのない源蔵は、今日寺入りしてきた小太郎の首を替わりに差出すと、首実検役の松王丸が間違いないと断言して立ち去ります。安堵する夫婦でしたが、そこへ小太郎の母千代が迎えにやってきて…。
 歌舞伎三大名作の義太夫狂言『菅原伝授手習鑑』。その中でも、忠義を尽くす二組の夫婦の姿を描いた重厚な一幕です。

   舎人松王丸   仁左衛門
   松王女房千代  時 蔵
   源蔵女房戸浪  菊之助
   涎くり与太郎   国 生
   春藤玄蕃     市 蔵
   武部源蔵     橋之助
   御台園生の前  秀太郎

松竹座



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空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―

2014-04-07 | 観る・歌舞伎
pl_en140305_l.jpgスーパー歌舞伎II(セカンド) 空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語―大阪松竹座 です。

佐々木蔵之介の白塗りが見たくて(笑)

のっけ、口上から入ってびっくり!

スーパー歌舞伎もII(セカンド)になって、現猿之助さん色の脚本なのだと思うのだけど、漢字(=抽象的な概念)の多い脚本とスーパー歌舞伎らしいケレン味が混じらない感じがして居心地が悪く、のめりこめなかった。
まあ、スーパー歌舞伎IIのスタート地点を見られたのは僥倖なのかもしれないけれど・・・。
たぶん猿之助さんの生ある限り、進化していってくれるのでしょうね。

澤瀉屋のみなさんは当て書きなのでしょう、適材適所。特に右近さんの説得力はさすが。出番は少なくても締めました。

福士誠治さんと浅野和之さんは美味しい役どころでもあったので楽に演じられているようで、よかった。中村屋の笹野さんのようにレギュラー化するのかもしれませんね。
一番難しい役どころの蔵之介さんは・・・ご本人の率直な本音の感想を伺いたい。

2人の宙乗りは大サービスでよかったですよ。
そのために(初めて)2階席を取って大正解。
舞台装置の様子もよく見えましたし、面白かった。
美術はGOOD! 気に入りました。

20日までです。まだ少々お席残っているみたい。
よろしかったら・・・(→チケットweb松竹




スーパー歌舞伎II(セカンド) 空ヲ刻ム者 ―若き仏師の物語― 

◆みどころ
四代目市川猿之助によるスーパー歌舞伎IIがついに始動!
ここにあらたな伝説が生まれる――


 2014年、四代目市川猿之助がかつてない演劇空間を目指し、ついに始動! その名はスーパー歌舞伎II(セカンド)!!
 三代目市川猿之助(現猿翁)によって創造されたスーパー歌舞伎。そのスピリットを継承した四代目市川猿之助が、現代の演劇界を代表する才能たちとともにまったく新しい舞台空間を創造します。
 共演はスーパー歌舞伎を彩った歌舞伎俳優とともに、佐々木蔵之介をはじめとする現代劇俳優たち。そして作・演出は新進気鋭の劇作家・前川知大。最高のキャスト、スタッフを得て、スーパー歌舞伎II はあらたなる旅立ちを迎えます!


 舞台はいにしえの日本。

 ある山間の村に、十和(とわ 市川猿之助)という才能に恵まれた若い仏師がいた。しかし彼は、村人たちの暮らしも病床の母親も救うことのできない仏教に苛立ちを募らせていた。

 十和の幼なじみの一馬(かずま 佐々木蔵之介)も不作に苦しむ村人たちを憂い、彼らの暮らしをよくするため、都に出て官吏の道を選ぶ。一方、母の死と都から来た役人との争いから十和も村を出なければならなくなる。その後、牢に入れられ、盗賊と交わりながら成長する十和。かたや都に出たものの下級役人として無力感を募らせる一馬。それぞれの思いを胸に別々の道を歩んだ十和と一馬。一度は分かれた二人の道は、やがてまた交わる日を迎えるのだが…。


◆配役

     十和  市川 猿之助

     長邦  市川 門之助

     双葉  市川 笑 也

     菖蒲  市川 笑三郎

     興隆  市川 寿 猿

     喜市  市川 弘太郎

     時子  市川 春 猿

     吾平  市川 猿 弥

     九龍  市川 右 近

     伊吹  福士 誠 治

     鳴子  浅野 和 之

     一馬  佐々木蔵之介



大阪松竹座

第一幕 11:00-12:00
  幕間 30分
第二幕 12:30- 1:50
  幕間 20分
第三幕 2:10-3:35

平成26年4月5日(土)~20日(日)



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南座三月花形歌舞伎 昼の部

2014-03-11 | 観る・歌舞伎
minamiza_201403ff02_jpg.jpg南座三月花形歌舞伎 昼の部です。

南座に伺うのは2010年の顔見世以来。
ずいぶんご無沙汰していました。

吹雪峠、新歌舞伎とは言え上演がほとんど途切れていたのに、最近ちょこちょこかかるようでわかるなぁ。
この後、どうなるかというところを観客に考えさせるのが今は許される・・・。

素襖落、松羽目ものは寝るのよねぇと思ったらほんとに途中寝てしまって・・・新悟さんの踊りを見損ねた。 
太郎冠者が松緑さんで、彼のセリフ回しは嫌い(スミマセン)なんですけど、踊りはよかった。

今回、菊乃助さんの切られ与三が見たくて行ったのですが、体も声も凄みも線が細すぎてちょっと・・・。
吹雪峠のおえんもお富も梅枝さんなのです。時蔵さんのご長男。昔巡業で静御前を観たことがあるようなのですが、記憶はなく・・・。
菊五郎さんなら時蔵さんだったのだろう与三郎とお富をその息子世代が演るという面白さ。もちろん二人とも初役。
なので今後どう変わっていけるか楽しみにしておきます。
團蔵さんの蝙蝠安がとてもよかった。

なぜか先斗町のきれいどころがずらっと。余禄でした。


三月花形歌舞伎 昼の部

一、吹雪峠(ふぶきとうげ) 
       直吉  亀三郎
       おえん 梅 枝
       助蔵  松 也

◆極限状態で描く三角関係の人間模様
 荒れ狂う吹雪の中、山小屋に辿り着いた助蔵とおえん。おえんは、助蔵の兄貴分である直吉の女房でしたが、助蔵と密通を重ね、駆け落ちをしました。そこへ偶然にも直吉が現れ再会する3人。一旦は2人を許した直吉も、仲睦まじさを目の当りにして耐えきれなくなり、殺気立った形相で2人に出て行ってほしいと言います。固く結ばれていた2人でしたが、死の恐怖から互いを罵り命乞いを始め…。
 人間の男女の愛憎と欲望などを描き出した巧みな心理劇の新歌舞伎をご覧いただきます。

二、新歌舞伎十八番の内 素襖落(すおうおとし) 
       太郎冠者   松 緑
       太刀持鈍太郎 亀 寿
       三郎吾    巳之助
       姫御寮    新 悟
       次郎冠者   松 也
       大名某    権十郎

◆新歌舞伎十八番の嚆矢となった喜劇味溢れる舞踊劇
 伊勢参宮を思い立った大名が、叔父を誘おうと、太郎冠者を叔父の館へ向かわせますが、あいにくの不在。名代の姫に酒を振舞われ、太郎冠者は盃を重ねます。源平合戦の「那須の与一」の件(くだり)を語ってみせ、さらに素襖まで頂戴しますが、帰宅した太郎冠者は酩酊状態。決して渡すまいと隠していた素襖を大名の前で落としてしまっても気づかない始末です。そして、素襖を巡って大名が、太郎冠者をからかうのでした。
 狂言をもとにした松羽目舞踊の嚆矢となった作品です。竹本と長唄の掛合いでお贈りする喜劇味溢れる舞踊劇をお楽しみください。

三、与話情浮名横櫛 (よわなさけうきなよこぐし)
    木更津海岸見染めの場
    源氏店の場
       与三郎     菊之助
       お富      梅 枝
       蝙蝠の安五郎  團 蔵
       鳶頭金五郎   松 緑
       和泉屋多左衛門 彦三郎

◆若旦那の一目惚れから生まれた、しがねぇ恋の行く末は・・・
 「木更津海岸見染めの場」大店伊豆屋の若旦那与三郎が鳶頭の金五郎に連れられて浜見物をしていると、木更津界隈の顔役である赤間玄左衛門の妾お富と出会い、浜辺で互いに一目惚れします。
 「源氏店の場」2人の仲を知った赤間により、与三郎は瀕死の重傷を負い、お富は身投げをしたところを和泉屋多左衛門に救われました。それから3年が経過。今は、多左衛門のところで囲われ者となっているお富のもとに、時折たかりにくる蝙蝠安が、相棒をつれて訪れます。頬被りで傷だらけの顔を隠したその相棒こそ…。
 「しがねぇ恋の情けが仇」の名ぜりふが有名な世話物です。


京都南座 
平成26年3月2日(日)~26日(水)
吹雪峠 11:00-11:30
   幕間 30分
新歌舞伎十八番の内 素襖落 12:00-12:55
   幕間 30分
与話情浮名横櫛 1:25-2:50




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三代猿之助四十八撰の内 新・水滸伝

2013-08-22 | 観る・歌舞伎
oosaka_201308.jpg

oosaka_201308 - コピー

久しぶりの歌舞伎鑑賞です。

三代猿之助四十八撰の内 新・水滸伝(しん・すいこでん)@新歌舞伎座。
奇しくも前回観たのもこの劇場で、勘三郎さんの文七元結でした(2011.9)

久しぶりの歌舞伎鑑賞が澤瀉屋(二十一世紀歌舞伎組)になるとは、我ながらびっくり!
(スーパー歌舞伎は嫌いを標榜していたので)
まあ、若手と言われた二十一世紀歌舞伎組もすでにベテランの域ですが。
(ヤマトタケルを観たのは2005年でした)

新・水滸伝、スーパー歌舞伎的でケレン味たっぷり。
ごくごく一部のエピソードを取り上げているのでね、ストーリー的にはもう少し盛り上げてほしいところです。
宝塚チックな演出はちょっとばかり失笑ものかなぁ(ここは大阪だし)

右近さん、口跡が幸四郎さんにそっくりだと思うのですが、私は先代の猿之助さんを知らないので…。
笑三郎さん、主役と言っていいお働きで、すてきでした。
笑也さん、春猿さん、相変わらずおきれい。
猿弥さんのラブストーリーを見られるとは!
弘太郎くん、成長されましたよねぇ。
若手も立役、女形問わずきれいな方が増えていて、将来的にも楽しみですね。


三代猿之助四十八撰の内 新・水滸伝

ついに大阪初上演!歌舞伎界の風雲児・市川猿翁率いる澤瀉屋一門がおくる新趣向と臨場感あふれる大冒険活劇 中国四大奇書のひとつ「水滸伝」をもとに猿翁一門ならではの趣向を凝らし創られた壮大なスケール感あふれる大活劇「新・水滸伝」。主人公・林冲が個性豊かな面々と出会い、志を共にし悪政に立ち向かう勧善懲悪の痛快さ、「宙乗り」やアクロバティックでスピード感のある立ち廻りなどのケレン味あふれるアクション、華麗な衣裳、斬新な舞台構成など見どころ満載!

《配役》

林冲:市川右近
青華:市川笑也
王英:市川猿弥
姫虎:市川笑三郎
お夜叉:市川春猿
公孫勝:市川寿猿
彭玘:市川弘太郎
晁蓋:笠原 章


《あらすじ》

 北宋の国は乱れていた。梁山泊(りょうざんぱく)に根城を構え、悪党を束ねて暮らす好漢・晁蓋(ちょうがい)は、役人たちの不正に憤り「こんな国はぶっ潰そう」と思い立つ。かつて兵学校の教官まで務めながら、数多くの罪で牢に繋がれた天下一の悪党・林冲(りんちゅう)の噂を聞き、仲間に入れようと腹心の公孫勝(こうそんしょう)に助け出させる。

 その後、林冲は梁山泊を訪ねるが、晁蓋の留守を預かる女親分・姫虎(ひめとら)や美貌の殺し屋・お夜叉たちとそりが合わず、酒浸りの日々。そんなとき、隣町・独龍岡の若き跡取り・祝彪(しゅくひょう)が攻撃を仕掛けてきた。晁蓋の右腕・宋江を指揮官として、山賊あがりの王英(おうえい)ら梁山泊の猛者たちが闘いに繰り出してゆく。が、祝彪の背後には何と朝廷の重臣たる高俅(こうきゅう)率いる屈強の朝廷軍が控えていた...!

 姫虎は林冲に戦術指導を願い出るが「悪党のくせに絆だの仲間だのと白々しい」と一笑に付される。そんな林冲を、かつての教え子で今は朝廷軍の兵士となっている彭玘(しょうき)が密かに訪ね、林冲から授けられた「替天行道」の書を捧げて下山を迫るが、林冲はこれも邪険に追い払う。

 一方、敵ながら男顔負けに戦う祝彪の許嫁・青華(せいか)に王英が一目惚れしてしまう。だが、想いを伝えようとした王英はお夜叉とともに青華に捕縛され、祝彪は好機とばかりに二人の身柄と林冲の交換を申し出る。しかし人質交換は偽りで、林冲もまた二人と共に牢に繋がれてしまうのだった。実は高きゅうこそが林冲に皇帝への叛逆の罪をなすりつけた張本人で、目障りな林冲を梁山泊もろとも踏みつぶそうと目論んでいたのだった...。



大阪新歌舞伎座
2013年8月22日 11:30~  



まだ亀ちゃんの襲名公演観てないんですけど『ヤマトタケル』で観たいなぁと密かに思ってます。
(シャイロックはスケジュールが合わず見損なうし)
 



  

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哀悼

2012-12-05 | その他・歌舞伎
今朝がた、勘三郎さんが亡くなりました。
実は相当お悪いとは聞いてはいましたが…まさか…。

批判ばかりしていて、決してファンではなかったはずなのに、1日たっても胸にぽっかり穴があいた感じ…
あんなにエネルギッシュな人が、こんなに若くして亡くなってしまう無常
まだまだやりたいことはいっぱいあったはずなのに…。

最後に拝見したのは、去年の9月の大阪・新歌舞伎座の文七元結でした。
難聴から復帰されて、でも本調子には戻ってらっしゃらなくて…

もし舞台には戻れなかったとしても、そこにいてくださるだけでもよかったのに
中村屋だけではなく、歌舞伎界全体もどうなるんだろうっていう気持ちがあります。
私が心配することではないことはわかってますけど、つらいなぁ
小山三さんはどうされているでしょうねぇ(;_;)

ご冥福をお祈りするほかはありませんね。合掌


【追記】
「金曜プレステージ ~緊急特別追悼番組さようなら勘三郎さん 独占密着…最期の日々~」 2012年12月7日(金)
(放送内容は こちら に詳しい @価格.com.のページ)

たらればは禁物ですけれど、手術をしなかったらあと3年はご存命だったのかもしれないと思うと、ガンの治療の選択肢を考えてしまいますね。
4月の新しい歌舞伎座の杮落し公演で、孫の七緒八くんの初舞台を三代そろい踏みで出ることもできたでしょう。
七緒八くんに受け継がれたDNAを思うとき、せめて3年でもと思ってしまうのは……やはり詮のないことですね。
涙、涙の2時間でした。


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新歌舞伎座 新開場一周年記念 九月松竹大歌舞伎 昼の部

2011-09-05 | 観る・歌舞伎
台風一過なんてぜんぜん言えない、しょぼしょぼと雨の降る中、新歌舞伎座 新開場一周年記念 九月松竹大歌舞伎 昼の部 に行ってきました。
勘三郎さんの本格復帰公演です♪

新歌舞伎座は以前難波にあったのですが、上本町に1年前に引っ越してきて、杮落しは澤瀉屋でしたし、1周年記念の今月は中村座になっています。
今月松竹座では成田屋(+澤瀉屋)なので、同じ月に大阪で二つの小屋で歌舞伎があるなんて…ずいぶん上方歌舞伎も賑わってきたものですねぇ。
ひところのことを思うと隔世の感あり。
(でも今月松竹座は行かないつもり。まだ海老蔵を許していない私)

で、新歌舞伎座。お初。
演目3つも初見ばかりという初物尽くし。(こういうのは寿命伸びないかなあ)

勧進帳はよく観ますけど、御摂勧進帳(ごひいきかんじんちょう)は初めて。
歌舞伎らしい勧進帳で面白かったですよ~。
芋洗いの弁慶って言われているのがよくわかりました。

男女道成寺も初めて。道成寺もいっぱいありますけれどねぇ。
勘太郎(もうすぐ勘九郎になりますね)くんと七之助くんが息のあった所でいいなぁ。
でも、所化でつなぐ部分が多い気がして、息つく間もなしに舞うって感じがなかったかな。
これも道成寺の中ではユーモラスなんですね。

人情噺文七元結はこれはもう中村座の息のあった所で、勘三郎さんの勢いのおもむくまま。
芝のぶさんでお久はもうきついかと思ったのですけれど、いやあ、健気にうまい。
歌女之丞さんも、初めて意識したんですけれど、うまいですね。
これ、落語でも聞いてみようかな。

勘三郎さんは、ほんとに本復おめでとうございます。
前回1ヶ月公演を演られたのが、奇しくも去年の大阪城公園の平成中村座だったのですね。
因縁を感じます。
ムリをなさらず…お願いします。

新歌舞伎座独自のお客様もいらっしゃるみたいで歌舞伎には不慣れなのか、中村座にしては客席のノリが悪く、それがちょっと残念だったかなぁ。
篠山紀信さんが来られていましたよ。


新歌舞伎座 新開場一周年記念 九月松竹大歌舞伎 昼の部
 ≪演目・配役・みどころ≫
一、御摂勧進帳(ごひいきかんじんちょう)加賀国安宅の関の場

           武蔵坊弁慶  橋之助
           斎藤次祐家  亀 蔵
          九郎判官義経  松 也
           富樫左衛門  扇 雀
 兄の源頼朝と不和になった源義経は、武蔵坊弁慶を始めとする家臣たちと共に、強力や山伏に姿を変えて奥州に向かいます。しかし、安宅の関を守る富樫左衛門家直と斉藤次祐家は、一行の通行を許しません。そこで弁慶は一行が山伏である証拠として勧進帳を読み上げるなどするので通行が許されますが、弁慶のみ捕えられてしまいます。やがて頃合いを見て弁慶は縄を解くと、これまでの憂さを晴らすように大暴れしてみせるのでした。
 荒事ならではの豪壮な演技がその見どころで、のちに作られた歌舞伎十八番の『勧進帳』と異なり、古風で大らかな味わいがその魅力となっている作品です。



二、男女道成寺(めおとどうじょうじ)
    白拍子桜子実は狂言師左近  勘太郎
           白拍子花子  七之助
 桜が満開の道成寺に桜子、花子と名乗る白拍子がやって来て、舞を奉納するために舞い始めますが、烏帽子が落ちた拍子に桜子が狂言師左近であることが顕れてしまいます。仕方なく左近は狂言師の姿に身なりを改めると軽妙な踊りを踊り始め、花子は艶やかな踊りをみせていきます。
 歌舞伎舞踊の名作『京鹿子娘道成寺』を男女で踊り分けるのが眼目の華やかな舞踊の一幕です。


三、人情噺文七元結(にんじょうばなしぶんしちもっとい)
           左官長兵衛  勘三郎
            手代文七  勘太郎
           鳶頭伊兵衛  亀 蔵
          長兵衛娘お久  芝のぶ
         角海老女房お駒  歌女之丞
          和泉屋清兵衛  橋之助
            女房お兼  扇 雀

 左官の長兵衛は、達者な腕の持ち主ながら博打にはまり、今日も負けて帰ってきます。すると女房のお兼は娘のお久が帰って来ないことを告げるので、長兵衛も慌ててその行方を探そうとします。そこへお久が吉原の角海老にいることを知らせに、角海老の使いがやって来ます。実はお久は両親の窮状を見かね、自ら進んで吉原へ身を売ろうとしたのでした。角海老の女将お駒は、お久の孝心を褒め、長兵衛に心を入れ替えるように言って、五十両の金を貸し与えます。しかし長兵衛は、お店の金を紛失した為に身投げをしようとした和泉屋の手代文七にこの金を譲ってしまいます。翌日、お久の身の代を巡って長兵衛とお兼が夫婦喧嘩をするところへ、和泉屋清兵衛が文七や鳶頭伊兵衛と共に現れて・・・
 三遊亭円朝の人情噺を劇化した涙あり笑いありの世話物の名作をお楽しみ下さい。



隣の近鉄百貨店上本町店で「中村屋が受け継ぐ歌舞伎の世界 明緒写真展」があったので拝見。
2010年4月に建替えのために閉場した第四期の歌舞伎座(東京)の最終公演の舞台裏や、「中村屋」の俳優を中心に撮りおろした約70点の写真作品が展示されていましたが……ま、無料ですからね、推して知るべし(・・;)
まあ、おついでがあれば覗いてみられてもいいかな、無料だし。21日までです。
連獅子 2010年4月


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吉例顔見世興行昼の部@京都南座

2010-12-14 | 観る・歌舞伎
忙中閑あり。あの(笑)吉例顔見世興行昼の部@京都南座に行ってきました。

第一 羽衣(はごろも)
              天女       孝太郎
              伯竜       愛之助
従兄弟の息のあった踊り。
愛之助さんの踊り、よくなりましたね。
今回の騒動で、知名度も上がり、自信もついたのかな。

第二 菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
   寺子屋
             松王丸       吉右衛門
              千代       魁 春
              戸浪       芝 雀
          涎くり与太郎       種太郎
            園生の前       扇 雀
            春藤玄蕃       段四郎
            武部源蔵       梅 玉
寺入りなしで寺子屋を見るのは初めてで、ちょっと戸惑い。
吉右衛門さんの熱演にもかかわらず、今一つ乗れず…。


第三 阿国歌舞伎夢華(おくにかぶきゆめのはなやぎ)
           出雲の阿国       玉三郎
            女歌舞伎       笑 也
            女歌舞伎       笑三郎
            女歌舞伎       春 猿
            女歌舞伎       吉 弥
             男伊達       愛之助
             男伊達       翫 雀
           名古屋山三       仁左衛門
玉三郎さんを初めてきれいだと思いましたヾ(・・ )ォィォィ
久しぶりの澤瀉屋ご一門。春猿さん、いつもの華がないんですけど、お疲れ?
名古屋山三を代役の仁左衛門さん。孝玉でいいコンビであるはずなんですけど、これは見てくれの華で持つお役。海老蔵さんの方がよかったでしょうね。

   十三世片岡仁左衛門を偲んで
第四 伊賀越道中双六(いがごえどうちゅうすごろく)
   沼津
          呉服屋十兵衛       仁左衛門
           平作娘お米       秀太郎
            池添孫八       進之介
           荷持安兵衛       歌 昇
            雲助平作       我 當

松嶋屋の三兄弟で沼津を演られるのは初めてと聞いて、意外な感じを持つのは私だけではないはず。別々に演られているのを何度も観ているからなんでしょうね。流石の仕上がりです。
沼津は客席を歩かれる演目。ちゃんとそちら側の通路沿いの席を取りましたvv
歌昇さん、吉右衛門さんおひとりになられた播磨屋に移られて初、"播磨屋っ!"と声がかかっていたのはうれしかった。



世評の高い、夜の部の愛之助さんの「外郎売」も観たかったのですが、時間がなく…。
代役をバネにして大きくなれるのも愛之助さんの徳。
そこらへんを成田屋は(親子ともども)わかってるんでしょうかね。
舞台上での華において海老蔵さんに勝る人はいないのは事実。
ただ現代において、社会性のない破天荒な生き方は許されるものではないのも事実。
もう6月復帰がささやかれていますけど、(舞台上の)彼を観たいがために(人間として)甘やかすことは後々のためにならないって観客の方も自覚したほうがいいと思っています。

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じゃじゃ馬馴らし

2010-11-17 | その他・演劇等
蜷川幸雄がシェイクスピア作品、全37作を手掛ける「彩の国シェイクスピア・シリーズ」の第23弾『じゃじゃ馬馴らし』の大阪公演@シアター・ドラマシティに行ってきました。
オーラスの千穐楽!

亀ちゃん(歌舞伎俳優の市川亀治郎さん)が“じゃじゃ馬娘”キャタリーナ役で主演を務めるとあっては見ておかないと…。
←どれが亀ちゃんでしょう?(笑)

なんでも蜷川さんが歌舞伎の演出をした「NINAGAWA十二夜」で腰元麻阿を演った亀治郎さんに「なんて才能ある役者なんだろう、シェークスピアの女形をやってもらったら、どんなに面白いか」とひらめいて「じゃじゃ馬馴らしをやろう、やろう」と口説いたんだそう。
亀ちゃんがキャタリーナを演じますけれど、他のすべての役も男性俳優が演じる「オールメール・シリーズ」第5弾としての上演です。

≪ストーリー≫
修学のためパドヴァにやってきたルーセンショー(山本裕典くん)は、資産家のバプティスタが妹娘の求婚者たちに「姉の嫁ぎ先が決まるまで誰も妹と結婚をさせない」と宣言しているところへ出くわす。従順で美しい妹ビアンカ(月川悠貴くん)に対し、姉のキャタリーナ(市川亀治郎さん)は鼻っ柱が強く、街でも有名な‘じゃじゃ馬’。男などまるで眼中にない姉娘の結婚が条件となり苦りきる求婚者たちをよそに、ルーセンショーは召使のトラーニオを身代わりにし、自分は偽名を語ってビアンカの家庭教師になりすます。彼もまた、ビアンカに一目惚れしてしまったのだ。
求婚者のひとりであるホーテンショーの元へ、ヴェローナからペトルーチオ(筧利夫さん)という紳士が訪ねてくる。彼もまた結婚相手を探していた。相手は金さえあれば誰でもよいペトルーチオは強引にキャタリーナとの結婚話を進める。破天荒なペトルーチオの振舞いに辟易するキャタリーナ。それをよそに結婚話を進めるバプティスタだが…。
果たして、ルーセンショーはビアンカと結婚出来るのか?
そして、ペトルーチオはキャタリーナを従順な妻に変える ― じゃじゃ馬馴らしは成功するのか?
それぞれの結末は如何に…?


「NINAGAWA十二夜」で麻阿をロンドン仕様ではちゃめちゃに演った亀ちゃんがこちらもはちゃめちゃにキャタリーナを演ってます。
歌舞伎を茶化したようなセリフまわしや演技もそこここに見受けられ、蜷川さんも遊んでいるなぁって感じ。
まあ、これは喜劇ですからいいかしらね。

しかし、このストーリー、フェミニズムの観点からは大いに問題があります。
キャタリーナが従順な妻になりきり発言をするシーンなど、女性の多い客席は(白々しさに)シーン(笑)
こんな空虚な長セリフをしゃべりきる亀ちゃんはえらい(爆)
まあ、シェークスピアの時代だからと無理やり納得させるしかないんですけど…。

筧さんは長いセリフとコミカルな動きで元気いっぱい。(この長いセリフの応酬はシェークスピア由縁?)
月川くんはきれい~!! 宝塚の男役のイメージ。
山本くんも軽快にこなしてました。

シアター・ドラマ・シティ、初めて行ったんですけど、小さい劇場で、その客席までを使った演出も面白く、楽しい観劇でした。
アンコールでは蜷川さんもご登場。
亀ちゃんの存在感は素晴らしかった!!


彩の国シェイクスピア・シリーズは、埼玉県さいたま市にある彩の国さいたま芸術劇場で、シェイクスピア全37作を上演する企画。 演出家の蜷川幸雄を芸術監督に迎え、1998年よりスタートしたんだそう。

彩の国シェイクスピア・シリーズ 公式ブログ





外で宮本亜門さんをお見かけしました。
この舞台を見に来られたわけではなかったみたい。
近々何かなさるのかしらね。



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十一月大歌舞伎 大阪平成中村座 『法界坊』

2010-11-05 | 観る・歌舞伎
 隅切り銀杏のやぐらは中村座

先月に引き続き、大坂城西の丸庭園の大阪平成中村座の舞台を…。

憎めない悪党でありながら残忍さを併せ持つ乞食坊主・法界坊が繰り広げる騒動と愛憎と執念を描いた『法界坊』。
鯉魚(りぎょ)の一軸をめぐって二転三転していく物語と大切所作事の「双面」までを存分に楽しみました。
法界坊、NYで英語で行われた公演は記憶に新しいところです(いえ、NYで観たわけじゃなくてTVで)

串田和美 演出・美術
隅田川続俤 法界坊(ほうかいぼう)
           聖天町法界坊  中村 勘三郎
           道具屋甚三郎  中村 橋之助
    永楽屋手代要助実は吉田松若  中村 勘太郎
          花園息女野分姫  中村 七之助
    仲居おかん実は七郎女房早枝  中村 歌女之丞
           山崎屋勘十郎  笹野 高 史
             番頭正八  片岡 亀 蔵
          永楽屋権左衛門  坂東 彌十郎
           永楽屋娘お組  中村 扇 雀

改めてこれは歌舞伎のパロディだという印象を強く…。
勘三郎さんはじめおじさまたちがはちゃめちゃに演っているところを、勘太郎さんや七之助さんがぐっとこらえて真面目に演られているところが実に健気。
まあ、楽しかったからいいんですけど、本物(笑)の法界坊も観てみたいなと思う…(笑)

勘三郎さんはじめお歴々が紋つき姿でのしあるいて、「なんのCMだ?え?マクカフェ?なんで歌舞伎役者が?」思ったのは私だけじゃないと思いますけど、マクドナルドがこの平成中村座のスポンサーになっているんですね。
クーポン2枚いただきました。

(笹野さん、亀蔵さん、勘太郎さん、橋之助さん、勘三郎さん、扇雀さん、七之助さん、彌十郎さん)






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十月大歌舞伎 大阪平成中村座 昼の部

2010-10-25 | 観る・歌舞伎
今月と来月、大坂城西の丸庭園に大阪平成中村座の小屋が建っています。
平成中村座は、江戸時代のような芝居空間を現代に甦らせたいという勘三郎さんの熱意で、国内のみならずニューヨークやベルリンなどでも開かれているのはご存じの方も多いと思います。
大阪では8年ぶり。
前回のときは私にとってBefore Kabukiだったので全く知らず…
その後、他地域の話を指をくわえてみていたのですが、やっと念願かなって…

演目は
一、一谷嫩軍記
  熊谷陣屋(くまがいじんや)
            熊谷直実  中村 橋之助
             源義経  中村 獅 童
             藤の方  坂東 新 悟
             堤軍次  中村 萬太郎
             弥陀六  坂東 彌十郎
              相模  中村 扇 雀
橋之助さんが熊谷直実なんて重い役、それも芝翫型でできるようになっていたのにはちょっとびっくり。
獅童さんがきれいでした。毛嫌いしていたんですけど、うまくなったかも。


二、新歌舞伎十八番の内
  紅葉狩(もみじがり)
     更科姫実は戸隠山の鬼女  中村 勘太郎
              山神  中村 鶴 松
             平維茂  中村 獅 童
勘太郎さんの踊りは元々好きなんですけど、これもよかった。
鶴松君、大きく、うまくなっているのにびっくり! 御曹司に負けるな!
ラストシーン、舞台奥の壁を抜いたらそこには大坂城!

三、恋飛脚大和往来
  封印切(ふういんきり)
           亀屋忠兵衛  中村 勘三郎
         丹波屋八右衛門  坂東 彌十郎
            傾城梅川  中村 七之助
          槌屋治右衛門  中村 橋之助
          井筒屋おえん  中村 扇 雀
藤十郎さんで見慣れているので、勘三郎さんの忠兵衛はどうかなと思いましたけど、習ったんですね。随所に藤十郎さんが出てくる…。
梅川を七之助さん。親子のラブシーンは照れるなぁ。菊五郎さんと菊之助さんだとあまり感じないんですけど(笑)
新口村も見たかったなぁ。


来月も行きます。


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歌舞伎百年百話

2010-09-06 | 読む・歌舞伎
歌舞伎百年百話
上村 以和於
河出書房新社

このアイテムの詳細を見る
『近代歌舞伎の立役者、「團菊」死して百余年。その間の歌舞伎をめぐる出来事を、1年ごと、見開き2頁にまとめる。「「菊吉」の市村座時代到来」「歌右衛門時代の幕開け」等。』


見開き2ページに1年分の情報をということで、1903年「團菊」の死からの歌舞伎の歴史を端的に振り返っている。
情報豊富で実に面白い。
特に著者の上村さんは上方歌舞伎について理解の深い方であるため、ともすれば東京一辺倒になる類書の中で、きちんと上方についても書かれていることが好ましい。

座右の書になりそう。


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坂東玉三郎―歌舞伎座立女形(たておやま)への道

2010-07-06 | 読む・歌舞伎
坂東玉三郎―歌舞伎座立女形(たておやま)への道 (幻冬舎新書)
中川 右介
幻冬舎

このアイテムの詳細を見る
『不世出の女形、六代目歌右衛門が劇界に君臨する一九七〇年代、類稀な美を煌めかせ、五代目玉三郎は現れた。三島由紀夫らに見出された彼は、目映い美貌とその才能で、大衆から熱狂的な支持を得る。一方。女帝・歌右衛門をなお「至高」と讃える劇評家たちは、玉三郎を酷評し、女帝も彼を拒絶し続けた。かつて伝統と秩序の中で疎んじられた玉三郎は、いま立女形として劇界の頂点にいる。これは未曾有の奇跡なのだ。彼はいかにして歌舞伎座のトップに上りつめたか―。葛藤と相克の四十年。 』


私は歌右衛門さんに間に合わなかったのだけれど、玉三郎さんにも間に合わなかったのだと思っている。
本書で描かれるところの時分の花だったころの玉三郎さんを見ることはもうできない。

しかし、ただ単に資料を集めて恣意的につなぎ合わせるだけで1冊の本になるとはね。

今、時分の花の女形って誰なんでしょうね。
ちょっと前は菊之助だったけれど。
真女形は絶滅危惧種を通り越してしまったのかもしれない。





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このごろ 思うこと

2010-06-30 | その他・歌舞伎
このところ歌舞伎にはとんとご無沙汰である。

最近の記事が↓1月6日。
その後チケットは買っていても、観劇には行っていないし
本も買ってはいても、読んでいない。

とうとう七月の松竹座はチケットも買わなかった。
(まだ買えるわけだし、見にも行けるが)

自分なりになぜかなと考えてみるのだけれど

どうも魅力ある演目に出合わない。

演目はよくても、好きな役者さんではなかったり
歌舞伎座が閉まって関西では拝見することの少ない役者さんを見ることができるかもという期待が裏切られたり

多少体調が悪いこともあるのだけれど、わざわざ気合いを入れて見に行きたいというモチベーションにならないのだなぁ。

見に行けばそれなりに楽しめるのだけれどね。

選り好みをするようになったというのは多少の成長なのかしらね。


とりあえずの生存報告でした。

見に来てくださっているみなさま、ありがとう!

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