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低空飛行権を握っていたのではないか?・・イカの線刻石(2)・航空博物館にて

2016-05-09 | インカ・ナスカ・古代アンデス




事情があり、投稿に少し時間がたちましたので、もう一度この本をご紹介しようと思った経緯から書き始めます。

数年前、浅川嘉富氏の「恐竜と共に滅びた文明・・世界初公開・15000年前に掘られた石・イカ線刻石が語る」という本を読みました。

面白かったのですが、ちょっとセンセーショナルで、ほんとうかなあ、という気持ちもあったので本棚に入れたままにしていました。

先日図書館でふと「模様石に秘められた謎」という別の翻訳本をみつけました。

同じくペルーの石に掘られた線刻画について書かれていました。

浅川氏はペルーに旅立つ日の朝、知人からこの本を郵送で受け取ったのだそうです。

そして飛行機の中でその本を読んだ後、本物の線刻石を見たということでした。

南米の古代文明という大きな問題にもう一度立ち向かってみようかという気持ちになりました。

まずは、多少冗長ではありますが、コルネリア・ペラトゥ、ベルナント・ロイディンガー共著の「模様石に秘められた謎」をご紹介します。

著者たちは次に、軍事機密の保管庫であるペルー空港博物館をおとずれます。


リンクは張っておりませんが、アマゾンなどでご購入になれます。


         *****


       (引用ここから)



我々(著者たち)はイカの石調査のため1988年ペルーを2度目に訪れた時、この空軍博物館を訪問した。

館長の大佐が我々を案内してくれた。

イカの石の収集に大佐が熱心だったのは、その芸術的価値ゆえであった。

裏庭に足を踏み入れた我々は突然立ちすくんだ。

そこにイカの石が3つ置かれていたのだ。

20世紀最大の考古学的発見の一つと言えるであろうイカの石、年代も文化的分類もいまだ不明のイカの石。

我々は夢中で石に近寄り、石の埃を払おうとした。


大佐によれば裏庭のイカの石はカブレラ博士から寄贈されたものだということである。

石の大きさはまちまちである。

描かれているのは、様式化された鳥の絵で、その描線には有名なナスカの地上絵を思わせるところがあった。

ナスカの地上絵は大きすぎて、高空から眺めなければ何が描いてあるのかわからない。

描かれたのは何千年も前のことと思われるが、謎である。


地上絵を描いた高度な文明。。

これをのちの時代のナスカ文明やインカ文明と混同してはならない。

ナスカの地上絵の年代と目的を解き明かそうという試みが繰り返し行われているがすべて推測の域を出ない。

ナスカの地上絵をアンデス地方の謎の巨石建造物と結び付けて考え、その成立年代を従来考えられてきたよりずっと古いとする説の方がよほど現実的ではないか?

イカの石の線刻文様を紙に書き写してみて、初めて明らかになったことがあった。

線刻の描線が、まるで図案を前もって製図に描いてからそれを起伏のある石の上面に転写したもののようだったのである。

というか起伏のある石表面に画をスライドのように投影し、それをなぞったり彫り込んだようにさえみえた。

その描線は石表面のでこぼこに合わせて彫り込まれた線とは明らかに異なっていた。

この事実も、ナスカの地上絵を思い起させる。

地上絵の直線も、土地の起伏とは無関係に一定の方向に向かって地平線まで伸びている。

地上絵の研究に一生を捧げたドイツ人数学者は、「地上絵は原画を拡大するという方法で描かれたものにちがいない」と述べている。

土地測量の知識のある人にしか実感できないかもしれないが、原画を巨大に、しかも正確に引き延ばすという作業は高度な熟練を要するのである。


古代ペルー人はどのような器具や方法を用いてこれを行ったのだろうか?

イカの石を前に、われわれが抱くのもこれと同じ疑問である。

もちろんイカの石とナスカの地上絵では大きさに違いはあるけれども。


この点について尋ねると、大佐はちょっと微笑んで、「製図工にも分からないそうです」と答えた。

テーマ的に関連のある絵が描かれている複数の石を調査した結果、全く同じ幾何学模様が繰り返し彫り込まれていることが判明したという。

しかしはるか昔に、どのような技術を用いて原画を石に模写したというのだろう?

誰がどんな目的で?


我々はまずイカの石の素材そのものの年代をたずねた。

「イカの石は安山岩です」と大佐は説明を始めた。

「この地方の安山岩は、中生代に成したと考えられています。

イカの石は周りの水で角がとれて丸くなっています。

イカの石自体ができたのはおよそ2億2000万年前と考えられます。

アンデス山脈自体よりも1億6000万年古いことになります」。

さきほども述べたが、航空博物館は公共の博物館ではない。

空軍所蔵の製図工の手になるイカの石の線刻文様のコピーを閲覧するにも大佐の口添えが必要だった。

まるで軍事機密のような扱いだった。

イカの石は航空博物館には不似合いである。

その展示にも格別の注意が払われていないように思われる。

いくつかの石が裏庭に無造作に置かれている。

あとの大部分は地下室にしまい込まれたままである。

整理もされないまま積み重ねられているので、じっくり見ることも撮影することもできなかった。


大佐は現役時代、空軍の情報部に所属していた。

大佐は過去数十年間ペルー上空でおきた重要な事件について報告を受ける立場であった。

UFOの目撃証言は、逐一報告されていたはずである。

UFOの目撃証言件数では、ペルーはアメリカ大陸随一である。

大佐は専門家として、イカの石がUFOと関係があるとする説をどう考えているのだろう?


「イカの石の文様になにか宇宙人を連想させるものがありますか?」と我々はずばり聞いてみた。

「カブレラ博士のコレクションにはUFOを思わせるものや描かれている石は一つもありません。

過去50年間、何度となく空軍に見せられた目撃証言によれば、いろいろとヴァリエーションはありますが、UFOは葉巻やコーヒーカップの受け皿のような形らしいですね」という返事だった。

「でもイカの石には種類の特定できない鳥が描かれていますよ。
これこそまさに未確認飛行物体というべきじゃありませんか?」

「たしかに様式化された、鳥を思わせる飛行物体の絵はイカの石だけに見られるものです。

こんなものが描かれているということ自体がセンセーショナルなことではあります。

しかしだからといって地球外生命と関連づけなければならない理由はどこにもありません。

ヘルメット、その他の装備を身に着けた古代人や宇宙人を思わせる人物が描かれているわけでもありません。


イカの石の文様は既知の古代アンデス文化のどれとも関係がなさそうなのです。

既知のモチーフとの唯一の接点は、ハチドリを象ったと思われる画だけです。

ナスカの地上絵にもこれと似たものが見られます。

イカの石はナスカの地上絵よりずっと古いのです」。


「イカの石が偽造品だという可能性についてはどうお考えですか?」と尋ねると、大佐は再びかぶりを振った。

「偽造の線はありえません。

カブレラ博士は70年代のかなり長期に渡って情報機関の監視下にありました。

博士が信頼できる人物であることは実証済みなのです」。


我々は次にイカの石の制作年代について尋ねてみた。

「文献を調べても、どうもそこのところがあいまいなんですが?」と。

「イカの石の制作年代はまだ分かっていません。

しかしイカの石に文様を刻んだのが既知の文明でないことはたしかです。

もちろん現代文明でもありませんよ、そう言いたがる人が、考古学者やマスコミにもたくさんいますがね」と大佐は笑いながら言った。

「我々はイカの石をなんとか既知の文化に当てはめようと長年比較検討してきました。

しかしイカの石と既知の文化との結びつきはどうしてもみつかりませんでした。


たとえばこの画ですが、これを見るとイカの石を制作した人々は制空権を、すくなくとも低空飛行の制空権を握っていたように思われます」


          (引用ここまで)

           *****


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