始まりに向かって

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アジアで働く これから何をしていくか?が問われている・・朝日新聞

2015-04-08 | アジア


アジアの一員としての日本、というテーマをずっと考えています。

アジアの一員としての日本、という自覚がしっかりあれば、軸足が定まって、ブレないのではないかと思うのです。

もっと自由に、軽々と生きてみたいと思っています。

           ・・・・・

「働く・アジアという生き方・・成長社会だから、やりがい」
                       朝日新聞2014・12・23

アジアでの新しい日本人の生き方を紹介した連載企画の番外編として、タイの人材会社社長の小田原靖さん、アジアでの現地採用と企業をともに経験した佐藤望さん、知日派タイ人経営者ウイム・マノーピモークさんに、その実情や未来を語り合ってもらった。

「道開く度胸と勇気を」

●アジアで現地採用の日本人が増える理由は?

○今は日経企業で、現地採用で雇わない方が少ない。
日経企業同士でやりとりする場合も多く、日本時が必要とされています。



●佐藤さんは中国、タイ、シンガポールと現地採用で働きましたね?

○はい。中国の縫製工場では、駐在員と現地スタッフとの板挟みでした。
現地社員は、どうして給料がこんなに安いんだ?とくる。
上司はコストカットをギリギリやる。
調整役をしなければいけなくなり、勉強になりました。



●現地採用の待遇は?

○中国での医療は海外旅行保険が使え、帰国手当も出ました。
タイではプール付きのサービスアパートに住めました。
シンガポールでは普通のOLのような暮らしでした。
3か国で貯金もできました。

○今は中小零細企業がたくさん進出していて、駐在員より現地採用の給料が高いこともあるようです。
アジアの方が利益を出しているからと。
駐在員の方が給料が高い、というのは幻想になりつつあります。



●アジアの現地の人材と日本人の違いは?

○海外企業は新人を育てる機能がないので、日本企業で研修を受けて先輩に教えられた人は、バンコクで働きはじめた人より鍛えられていると思います。



●アジアで働くやりがいとは?

○成長社会で、やっただけ結果が出ます。
だから、その会社で偉くなって給料が上がるか、その仕事がうまくいかなくても、周りで見てくれる人がいて持ち上げてくれるか。
どちらでもない場合は、ちゃんとやっていないということです。

○今の日本企業では、現地採用組が日本で企業組織のピラミッドを上がる仕組みはないと思う。
自分の道を切り開く度胸とやりがいと勇気を持たないと、心地よいだけになってしまうでしょう。




「女性で苦労、なかった」

●働く上で、言葉はどれくらい必要でしょうか?

○日本人対応の仕事は「社会人力」があればできますが、職場には現地の社員もいます。
前向きに現地の言葉を学ぼうとしないと長続きしません。

○現地のことばを学ばないと広がりがない。
言葉は会社のためというより、自分を成長させる大事なツールだと思います。

○知人に、中国で現地採用から駐在員になった人がいる。
英語で仕事ができる東南アジアと違い、中国語ができると、日本の本社でも
中国担当で生き残る道があると思います。



●現地採用ではキャリアアップはできますか?

○それが普通だと思います。
わたしはこれまで1か所で1年くらい。
1年8か月働いたのが最長です。



●そんな経験を転職先は評価してくれましたか?

○規模が小さく、自分にまかせてくれる会社からの需要はありました。

○男女格差を感じてアジアに出た人もいます。

○日本より女性にチャンスが与えられると思う。
タイのデパート業界では女性社長が目立ちます。

○女性だから、と苦労したことはありません。

○アジアで起業する日本人も目立っています。

○すごい数で起業しています。
最近はサービス業の起業が多いです。



●佐藤さんはインドで起業しましたね?

○貿易のエージェントをしたいのです。
東南アジアの家具などをインド業者に卸す仕事を考えています。


「やり直せるのがいい」

●老後を含む社会保障の不安はありませんか?

○日本の年金も健康保険も一度も払ったことがなく、自分で稼いでためるしかないと思います。

○十分に支給されるかどうか分からない日本の社会保険に頼るより、自分で稼ぐ方が金額が分かります。



●結婚して子どもを持つと、冒険がしにくいのでは?

○家族を持つかどうかも含めて、人それぞれ、選ぶ道だと思いますね。

○家族を持たない人生もありでしょう。
日本では家族を持つべきだという考えが強くて、まじめに働かないといけなくなり、1年2年とふらふらすることもできない。



●小田原さんは、お子さんが3人と聞きましたが、どうですか?

○親が日本人同士なので、日本人学校に通わせ、一番上の子は北海道の寮のある高校に通っています。
インターナショナルスクールに通った結果、英語もタイ語も中途半端な若者を見てきましたから。

○私は日本で育ち、13才でタイに帰ってきました。
タイ人として生きていくなら、と親が帰してくれました。
今は、そこそこ語学ができる人はいっぱいいますし。



●起業で失敗したら?

○やり直せないと帰ってしまう人もいますが、成長社会でやり直せるのが、良いところです。

○アジアに働きに来る人も、年々、甘い、軽い気持ちで来る人が増えている。
ただ、失敗を教訓にして、再挑戦できる人はやり直しがきくと思います。

○アジアでは「過去」より、「今何をしているか」、「これから何をしていくか」、にウェートが置かれているんです。
悲壮感がないんです。



●40代、50代で失敗したら厳しいのでは?

○日本から職を求めてきた人が「もう25才だから最後です」と言う。
もう25だから、ということはアジアではない。
何歳でもやっていける。
逆にタイでは、働いた経験がある人や、定年後にやってくる人もいます。



●現地採用の経験を生かして日本で起業した人もいます。
海外で働いた経験が日本に戻っても求められる時代が来ますか?

○わたしが日本の企業に就職した1997年頃の日本は、人口1億2千万人の購買力のある国でした。
今では高齢化も進み、良い意味での改革が必要で、外国人も受け入れないといけないでしょう。

○日本でも、外国人を使ったことがあります。
外国人と働いたことがある経験が評価される時代が来るとすれば、よいことではないでしょうか?
そのような社会になれれば、日本は将来生き残っていくかもしれないですね。



★読者の反響

「文化、人を知れば、将来の肥やしになる。どこで生きるかは問題でなくなるでしょう」とはジャカルタや中国で勤務した男性。

アジアで長年、開発協力の仕事をした男性は「謙虚に学び、」智慧を出しあい仕事を進めることが大切」

1985年にシンガポールで日本語学校を作った女性は「当時、時間を守らない文化がありました。わたしは自分の価値観を保ちつつ、彼らの考え方に合せるため、仕事の約束では先方に出向くことにしました」。

家族が働くために出国した女性は「日本人が海外との懸け橋になる、大きな力になり得るとの文章にうなずけました。家族にエールを送ります」。

現地採用組のキャリアアップの現状、社会保障面のリスクといったテーマをもっと取り上げるべきだとのご意見もいただきました。今後の課題といたします。


                ・・・・・

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