始まりに向かって

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氷河とアメリカ大陸

2012-09-06 | インカ・ナスカ・古代アンデス



南米と氷河とミイラいう組み合わせは、想像力を掻き立てられます。

インカ、アンデスという言葉に感じられる、澄んだ空気と余計なものがないシンプルな感じは、氷河の冷たさからくるものだったのか、、と思うと、驚きを禁じ得ません。

南米に人類が生存し始めたのは、いつごろのことだったのでしょう?

関雄二氏の「アンデスの考古学」を読み、南北アメリカ大陸について思いをはせました。

リンクは張っておりませんが、アマゾンなどでご購入になれます。


             *****


            (引用ここから)

最初のアメリカ人

中央アンデス地帯に初めて人類が登場するのは、最終氷河期の末ごろ、すなわち12000年前から11000年前頃と言われている。

最初のアメリカ大陸先住民が、アジアからシベリア経由で渡ってきたというシナリオにはさほど変更はない。

むしろ最近、形質人類学に加えて人類遺伝学、地理学、言語学の分野からもこれを傍証するようなデータが提出されつつあるのだ。


問題は常に人類がいつ、どのようなルートでアメリカ大陸に渡ったのか、その後どのように南米まで南下していったのか、その時の生活様式はどのようなものであったのか、という点になる。


たとえば北米では氷河が成長をみせた時期に海水面が低下し、ベーリングが陸橋となっていたことがはっきりしてきた。

これによると、陸橋の出現時期は75000年前から14000年前頃とされ、その間であれば人類はいつでも北米大陸に渡れたことになる。

ところが渡った先の北米では、意外なことにアラスカよりむしろ南部で氷河が発達をとげ、人類の南下を阻んでいたのである。

氷河が後退するのが14000年前以降とされている。

つまりこの頃にならないと、人類は北米南部にも南米にもたどり着けないことになる。

しかし、これよりも前に氷河が一時後退していた時期があったのではないかなどの意見もあり、まだ結論は出ていない。



最終氷期のアンデスは、今日5000メートルあたりにある雪線が1000メートルも降下したことが推測されている。

こうした氷河の前進、拡大の時期はほぼ北アメリカと一致しているといわれる。

2万年前頃から12000年前ごろである。

ペルーとボリビアの国境にまたがるチチカカ湖も、12000年前頃より拡大する。

一方で現在、広大な面積を占めるアマゾン低地においては、熱帯雨林環境が縮小し、乾燥した地形が広がっていたことがよくいわれる。

また、海岸線では氷河の発達によって海底、大陸棚が露出していた。

こうして南米大陸でも北米のクローヴィス文化に相当するような遺跡が発見されている。


                 (引用ここまで)

  
                  *****

チチカカ湖、古代アマゾン文明、、知りたいことがいっぱいです。。


wikipedia「クローヴィス文化」より

クローヴィス文化(Clovis culture、リャノ文化複合)は、後期氷河期の終わり、放射性炭素年代測定によると13000B.P.から8500B.P.(B.P.は、Before Presentの略で、1950年を基点として何年前かを表す。)とされる時期に北米を中心に現われた、独特な
樋状剥離が施された尖頭器を特徴とするアメリカ先住民の石器文化である。

編年上古インディアン期に属し、指標となる尖頭器が、1930年代にニューメキシコ州東部リャノ・エスタカード地方の町クローヴィス近郊のブラックウォーター・ドロウⅠ遺跡でマンモスの骨に共伴して発見されたことに由来する。

クローヴィスの尖頭器は、テネシー州、ケンタッキー州などミシシッピ川中流域に集中するものの、合衆国全域とメキシコでもかなり用いられており、アメリカ大陸全体に分布している。

クローヴィスの尖頭器は、一般的には、長さ7〜12cmで、特徴的な樋状の剥離は、基部から1/4〜1/2の長さに及んでいる。

一方、基部が末広がりの魚尾形のものや、4cm程度の小型のものや、地域差もみられる。

ブラックウォーター・ドロウ遺跡からはマンモスのほかに、ラクダ、馬、バイソンなどが確認され、スクレーパー、石刃、たたき石、剥片石器も出土している。

アリゾナ州のレイナー遺跡では、9頭のマンモスの骨をはじめ、ウマ、バク、バイソンの骨が発見され、コロラド州のデント遺跡でもマンモスの骨に伴ってクローヴィスの尖頭器が出土している。

これらの遺跡はいわゆる獲物を殺して解体し、毛皮や肉をとったりしたキルサイトと言われるものである。

アリゾナ州のマレー・スプリングス遺跡では、尖頭器や2頭のマンモスやオオカミ、そのほか他の遺跡で発見されたものと同様な動物骨のほかに、12000点の剥片や両面調整の石器やマンモスの骨に穿孔を施した骨角器が発見された。

一方で、ワパナケット8遺跡のようにのみや彫刻刀のように用いられたグレーバーやナイフ形石器、スクレーパー、剥片石器とともにおびただしい尖頭器が発見され、動物骨はまったく見られない前述のキルサイトとは異なる様相の遺跡もあり、住居跡であったと考えられている。


クローヴィス人は、一般的に新世界の最初の人間の居住者と見なされていて、北アメリカと南アメリカの全ての先住民文化の祖先であると言われている。

しかしこの視点には、最近、チリのモンテベルデなどもっと年代が古いと主張される様々な考古学的発見により異論が唱えられている。



>最近、チリのモンテベルデなどもっと年代が古いと主張される様々な考古学的発見により異論が唱えられている。


この観点からすると、北米よりも南米の方が、先に人類が出現していた可能性もある、ということでしょう。



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