いつものように右側スタンバイ。それにしてもガードの人数の少ない大会だなぁ。
カウントダウンでスタート。ペースはゆっくり目。おっ、足を攣りそうになっている。
左から一人出ている。6ビートの大きな泳ぎだ。
防波堤の角を曲がるとき少しリードする。しかしすぐに追いつかれた。どうやら泳力では負けているようだ。
少しずつリードされ2番手で進む。後ろの選手が何度も足を触る。関東の人だろう。
げっ! 左足攣った! 全く動かせない。まだ序盤なのにヤバい!
最初の三角ブイを2位で回る。波がわちゃわちゃになってきた。泳ぎにくい・・・。
以前Yさんに「荒れた海が苦手なんですね」と言ったことがあるがどうやら俺もそうらしい・・・。
徐々にトップに離されてきた。すると後ろで足を触っていた選手が前に出てきた。凄い速さだ。「1周目は様子見」と思っていたが俺のあまりの遅さに我慢できなくなったのだろう。
3m前にいる2人の選手を追う。距離は変わらない。頑張って追いつきたいが精一杯だ。
樽ブイを越えて三角ブイを越えていく。コース説明ではターンする三角ブイと樽ブイは長い直線の大三角形コースのイメージだったがどうやら各ブイごとに角度がある5角形というコースらしい。
2つ目の樽ブイでターン。風でブイが動きまくる。しかし一気に泳ぎやすくなった。
んっ? 一人がペースを上げたな。一位と二位の差が広がっている。
あっ! 指に紐状の物が引っかかる感触。こっこれは!!
バチッ!! ぐっ! ク、クラゲだっ!! 今までに感じたことの無い衝撃! 痛ったぁ!左足付け根から足首まで丸ごとだ。
これはハブクラゲか?この痛みは今まで感じたことが無い。まだ足に絡みついている。
棄権か・・・。これだけガードが少ないと体調が悪化したとき本当にヤバい。とにかくゲートブイまで戻ってからそこで決めよう。
しかし、この強烈な1発で攣っていた足が回復した。動くぞ! 遅れてきた2位の選手を追い抜きトップの選手を追う。
ゲートブイが近づいてきた。心拍は正常。痛みも少なくなっている。差も縮まっている。行くぜ。
2周目になりまた進行方向が変わって泳ぎにくい。差が縮まらない。最初の三角ブイを回ったところで後続は見えない。後は前を追うだけだ。
しかし差は一向に縮まらずむしろ広がっている。2つめの三角ブイでは20m程の差になっている。
三角ブイを回る。んっ? 先頭が見えなくなった。ラストの直線でさらにペースを上げたのか?
完全にひとり旅になった。ペースを上げたいがここはさっきクラゲにやられた場所。おそるおそる進む。
ゴールが近くなり「あぁ2位かぁ。次の500mの為に温存しておこう。」などと考えているとジェットスキーが近づいてきた。
「向こうのブイを回って下さい」
えっ!! し、しまったぁぁぁ! 回るのはこっち側は樽ブイだ!完全なコースアウト。
棄権という文字が頭をよぎった。ブイに戻るよりゴールの方が遙かに近い。しかし今まで参加した100近くのレース。一度も棄権したことが無いというのが自分の中のささやかな矜恃だ
「どっちですか?」「向こうです」
その方向に向かって泳ぎ出す。100m程泳いで三角ブイが見えた。おかしい?三角ブイはさっき回った。
樽ブイがあるらしい方向へ向かって泳ぎ出す。ジェットスキーが近づいてきて
「向こうのブイをです」と言われるが
「そのブイは回りました」と答えて樽ブイを目指す。どう考えてもこの位置だと三角ブイは回っているだろう。見てないんだな。
さらに先にある樽ブイに方向転換してからは全力だった。もう何人に抜かれているかわからない。100近くのレースに出て何やってんだ! バカかっ!
自分自身に腹が立つ!レース前に「勝負ではなく海を楽しむ」とか中途半端な覚悟でレースに臨んでしまった事を、オープンウォーターの神様に「半端な覚悟で出てくんじゃねぇ!」と叱られている気がした。クラゲといいコースアウトといい完全に神に嫌われている。
いや!クラゲはともかくコースアウトは完全に自分のせいだ。
しかしこの区間の泳ぎは良かった。テンションが上がってきた。
ようやく樽ブイに着いた。近くは誰もいない。ブイの近くを回ろうとしたらなんと風で持ち上がったブイとブイの裏のロープの間に腕がハマった!! オイオイ、狙ってもこんなにスッポリ入らないだろう! 何だか笑えてきた。ここまで嫌われるとは・・・。
残り1km。ゴールに向かうがりに選手は見えない。残り500mでようやく前方の選手が見えた。よし! 追うか!
少しずつ近づいてはいるが届きそうに無い。残念だ・・・。
最後はダウンのつもりでゆっくりゴール・・・。こんなゴール、初めてだ・・・。
過去最悪のレースだった。
いろいろあるのがオープンウォーター。
石垣いきたなぁ。。。(^^)
まさにプールにはないオープンウォーターの出来事ですね。
私はまだ荒波に立ち向かう勇気がありません(笑)
「泳ぎたくない病」から、「レースに出たくない病」になりました・・・。
今回は自分が本当にイヤになりました。
ずっと天気が良かったのがせめてもの救いです・・・。