まるさんかくしかく〇△☐Ⅱ

雑感・雑記・日記

知里幸恵という娘さん

2020-09-18 09:51:20 | ふと思ったこと

2018 0629、函館から札幌へ向かう特急列車"スーパー北斗9号"の座席ポケットにあった小冊子。そこに特集されていた知里幸恵の写真をみてから、ずっと気になっていた。

明治36年(1903)0608、北海道登別に生まれ、大正11年5月11日(0511)に室蘭の港を発ち13日(0513)に上京。19歳で亡くなるまでの4か月間、金田一京助の許でアイヌ叙事詩の文字起こしに取り組んだアイヌの聡明な娘さん。持病の悪化のため帰郷を予定していた9月、帰郷直前に急逝。アイヌユーカラのローマ字表記と対訳(和訳)を編し終えるや心臓病の発作で亡くなった若き女性。その志のあり方に胸打たれてしまった。

記憶していた口伝の叙事詩を、金田一家の家事手伝いや子守などをこなしながら、夏の東京で心臓病と戦いながら文章化。0918の夜に稿を成し終えて金田一京助を呼び、アイヌ神謡集の出来上がりを告げ、ほどなく息を引き取る。心停止は0919かもしれない。

北の詩と人」の書き出しは、室蘭港から連絡船に乗る前の海の夕景描写から始まる。

鴇色(朱鷺色 ときいろ)の海の色が何度も何度も出てくる。そして、第7章  「神々の謡 沼貝が自ら歌った謡」の校正を終えてペンを置き、突然心臓が重苦しく痛み出す記述から、知里幸恵の最期の様子の記述へと次のように続く... 。

"(金田一京助が)彼女に苦しそうな呼吸を楽にしてやろうと、上半身をかかえて、そっと抱き起した。その瞬間、彼女の口から、桃色のシャボン玉のような泡がほとばしった" 。鴇色の海と桃色の泡という、上京と帰郷の同系色が、読む者の胸までも締め付けてくる。

金田一京助の志に感銘、命を賭して事を成し遂げんとするモノは何なのだろう。 <2018-09-18 0918>


++++++++++++++++知里幸恵+
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2018.10.3 このところほぼ毎日「北の詩の人」を読んでいる。涙が流れるのでなかなか読み進めない。
2018.10.12 ガストで私の語る知里幸恵の境遇や魂・志を聴くだけで、カミさん、涙! これも"銀の滴" ?
2018.10.29 知里幸恵さんの関連書籍の多いこと!如何に多くの方々から愛され続けていることか!!
2018.10.30 "銀のしずく「思いのまま」知里幸恵の遺稿集"は幸恵の文章が豊富で、人となりに触れられる。
2018.11.19 沖縄の二十代女性喜屋武さん(10数年前 同じサークル)の真っ直ぐさが知里幸恵と重なる ... 。
2019.5.11 アイヌが先住民族として認定された。沖縄(琉球王国)のそれはどうなのか。
2019.6.8 知里幸恵誕生日0608。遺稿集、日記や手紙を読み返している。上京の旅用に持参したという茹で卵、偉大。
2019.7.17 日本人もアイヌを蔑んだ事実がある。シサム(和人)は傍若無人で威張り散らしていたとも。【都合のいい略奪
2019.9.18 知里幸恵悼み大粒の雨。あめふるふる 知里幸恵への合掌。
2020.2.1 仮に、知里幸恵さんが生きていて遠目に見る事ができたとしたら、きっと静かで控えめな女性に映るのだろう。
2020.2.14 ネット検索すると分かる。どれだけ愛され、今も絶大な感謝を寄せられている知里幸恵さんであることが。
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2020.7.12 大正11年0712 黙っていればアイヌと知られず済むものをと和人に懸念され、更に強い心の波、アイヌ愛。
2020.8.22 宇梶静江さん、松浦武四郎生誕200年記念、三重県松坂市で開かれたトークショーに長男(宇梶剛士さん)と出演。
2020.9,18 曇って蒸し暑い朝、野分のような強風が吹き荒ぶ。10時ころから日差し。風は吹き止まない。
2020.9.22 知里幸恵が上京する時の模様を綴った日記に、東北方面でアイヌに似た駅名などを面白がる件がある。
2020.9.23 松任谷由実の“緑の町に舞い降りて”の歌詞、♪盛岡というその響きが♪。樺太・千島、東北に居住したアイヌ。
2020.10.18 アイヌの死生観。死んでも魂は天国みたいな処に行き懐かしい故人と生活できる。パラレルワールド?
2020.10.24 キリスト教信者でもあった幸恵さん。アイヌの世界観は聖書のそれと異なると札幌大学の本田優子さん。
2020.10.24 アイヌは縄文DNAを7~8割、日本人(和人)も縄文遺伝子を2~3割持っていると言われる。屋久杉好き頷ける?
2020.10.25 東京以北では初の国立博物館~民族共生象徴空間~「ウポポイ」が0712白老町に誕生。行ってみたい。
2020.10.26 イランカラプテ あなたの心にそっとふれさせてください という意味を含む「こんにちは」。
2021.5.11 知里幸恵が室蘭港を発った0511、また“銀のしずく”で京城丸乗船の様子を書いた手紙文を読み耽る。
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