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ライスボウル

2008年01月03日 23時30分37秒 | アメリカンフットボール
最近国内の試合は熱心に見ていない。甲子園ボウルやジャパンXボウルもTV観戦はしたものの、NFLを見るときほど集中していないし、最近の選手も覚えていないし。

松下電工と関西学院大の対戦となった今年のライスボウルは、ここ数年大学のトップレベルの力量が低下している懸念を抱いていたので、社会人の圧勝を予想していた。そして、前半は31-3とその予想通りの展開だった。関学のオフェンスは思ったほどは止められてはいなかったが、要所でミスが出ていたし、ディフェンスも大事なところで踏ん張りきれていなかった。
もうワンサイドで終わると思い、うとうとしながら副音声を聞いていたのだけれど。第3クォーターに14点差に追い上げ、一度は決定機でファンブルロストというミスがあったもののついには7点差まで追いつめた。社会人相手にこの健闘には正直びっくりした。
最後は無理がたたったインターセプトなどで差が開いてしまったが、それでも勝った松下より負けた関学の方が強く印象に残る試合だった。勝負という意味ではあれだけターンオーバーを喫して勝つのは難しいし、フィジカルの強さと経験で圧倒した松下の強さが目立った。特にMVPに選ばれたQB高田の存在感はやはり大きかった。

しかし、この試合で最も見る者の目を奪ったのは関学QB三原だったろう。ライスボウル史上最高の獲得パスヤードや驚異的なパス成功率といったスタッツ以上に、彼のプレイ振りは目を惹いた。無理せざるを得ない場面が続いて、その中で喫した3つのインターセプトや1つのファンブルロストは、仕方ないとはいえ、若さや経験不足の露呈といった感じだった。それでも最後まで恐れずにパスを投げ続けた。
国内のフットボールを見始めたきっかけは、京大の天才QB東海の出現からで、それ以後様々なQBを見てきた。スクランブル能力やクォーターバッキングで優れたQBは数々いたが、純粋にパサーとして見た場合日本史上最高のQBが生まれたのではないかと思った。パスの技術(投げる方も取る方も)に関しては年々進化しているのは事実だけれど、その集大成と言える試合だった。特に三原のパスはこれまでの日本人QBのパスとは違う何かを感じた。

パサーとしての能力はQBに要求される能力の数多くあるうちのひとつに過ぎないが、こんなQBが日本に現れたことが純粋に嬉しく思う。大舞台で強力な守備を相手にこれだけのパスを通したということが素晴らしい。パサータイプのQBは好みではないけれど、今日の彼のパフォーマンスには感動した。彼の今後にも期待だけれど、それ以上に今後彼を超えるようなパサーが現れてあれこれと比較できる日が来るときが楽しみだ(気の長い話だけれどね)。


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