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NFL2006 Week5雑感

2006年10月19日 18時20分02秒 | アメリカンフットボール
ルーキーQB三人がNFL初先発を果たした第5週。世代交代が進みつつある印象だ。今週の雑感はQBを中心に見ていく。

○ Cleveland 12-20 Carolina

トータルヤードでは大差はないが、インターセプト2つ、ファンブルロスト1つと自滅したクリーヴランド。4本のFGのみと攻撃は精彩を欠いた。若いQBフライは最初のシリーズこそ上手くドライブしてみせたが、次のドライブでインターセプトを喫した。NFLのスターターQBとしては及第点に達しているとは感じられない。どこまで辛抱して使い続けるのか。
カロライナQBデロームはチームの戦い方を確実にこなせる点が素晴らしい。攻撃ではあまりヤードが稼げなかったが、試合を上手くコントロールした。RBフォスターが106ヤードのランで攻撃を助けた。

○ Buffalo 7-40 Chicago

3つのインターセプトと2つのファンブルロストではビルズは手の打ちようがない。0-40からTDを取っても意味がない。トータルネットヤードがわずか145ヤード。シカゴの強力ディフェンスに為す術がなかった。QBロスマン一人の責任ではないが、現時点ではNFLのスターターとして信頼できるレベルには達していない。
13回のドライブのうち6回が敵陣からのフィールドポジションという攻撃陣にとってはとても楽な展開。圧勝ではあるが、FG4本というあたりに決め手不足の懸念も感じる。QBグロスマンはまだまだ経験不足な面も感じられ、こうした試合の割には成功率が低いのが難点だろう。

○ St.Louis 23-20 Green Bay

競った試合をうまく拾っている感のあるラムズ。攻撃に以前のような破壊力は影を潜め、守備も決して強いわけではないが、戦い方を知るベテランが多いのがうまく作用しているのか。QBバルジャーは決して強くは無い守備に対し後半3FGに終わったあたりに疑問を感じるが、それでも勝つ方法を身に付けつつあるかもしれない。
残り44秒で敵陣11ヤード。同点は確実で逆点の可能性も高い。そこでQBファーヴがサックされ、ファンブルロスト。勝敗が決まった。QBとしての様々な要素、リーダーシップ、強肩、ガッツ、守備を読む力、タフさなど高いレベルで示してくれたファーヴも年齢という敵には勝つことはできない。それでもNFLの平均レベル以上の力を持っているとは思うが、勝負どころでこのようなミスは寂しさを感じてしまう。

◎ Tennessee 13-14 Indianapolis

ドラフト1順ルーキーQBの初スターターゲーム。対するのはNFLナンバーワンQBペイトン・マニング。スコアだけから見れば、ペイトンをギリギリまで追い詰めたようにも見える。最初のドライブで88ヤードを運んでTD。しかし、攻撃の核はRBヘンリーで、彼の123ヤードのランが試合をコントロールした。QBヤングは10/21で63ヤード。パスのコールが少なく、パスもスクリーンなど楽なパスが多かった。問題は、スタッツよりも実際のプレー。正直NFLでは厳しい印象を持った。ランの能力は高く、マイケル・ヴィックタイプなのだが、ヴィック以上にパスに不安が残る。経験を積めば変わっていくかもしれないので、もう少し様子を見たいが…。
このところパスよりもランで試合を運ぼうとしているコルツだが、かえってQBマニングのパスのリズムを狂わしているかもしれない。テネシーディフェンスの健闘もあったとはいえ、1点差の勝利は予想外だった。特に前半は無得点でドライブもほとんどできなかった。後半キャッチアップのためにパスが増えて2本のTDに結びつけたが、マニングの調子はあまり良くない感じが拭えなかった。

○ Detroit 17-26 Minnesota

第3クォーター終了時に17-3が終わって見ればこのスコア。この試合デトロイトは徹底してパスを貫いた。ランはわずか11回で16ヤードのゲイン。QBキトナに託した空中戦は1TD3インターセプト。ずば抜けた才能は無いが堅実で経験豊かなQBであるキトナ。そんな彼もデトロイトでは苦しんでいる。いいレシーバーはいるものの、歯車が噛み合わない感じだ。
ミネソタにとってミスも多く褒められた試合内容ではない。第4クォーターTDを取って7点差に迫ると、サックからファンブルリカバーリターンTDを奪った(TFPは失敗)。その後FGで逆転し、続くデトロイトのドライブでインターセプトリターンTD。26点の半分は守備で奪ったものだ。QBブラッド・ジョンソンは力強さはないが、小器用。パスプロテクトのいいチームなら彼の良さは生きる。

◎ Miami 10-20 New England

マイアミのスターターQBはカルペッパーではなく、同じく移籍してきたジョーイ・ハリントン。デトロイトで失格の烙印を押されたが挽回の機会を得た。スタッツは232ヤードでTDゼロ、2インターセプトと決して合格点ではないが、少なくとも攻撃のリズムは格段に良くなり、前半は互角の勝負に持ち込めた。特にカルペッパーは球離れが遅くてサックを連発されたが、この日は1回のみ。現段階ではカルペッパーよりいいし、ポテンシャルも決して低くはない。
ハリントンを下回る140ヤードと出来の良くなかったQBブレイディ。それでも勝てるQBというところがブレイディらしさ。ランも出ず、トータルネットヤードが213ヤードと攻撃に苦しんだ。マイアミの反則の多さなどにも助けられた勝利だ。

◎ Tampa Bay 21-24 New Orleans

ドラフト6順のルーキーQBが初のスターター。ブルース・グラドコウスキーは20/31、225ヤード、2TDと素晴らしい結果を残した。もちろん楽なパス主体のプレイコールもあったが、敵地で波に乗るセインツ相手にこの成績は立派。プレッシャーを受けても慌てないというのはNFLで最も大切な要素。少なくともクリス・シムズより将来性が高そうだ。
攻撃はタンパの守備に苦しんだが、それを救ったのはルーキーRBレジー・ブッシュのパントリターンTD。ランではヤードが稼げずに苦しんでいるルーキーだが、パスレシーバーやパントリターンなどでその力を発揮している。QBブリーズは現在NFL屈指と呼んでもいいだろう。強力ディフェンス相手にインターセプトされない、サックされないという辛抱強いプレイが勝利に導いた。

◎ Washington 3-19 New York Giants

先制したもののあとはほとんど完璧に押さえ込まれた。トータルネットヤードで164ヤードではどうしようもない。守備がずるずる進まれ、攻撃がリズムに乗り切れなかったという面もあるが、全体に精彩を欠く内容。QBブルネルは以前のような力はないが、堅実なクォーターバッキングが出来るプレイヤー。ただ好不調の波も出やすく、この日は悪い面が出た感じか。
ジャイアンツは完勝ではあるが、トータルネットヤード411ヤードで1TDという結果に不満が残るだろう。RBバーバーが123ヤード走って試合をコントロールした。QBイーライ・マニングは23/33で256ヤード1TDと数字は見事だが、決め切れなさも示した。

◎ Kansas City 23-20 Arizona

頼りのエースRBラリー・ジョンソンが精彩を欠く中、代役QBデイモン・ヒュアードが288ヤード2TDを上げる活躍でチームを勝利に導いた。決して能力的に優れているわけではないが、自分のできる事をキチンとこなすプレイぶりだった。
ドラフト1順ルーキーQBの初スターター戦。マット・ライナートは22/35、253ヤード、2TD1インターセプトという成績。しっかりパスを投げ、いいドライブもしたが勝利にはあと一歩及ばず。このチームの最大の課題であるOLの弱さはこの日も4サックという形で現れた。ライナートにとってはプレッシャーを受け続けながらどういうプレイができるかが問われていくことになるだろう。

◎ New York Jets 0-41 Jacksonville

好ゲームを期待したがワンサイドの惨敗。QBペニントンの3インターセプトが敗因のひとつだが、もちろん彼だけの責任ではないだろう。RBワシントンが101ヤード走ったが、勝敗が決した後なのであまり評価に繋がらない。一度渡したモメンタムを最後まで取り戻せなかった試合だった。
QBレフトウィッチは9/20、140ヤードとスタッツはイマイチだったが2TDと勝負どころではきっちり決めた。試合はランで完全にコントロールした。RBテイラーが111ヤード、ルーキーRBジョーンズ・ドリューも59ヤード走った。前週のワシントン戦で崩壊した守備もこの日は建て直しシャットアウト。プレイオフ争いで大事な試合だっただけにこの勝利は大きい。

◎ Oakland 20-34 San Francisco

低迷にあえぐ西海岸の両チーム。共に2年目のQBがスターター。レイダースはWRモスが通産100個目となるTDパスキャッチでリードを奪う場面もあったが、5つのターンオーバーを喫しては勝てない。QBアンドリュー・ウォルター、終盤代わったトゥイアソポポ共に1TD2インターセプト。チームの苦悩は続きそうだ。
チーム力に課題のあるサンフランシスコで、QBアレックス・スミスが孤軍奮闘している。165ヤードとヤードは稼げなかったが3TD1インターセプトとまずまずの結果。この試合のヒーローは134ヤード走ったRBゴア。そして、3つのインターセプトをしたCBウォルト・ハリスだろう。

◎ Dallas 24-38 Philadelphia

WRテレル・オーウェンスに注目が集まった試合だったが、QBブレッドソーの乱調がぶち壊した。前半両チーム2個ずつのファンブルロストをするなど荒れた展開だったが、後半は一方的な試合となった。RBジョーンズが100ヤードを走り、ボールコントロールは上手くいきそうだったが、ブレッドソーが3インターセプトで台無しとなった。
ランが出ない中でQBマクナブがパスで活路を見出した。354ヤード2TDの活躍で批判して出て行ったTOを見返した形だ。もう一人目立ったのがルーキーWRバスケット。大型で跳躍力があり、この日はランアフターキャッチでも見せた。TOのような逸材となるかもしれないと楽しみな存在だ。

◎ Pittsburgh 13-23 San Diego

QBベン・ロスリスバーガーは苦悩の日々が続いている。彼が復帰してから3連敗。昨年のチャンピオンチームは危機的状況にある。この日も220ヤードTDゼロで2インターセプトとスタッツを見れば彼の不振が敗因のようにも感じるが、この3連敗はAFCの強敵相手であり、挑戦者のモチベーションの高さが良く見える試合だった。一方スティーラーズはミスも目立ちモチベーションがやや不足している感じにも見える。
ロスリスバーガーと同じ2004年ドラフト組のQBフィリップ・リヴァーズ。この試合のスタッツは24/37、242ヤード、2TD1インターセプトとまずまずの数字だが、数字以上に彼の能力の高さが発揮された試合だった。最初のドライブはインターセプトを喫し、その後も全く攻撃が進まずパントの連続。しかし、試合中に修正し、第2クォーターに1TD返すと、後半は試合を完全にコントロールした。RBではトムリンソンの控えであるターナーがいい働きを見せた。

○ Baltimore 3-13 Denver

NHKBSで放送があり、録画したのだけど開始時間が1時間遅れての放送で尻切れトンボ。これで今シーズン2回目。NHKの受信料なんて払う必要はないと言いたくなるね。
それはさておき、ディフェンスの力で4連勝スタートを切ったボルチモア。QBマクネアの加入で攻撃も改善されつつあったが、この試合ではマクネアが3つのインターセプトを喫して初の敗戦。特に第2クォーター同点に追い付かれた直後に敵陣深くまで攻め込みながらインターセプトされたのが痛かった。ロースコアゲームが確実な状況でのこのミスはモメンタムを失う要因になったと言える。
デンバーのQBプラマーも相変わらず調子が良くない状況だが、ボルチモア相手に92ヤード走ったRBテイタム・ベルがチームを救った。過去4試合で49点しか取れてないがそれでも3勝1敗といいスタートを切った。この守備陣の健闘に答えるためにも攻撃の確立が急務だろう。


☆反論無用のQBランキング
Sランク……ペイトン・マニング、トム・ブレイディ。いわゆる別格クラス。
Aランク……カーソン・パーマー、ドリュー・ブリーズ、ベン・ロスリスバーガー(A-)。最も油が乗ったQBたち。
Bランク……ジェイク・デローム(B+)、ドノバン・マクナブ、チャド・ペニントン(B-)、スティーヴ・マクネア(B-)。実力者。苦しい時でも頼れる存在。
Cランク……バイロン・レフトウィッチ(C+)、マット・ハッセルベック(C+)、フィリップ・リヴァーズ(C+)、ジェイク・プラマー、ブレット・ファーヴ、マーク・バルジャー、ブラッド・ジョンソン、トレント・グリーン、アレックス・スミス、デイヴィッド・カー、マーク・ブルネル、マイケル・ヴィック、マット・シュアブ、カート・ワーナー(C-)、マット・ライナート(C-)、ジョン・キトナ(C-)、ブルース・グラドコウスキー(C-)、トレント・ディルファー(C-)、チャーリー・バッチ(C-)、ジョーイ・ハリントン(C-)。及第点クラス。C+はBに近く、C-はDに限りなく近い。
Dランク……ケリー・コリンズ(D+)、ブライアン・グリーシー(D+)、イーライ・マニング、J・P・ロスマン、チャーリー・フライ、アーロン・ブルックス、クリス・シムズ、ダンテ・カルペッパー、ビリー・ヴォリック、デイヴィッド・ギャラード、ドリュー・ブレッドソー(D-)、パトリック・ラムジー(D-)、ヴィンス・ヤング(D-)、カイル・ボーラー(D-)。現時点ではスターターとしては力量不足。
Eランク……プロのスターター級でさすがにここの評価は・・・。

以前、カーソン・パーマーを初めて見たとき、これはダメだ、キトナに代えろと思ったけど、シーズン終盤にはかなりいいQBに成長していた。なので、こうした評価もどんどん書き換えられていくもの。シーズン開始前と今とでも若干評価が変わったりしてるしね。

☆ドラフト年別QB評価
2006……この第5週に3人がスターターとなった。見た中で最も良かったのはグラドコウスキー。もう少し経験を積めばNFL向きのいいQBになりそうだ。ライナートも良かった。OLが弱いのが可哀そうだが、すでに完成されている感じがする。ヤングは心配。パサーとしてとても頼りない。経験が彼を変えることができるだろうか。ドラフト1順で残る一人ジェイ・カトラーはプラマーの控えで修行中。

2005……アレックス・スミスが孤軍奮闘してる感のあるクラス2005。どん底のチームでの苦労が少しずつ実を結びそうな気配もあるようなないような。現在スターターは他にフライとウォルター。共に及第点に達してるとは言えず今後も苦労しそうだ。昨年15試合に先発したカイル・オートンは控えに戻った。再びスターターの座を取ることは難しいだろう。

2004……スーパーボウルチャンピオンに輝いたロスリスバーガーが出世頭。1順に4人指名されその全てが現在スターターを掴んでいる。リヴァーズは今シーズンスターターの座を得ていい結果を残している。1年目からスターターに着いたイーライ・マニングは2年目にプレーオフ進出を果たしたりしたがやや伸び悩んでいる印象も。ロスマンはそろそろ結果を残したいところだ。この4人以外では、控えながら非常に評価の高いシュアブがいる。

2003……1順に4人指名されたが、現在最も評価の高いのが1番目に指名されたカーソン・パーマー。既にNFLを代表するパサーと呼べるだろう。好調シカゴのグロスマンは怪我に苦しんでようやく今シーズンスターターとして戦っている。レフトウィッチもチームに無くてはならない存在まで成長したが、もう一段の成長が期待されてもいる。スターターから下ろされたのがカイル・ボーラー。正直NFLでは力不足に見える。クリス・シムズは開幕スターターの座を掴んだが、チームは勝利に見放された。

2002……1順に3人指名されたが2人がスターターから下ろされた。残っているのがデイヴィッド・カー。ただ今のままだとティム・カウチのような評価になってしまうかも。ハリントンはマイアミで再起を目指す。ラムジーもジェッツでチャンスを窺っているがやや実力不足か。他にジョシュ・マッカウンがデトロイトで出番を待っているが・・・。

2001……1順は1番目に指名されたヴィックのみ。新世代QBと持て囃されたがパスに悩む日々が続いている。2順指名だったブリーズがライバルチームセインツに移りチームを立て直している。QBとしては既に追い抜いた感もあるが果たして。

2000……1順はペニントン一人だけ。怪我がちで評価も下がり気味だがチーム力もやや低下気味で苦戦が続く。ワーナーからスターターを奪ったバルジャーは6順目。パサーとしては優れているが、プレイオフを勝ち切れない勝負弱さも垣間見える。勝負強さと言えば同じ6順目だったトム・ブレイディ。スーパーボウル3回制覇の実績はダントツだ。

1999……1順に5人が指名され、1番目2番目3番目とQBが続いた伝説のクラス1999。しかし、結果を残したと言えるのはマクナブとカルペッパーくらい。そのカルペッパーも最近は評価ががた落ちで新天地でも結果を残せずにいる。ティム・カウチ、アキーリー・スミス、ケイド・マクナウンは結果を残せず、2順だったショウン・キングも通用しなかった。アーロン・ブルックスはセインツで健闘していたがここ数年調子が悪く、新天地でもカルペッパー同様に結果が残せない。

1998……1順は二人。1番目がペイトン・マニング、2番目がライアン・リーフ。このライバリーは1年目こそいい勝負だったが、その後は残酷なまでの結果を示した。チャーリー・バッチ、ブライアン・グリーシーはスターターを得たりもしたが現在はバックアップ。この年のメンバーでマニングに先んじてスーパーボウルに進出したのが6順だったマット・ハッセルベックだ。

1997……1順はただ一人、ジム・ドラッケンミラーだが全く通用せずに終わった。2順ジェイク・プラマーはアリゾナでリーダーシップを発揮、デンバーに期待されて入ったがスーパーボウル進出の夢は果たせていない。

1996……1順指名はゼロでトップは2順のトニー・バンクス。ラムズなどでスターターを務めたが安定感に欠いた。ダニー・カネルはジャイアンツのスターターの座を得たが、安定感はあったものの力不足だった。

1995……1順の二人は今も現役を続けている。マクネアは古巣のタイタンズからレイヴンズに移り、もう一花咲かせられるか。ケリー・コリンズは創設2年目のパンサーズをチャンピオンシップゲームまで導く活躍を見せたがここ最近はジャーニーマンとして様々なチームでプレイしている。この他、トッド・コリンズ、コーデル・スチュワート、ロブ・ジョンソンを輩出した年だ。

1994……1順は二人。ヒース・シュラーはワシントンで大成せずに終わった。トレント・ディルファーはタンパベイではプレイオフで勝てず、ボルチモアでスーパーボウル勝利を味わった。その後控えとして各チームを渡り歩いている。そのディルファー以上にジャーニーマンなのがガス・ファーロット。昨シーズンはマイアミでスターターをしていたが、今期はラムズでバックアップを務めている。他にジム・ミラーなどがこの年のドラフトピックされたQBだ。

1993……1順は二人だが1番目と2番目だった。ブレッドソーとリック・マイアーがその二人だがNFLでは対照的な結果となった。そんなブレッドソーもバッファローに移ってからは波が激しくなり、ダラスで今もスターターだが昔日の面影が感じられないことも少なくない。ブルネルもパンサーズ時代の面影は感じにくくなったが、レッドスキンズのスターターとして頑張っている。現在欠場中のトレント・グリーンは未だにパサーとして高い能力を発揮し、今や同世代ではトップの活躍と言えるかもしれない。この年は他にビリー・ジョー・ホバート、アレックス・ヴァン・ペルト、エルヴィス・ガーバックと個性派が多かった。

1992……1順は二人。デイヴィッド・クリングラーとトミー・マドックス。共に大成せずに終わりそうだったが、マドックスはスティーラーズで花開いた。しかし怪我でスターターを手放してしまった。スーパーボウルチャンピオンも手にし、今もスターターの座を得ているのは9順目だったブラッド・ジョンソン。地味なQBだが、頼れる存在だ。他に、クレイグ・エリクソン、ジェフ・ブレイク、ケント・グレアム、タイ・デトマーらがこの年。

1991……1順の二人、ダン・クマガイアとトッド・マリノヴィッチは成功を果たせずに終わり、2順指名だったブレット・ファーヴだけがNFLで大成功を収めた。今も現役を続ける鉄人だが、若い頃は本当に凄かった。

番外1983……クラス1983は特別。6人が1順で指名され、ジョン・エルウェイ、ジム・ケリー、ダン・マリーノというNFL史に残るQBが輩出された。ただダン・オブライエンはスターターとして活躍したが他の二人は・・・なのがプロの厳しさとも言える。また、ヒューストンのヘッドコーチに就任したゲイリー・キュービアックもこの年のドラフト8順で指名された。

ドラフト外……他のポジションと比べるとドラフト外で活躍するのは難しいだろう。そんな中で抜群の実績はカート・ワーナー。レジのアルバイトからNFLヨーロッパでの活躍を経て、弱小だったラムズをスーパーボウルに導き優勝を果たすシンデレラストーリー。開幕直前にエースQBトレント・グリーンがシーズンエンドの負傷でどうなるかと思った開幕戦でまったく無名のQBが素晴らしいパスを投げまくったことを強く記憶に残っている。同じNFLヨーロッパ組ではジョン・キトナも有名。またCFL出身ではジェフ・ガルシアを忘れてはならない。スティーヴ・ヤングの後任という重責を果たした優れたQBだ。他にアンソニー・ライト、デイモン・ヒュアード、ケリー・ホルコム、ビリー・ヴォリックらがドラフト外。