奇想庵@goo

Sports, Games, News and Entertainments

アルファ・システムサーガと絢爛舞踏祭

2005年07月15日 21時25分01秒 | アニメ・コミック・ゲーム
CD-ROM付き『アルファ・システムサーガ』がようやく昨日届いた。
発売前から興味はあったのだが、FFXIにハマってるうちに発売されて予約特典のCD-ROMが入手できないということになったため、購入を見送っていたのだが、今回、絢爛発売に合わせて、CD-ROM付きのものが再発売されたので、注文・購入した。

パラパラっと見た程度だが、いろいろと懐かしさを感じた。ガンパレ発売後の熱っぽさや盛り上がり。様々な交流。ある意味異常とも言えた勢いの中にいたことが、私にとってガンパレを特別なゲームとしたことを改めて実感させた。意外だったのは、この本の中で触れている14ヶ月連続のオンリー即売会の最初と最後に居合わせた奇遇だ。当時も今も同人誌にはほとんど興味はないのだけど、ファン同士の交流という流れで参加した。

こうしたガンパレの思い出が強く蘇ると、どうしても絢爛との比較が生じてしまう。OVERSは進化し(AIは賢くなり)、やれることは増えた。しかし、ガンパレほどの思い入れは持つことはできない。それは、ゲームの方向性の違いが原因だ。絢爛は進化によって、己がイメージするストーリーを実現するために様々な手練手管を用いて成し遂げることを最大の目標としたゲームとなった。それはTRPGのコンピュータゲーム化の完成形と言えるのかもしれない。そこにはツールとしての存在理由が見えてくる。例えば、ゲーム発売のわずか二日後にネタバレ込みの攻略本が出た。でも、ツールとして見れば、ネタバレは全然問題ない。その先にこそこのゲームの魅力があるという点でまさに「ゲームデザイナーからの挑戦」だからだ。
そのツール性を強調しているのが、アルファ・システム内公式掲示板で芝村氏が語る「編成」の存在だ。「編成」はクリアのためには全く意味はない。あくまでも遊び方を自分の中で限定することでツールとしてこのゲームを楽しめと言っているのだ。こうしたプレイの縛りはガンパレでもあった。詰めガンパレとして、発売初期に開発側から提案された。その後、仲人プレイや戦闘特化型プレイといった展開はあったが、詰めガンパレ自体が強調されることはなかった。この辺りに、製作サイド(ゲームデザイナー)とプレイヤーの間の微妙な温度差を感じてしまう。
もちろん、ガンパレと絢爛ではAIの質の違いがあり、当時不可能だったことが今では可能になっているが故に、「編成」の面白さも大幅に拡大したのは間違いないだろう。「ニュー」開発に際し、「いやらしく堕落したののみ」を可能にするシステムとなると言われたが、今作ではNPCのそういった幅が広がってより多様なプレイができるようになった。
ただしツール化により失ったものも小さくはない。100年の平和といった目標や、ある程度のストーリーは用意されているものの、イベントは激減し、「編成」なしには単調なものとなりがちだ。ガンパレでは、プレイヤーにとって身近な学園生活と、縁遠い戦争体験を見事に融合させ、独特のリアリティを生み出していたが、今作は火星の潜水艦という状況で、しかも異星人を始め多彩すぎるキャラクターに、更にOVERS SYSTEMによる「介入」を前面に打ち出して、感情移入を極力遮断しているようにも見える。
こうした世界は一見ネットゲームのシミュレーション化のよう思われるかもしれないが、3年以上ネトゲにハマった身からすると、ネトゲとは全く違うものだ。残念ながら絢爛はあくまでオフラインゲームにすぎない。発売前にゲームデザイナー自身がネトゲと比較したような発言をしていたが、比較対象にはなりえない。AIがネトゲ的な働きをするまでには更に100年の開発が必要かもしれない。

正直、私自身の絢爛に対する評価は未だに定まっていない。ガンパレとの比較はゲームシステムの類似性からどうしても避けられずに、そのため評価が相対的に低くしてしまう面もあるのは事実だ。よく言われる「プレイヤーを選ぶゲーム」という言い回しが端的に当てはまるゲームだが、どんなゲームも多かれ少なかれプレイヤーを選ぶのだからその言葉だけで評価したくはない。戦闘のシステムは斬新とは言い難いが面白いし、何よりプレイ中に生理的な楽しさを感じてしまう部分があって、それが何に由来するのかよく分からないが、ずるずるとプレイを続けてしまう。

最後に、話は変わるが、おそらく最も充実したファンによる絢爛舞踏祭サイト「絢爛舞踏祭@Wiki」のことを。そこの管理者であるツバサさんは、ガンパレ初期に「OVERS system GUIDE MANUAL」というサイトを作り、謎攻略の中心的存在となった。GPM23の時はよくそこのチャットルームを覗いたものだ。書き込む勇気がなくて、ロムオンリーだったけど、それでもいい思い出。自分のサイトにチャットを置いたのもそこの影響だった。このように当時見知った名前に出会うことがとても大きな喜びになっている(一方的な片想いのようなものだが(笑))。だからという訳ではないが、もう少し真価を見極めるまでは絢爛と付き合ってみたいと思っている。