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アニメ感想:ミチコとハッチン 第2話「掟破りのブラウンシュガー」

2008年11月07日 01時51分52秒 | 2008秋アニメ
世界観にしても設定にしてもキャラクターにしても実は既存のアニメとそう大きく変わることはない。大枠としては『エル・カザド』に近いし、宮崎アニメや『ルパン三世』を彷彿とする場面もある。しかし、作品のにおいは既存のアニメと大きく異なっている。
もちろん「萌え」要素は排除されている。声も声優を起用していない。ただそれだけが原因ではない。おそらくキャラクターの行動原理、何に基づいて動くのかという点でこれまでのアニメにはないようなにおいを醸し出しているのだ。
主人公ミチコは脱獄して娘であるハナを連れ去る。それだけならば決して不可思議な行動ではない。だが、ミチコの行動には倫理観のかけらも無く、傍若無人、大胆不敵、とんでもなくタフで最後には必ず成し遂げるだろうと思わせるものがある。
これまでのアニメ的なスーパーマン(ウーマン)ではない何か、頭悪いし、人情味もないし、義理もなさげで、そばにいると絶対に迷惑しか掛けられないような女で、確かにいい女だけど、近寄りたくない存在。簡単に魅力的とは言えない女だ。普通のアニメの枠組みにはいなかったタイプ。そのミチコのために世界が成立している。細部から作り込んでいる。だから、独特のにおいが漂うアニメとなっている。
これが最後まで果たして持つのかは興味深いところだ。陥穽はいくらでもあるから。

ダメな大人と賢い子供のロードムービー的な展開だと映画『ペーパー・ムーン』を始め過去の傑作が思い浮かぶ。そうした展開になるのか、はたまた大きく裏切るのかこの先が楽しみだ。

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アニメ感想:のだめカンタービレ 巴里編 Lesson3

2008年11月07日 01時48分01秒 | 2008秋アニメ
原作で巴里編はそれまでの日本編に比べると地味な印象がある。破天荒なキャラクターたちとの笑いに満ちた日常生活を描いた日本編に対して、巴里編はより青春マンガ化していて才能への疑問や嫉妬が描かれたり、のだめと千秋の間も信頼関係は築かれているにも関わらずそれぞれの環境が原因で齟齬を生じたりするという展開が繰り広げられている。描かれる次元がステップアップした結果ではあるが、それによって日本編にあった良さが減少している部分があるのも事実だ。
ところがアニメは逆になっている。日本編は原作に忠実なあまり、アニメらしさがほとんどなく、原作をなぞっただけのアニメという印象を受けた。一方、巴里編はしっかりとアニメとして作品になっている。巴里編も原作には忠実だが、テンポが良くメリハリがしっかりとアニメのものになっている。これからもいかにアニメらしさを生かしていくか楽しみだ。

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アニメ感想:黒塚-KUROZUKA- 第5話「沙仁輪」

2008年11月07日 00時01分32秒 | 2008秋アニメ
限界。今回初めてといっていいくらいに敵を描いたが、それによってもう見る価値がないと判断した。他の記事でも書いたが、敵はその作品の世界観を映す鏡のような役割を担っている。敵がしょぼければ主人公の戦う理由も薄っぺらくなってしまう。敵に何の魅力も無く、関心を惹く要素も無く、では今後何を楽しみにすべきかも見えてこない。
キャラクターの魅力の無さも変わらない。ヒロインであり、物語の核心となる黒蜜が守るべき存在に見えてこない。黒蜜を取り戻したいという九郎の気持ちに共感できない。更に、いま九郎と関わっているキャラクターたちに深みがなく、乖離しているように見えてしまう。作品を通して生きているキャラクター性が伝わってこないのだ。
世界観や演出もどこかで見たようなものばかりで、独創性を感じない。頑張ろうとしているのは分かるのだが、作り手の自己満足にしか見えない。例えば今回「沙仁輪」のいる施設にあったステンドグラスがただ見栄えのためだけにあるように見えてしまった。なぜステンドクラスなのか。細部を積み上げることで初めてリアリティは生まれるが、これに限らず細部が滅茶苦茶すぎてリアリティが微塵も感じられないのは致命的だ。
題材が面白そうだっただけに期待していたが、残念ながら欠点が多すぎた。


アニメ感想:純情ロマンチカ2 第4話「口は災いの元」

2008年11月06日 23時57分30秒 | 2008秋アニメ
今回は『純情エゴイスト』の上條弘樹と草間野分の物語。野分視点はこれが初めてか。普段は上條が野分に振り回されてばかりだが、野分の微妙な心の動き、特に「呼称」問題を取り上げており非常に面白かった。
作品において、誰が誰をなんと呼ぶかというのは非常に大事だ。もちろんリアルでも特定の関係においては重要となる。野分の一途さと共に空回っているあたりも微笑ましい。
しかし、今回の話を上條の視点から見れば、相当振り回されていそう。宇佐美と美咲だと完全に大人と子供の関係になるが、この二人だとそういう関係にならないからどうしても上條の方が振り回されることになる。ガキっぽさを残してるって感じかな。それが魅力でもあるんだけれど。

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アニメ感想:かんなぎ 第5幕「発現!しょくたくまじんを愛せよ」

2008年11月04日 01時46分58秒 | 2008秋アニメ
今回はテンポが良かった。前回のひきはすぐに解決し(結構うやむやだったが)、ナギの学園アイドル化もどんどんと話が進んでいった。Aパート終了時のひきもうまく使っていて構成がかなり良かった。
強いインパクトがある作品ではないが、ようやく癖のあるキャラクターたちが活発に動くようになってきた印象だ。ただ基本の構成は非常にベタなので(男子高校生一人暮らしの元に美少女が転がり込んできたり、可愛い幼馴染がいたり、裏表のあるアイドルがいてすっかりだまされたり)、もう少しひねりが欲しいところだ。


アニメ感想:とある魔術の禁書目録 第5話「十二時(リミット)」

2008年11月04日 01時46分08秒 | 2008秋アニメ
分岐点と思う。話の展開は2種類考えられた。今は堪えて次に賭けるか、今賭ける何かが見つけられるか。受け入れられないとまでは思わないが、イマドキの若者受けを考えれば前者は無く、後者になってしまうというところか。
今は己の無力さを受け入れ臥薪嘗胆を期すという展開の方が私としては見てみたかった。ご都合主義的に苦境を乗り越えていくような物語ばかりの中で、新鮮に捉えられるから。そんな骨太な物語がアニメで見られない時代だからこそ、と思ったがさすがに原作を壊せないだろうしね。
展開については今後の捌き方次第といったところ。ただ語られていることが真実とは限らず、何が真実なのか常に見極めが必要というのは悪くない。ただ魔術師が単なる馬鹿に見えてしまう危惧もあるので、その辺も今後の描き方次第だが。


アニメ感想:あかね色に染まる坂 第3話「怪奇色のスクリーム」

2008年11月04日 01時44分59秒 | 2008秋アニメ
それにしても釘宮理恵が目立つ。特に『とらドラ!』の大河は素晴らしいが、単なるツンデレの女王ではなく演技の幅の広さが目に付く。この作品もツンデレを売りにしており、だから彼女を起用しているわけだが、彼女の演技でそれだけの作品に終わらせていない印象を残している。
18禁PCゲームが原作であり、学園ハーレム系の王道といった作品だが、これまでは軽いラブコメといった感じでライトに描かれている。作画や演出には難はあるが、今のところは楽しめるレベルにある。まあどうしても見たいというレベルでもないけれど。


アニメ感想:キャシャーンSins 第5話「月という名の太陽を殺した男」

2008年11月04日 01時44分04秒 | 2008秋アニメ
サブタイトルの言い回しはこれまでにも使われてきたが印象的で好きだ。こうしたけれんみたっぷりの演出が独特の世界観を生み出しているのも事実。しかし、本質的な部分、作品のテーマに関してはこれでいいのかと思ってしまう。
これまでにも指摘したとおり、青臭さや甘さがたっぷりで世界観とそぐわない。立ち食い蕎麦屋で練乳たっぷりのイチゴを出された気分と言うと大袈裟か。特に今回のキャシャーンとリューズのやり取りは酷かった。
ここまで”滅び”が描かれても、その原因がルナを殺したキャシャーンにあるとされても、リューズの気持ちに共感できる点が全くない。しかし、リューズの言動を受け止められないキャシャーンに対しても共感はできない。
地に足がついていない感覚。ロボットだからというよりも、生きている人間の情動を見つめることなくただ頭の中でこねくり回して作られた物語というように見えてしまう。あえてそう描いておいてそれを乗り越えるという仕掛けも考えられるが、徐々に不安は強まってきた。
新たなキャラクターが登場し新展開が予感されるが、それが果たして変化をもたらすものなのか注目しておこう。


アニメ感想:黒執事 第5話「その執事、邂逅」

2008年11月04日 01時42分32秒 | 2008秋アニメ
急展開。ギャグはおやすみでシリアスが続く。『こどものおもちゃ』やコミック版『ハーメルンのバイオリン弾き』のようにシリアスとギャグの狭間を取り払ってくれれば最高なのだが、そこまで求めるのは無理というものか。
切り裂きジャックの正体が分かり、ついに対決。序盤のチェスの場面で、執事のセバスチャンの万能性をコマに例えた場面で、セバスチャンの敵になりえるのは同属だけじゃないかと思ったが、いきなりその展開に。そこまで計算されていたかどうかは分からないが、そのシーンに関しては評価している。その後は可もなく不可もなくといったところか。
もう少し時間を掛けて伏線を用意して今回の展開にした方がよかったような気もするが、このあともっと凄いものが見れるとしたらこれもありだろう。期待に応えてくれるかどうか楽しみなところだ。


アニメ感想:夜桜四重奏~ヨザクラカルテット~ 第2話「キミノナハ」

2008年11月04日 01時41分20秒 | 2008秋アニメ
ヒメじゃないが「揺れるなよ」というのが感想。2話目からこれじゃ先行きが不安だ。1話に比べると物足りないが、出来は悪くないだけにいくつかの不安要素が気になってしまう。
特に敵の存在。前回も触れたが、明確な敵が存在する場合、世界観の重要な部分をその敵が担うことになる。敵側に主人公たちと対立する真っ当な理由がある場合、作品に深みを与えることができるが、一方で爽快感などが犠牲になったり、他の作品との差別化が難しかったりする。
例えば『天元突破グレンラガン』では、ロージェノムという明確な敵が存在していたうちは作品に疾走感があったが、それを倒した後は停滞し、最終的にはスピード感は取り戻したが前半ほどの強いインパクトは与えられなかった。
『セイントオクトーバー』のような秀逸な敵は描くのが難しく、『ヒロイック・エイジ』や『機神大戦ギガンティック・フォーミュラ』のように完全な対立軸まで示されない作品もあった。
この作品の場合、いかにも何か企んでいる系のちょっと愉快犯っぽいありがちな雰囲気が漂っている。『あまつき』や『かのこん』では主人公との関係を少しずらしてパターンに陥ることを避けていた。果たして今後どう描いていくのか。それによって作品への評価は大きく変わりそうだ。