白夜の炎

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チョコレート少女の自殺/遠藤誉のブログより抜粋

2016-02-03 18:33:09 | アジア
「◆チョコレート万引き少女の自殺に抗議して暴徒化した民衆――貧富の格差と政府への不満

昨年12月28日、甘粛省金昌市永昌県の13歳になる少女が華東超市(華東スーパーマーケット)東街店でチョコレートを万引きした。

少女はその日の昼、水しか飲んでいなかった。昼食のために学校から家に戻ってみると、テーブルの上にはわずかな小銭が置いてあるだけだった。華東スーパーがある広場でポップコーンを売っている父親に電話すると、その金で何か買って食べてくれという。少女は家で水だけ飲むと、その小銭で父親のためにうどんを買い、父親に届けた。お前が食べろという父親に「おなか空いてないから、いらない」と言い、その場を離れた。父親は無理やり別の小銭を少女に渡した。

目の前には何でも売っているスーパーマーケットがある。
少女は思わず店の中に陳列してあるチョコレートに手を伸ばしていた。
家は貧乏で、チョコレートを買うお金などない。
スーパーの監視カメラが少女の行動を撮っていた。

店員に捕まり、客の前で激しい詰問が始まる。
「名前は?」「さっさと名前を言いなさい!」「学校はどこなの?!」「親の名前は?!」「親の電話番号を言いなさい!」
店主も出てきて、容赦なく罵声を浴びせた。
周りの客が、「もう、その辺でいいだろ?品物も返したんだし…。学校に戻してあげたら?まだ子供なんだし…」とかばうが、店主は引かない。

少女は屈辱のあまり何も答えられず、ようやく母親の電話番号を言った。
母親が来ると、店側はチョコレートの10倍はする150元を出せという(1元は約18円)。払わなければ警察に通報し、学校に通知すると脅した。

しかし母親は10元しか持っていない。
母親は娘を店で待たせ、ポップコーンを売っている夫のところに飛んでいき事情を話した。二人合わせてかき集めた金額は95元。急いで店に戻り、店主に有り金ぜんぶを渡した。

「だめだ! 足りない! 150元出さなければ警察に通報するぞ!」
押し問答をしている内に娘の姿が消えていることに気がついた。
ハッとした時には遅かった。
少女は17階の屋上に行き、飛び降り自殺をしてしまったのである。

翌日、千人以上の民衆が華東スーパーを囲み抗議を始めた。
30日になると群衆の数は万を越え、暴徒化してしまう。
警察3000人以上が出動し、それでも騒ぎは収まらずに、ついに蘭州軍区から3000人の武装警察が出動。大きな事件に発展してしまう。その様子を伝えた画像はほぼ削除されてしまって、今ではあまり見つからないが、その一部は「Yahoo香港」や「文学城」などの写真から伺われる。10人ほどが拘束された。

貧乏なのだ。
特に甘粛省やチベット自治区あるいはウィグル自治区などの辺境の地に行けば行くほど、貧富の格差は激しい。」

http://bylines.news.yahoo.co.jp/endohomare/20160201-00054012/