白夜の炎

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北朝鮮の核実験が吹っ飛ばした3種類/マイケル・グリーン

2016-01-10 22:34:00 | 軍事
「 北朝鮮の4回目の核実験は全く驚くことではない。外部に送る信号、内部の政治危機、駆け引きのためのテコ準備などで北朝鮮の核実験の意図を説明するのはこれ以上意味がない。もう分析家は「金正恩(キム・ジョンウン)が望むものは何か」と問う必要もない。今はもう返答が明白でなければいけない。目標地点に到達できる核兵器を開発し、他国を抑止し、脅迫するという金正恩政権の長い間の意志は固い。政権の生存に必須の目標だ。今回の核実験で平壌(ピョンヤン)がこの目標にさらに近づいたのか、我々は数日以内に知ることができるだろう。

今回の核実験が過去数年間の対北朝鮮政策の土台となった3大前提をどれほど凄惨に吹っ飛ばしてしまったか、我々はまもなく発見することになるだろう。

1つ目、今回の実験で最も大きな打撃を受けたのはオバマ政権の「戦略的忍耐(strategic patience)」政策だ。オバマ政権は無対策(inaction)以外の代案を提示したことがない。北朝鮮核開発プログラムが招いた最高の危機状況でも、これに対処する米国の政策はなかった。

2つ目、平壌は今回の実験で韓国政府が中国にかけた期待に大きな穴を開けた。今まで中国政府に対する韓国の「求愛」は、中国が北朝鮮に対する外交プロトコル上の態度を変えるのにはかなり成功した。朴槿恵(パク・クネ)大統領はソウルと北京で習近平国家主席と何度も首脳会談をした。一方、中国の指導者らは金正恩を避けた。韓半島(朝鮮半島)で展開された冷戦の歴史を勘案すると、こうした差別待遇は驚くことだった。しかしこのようなプロトコル上の冷遇は中国の対北朝鮮政策転換では後押しされなかった。全く変化がなかった。中国は金正恩政権に物質的な支援を続けた。

金正恩は中国の侮辱を乗り越えるとみられる。中国の脅威が自らの統治に脅威になるという心配はしないようだ。今後数日間、我々は北京がどう出てくるか見ることができるだろう。北朝鮮政権が不安定になるかもしれないという中国の懸念が、今回も北朝鮮の厚かましさへの中国の怒りを上回る可能性が高い。結果がそう出れば、青瓦台(チョンワデ、大統領府)は北京の対北朝鮮影響力で北朝鮮問題で何を得られるのかについて本質的な質問をしなければならないだろう。中国に影響力を行使させるためにも韓国政府は同盟国と断固たる措置を段階的に取るという意志を固める必要がある。

3つ目、北朝鮮の核実験は国連安全保障理事会に対する信頼を吹っ飛ばした。以前のミサイル試験および挑発と同じように、今回の核実験も明確に一連の国連安保理決議を違反した。韓米両国政府は安保理の全会一致決議で北朝鮮を糾弾して制裁することに大きな意味があると信じた。しかし合意に汲々とし、制裁の構想と実行は常に脆弱になるしかなかった。
今回も安保理が全会一致で北朝鮮の安保理決議違反を糾弾し、新しい制裁を加える可能性がある。しかし象徴的な措置でなく実効性がある制裁が可能かは疑問だ。効果がある制裁となるには北朝鮮の海上・航空運送に対する義務的な査察が可能でなければいけない。そうなれば北朝鮮の核プログラム開発速度を遅らせることができる。また、北朝鮮の他の違法行為が発覚し、北朝鮮に打撃を与えることができる。日本政府が自国を離れる北朝鮮船舶の出港を禁止したり、査察を実施した時、効果があった。しかし北朝鮮はそのような制裁強化に猛烈に抵抗するだろう。これを知っているため、中国政府は制裁強化を避けようとするだろう。

一方、米国政府は安保理内で合意を維持するために低いレベルの制裁に回帰する可能性がある。我々が見慣れているパターンだ。強大国間の協力を維持するのは、北朝鮮を孤立させることだけでなく、シリアのような他の問題に対処するのに必要なためだ。今回は「有志連合(calition of the willing)」を結成し、中国とロシアに圧力を加えるのがよいかもしれない。しかし北朝鮮問題がより緊急な優先事項になる前には、緊張を高める戦略が採択される可能性が低い。

名画『カサブランカ』の最後の方に、実際に行動を取る意図はないが「何かしている」ことを見せなければならない警察署長が出てくる。北朝鮮の核・ミサイル試験に対する国際社会の対応も似つつあることを、国連安保理の決議が見せている。怒りと糾弾に続いて平常時に戻る。周期的に繰り返される外交パターンだ。しかし北朝鮮の核実験は線形的に展開している。4回の実験を通じて北朝鮮はますます危険な脅威となっている。北朝鮮に圧力を加えるのはさらに難しくなり、代案は減っている。

こうしたパターンは金正恩政権にかなり有利だ。このパターンを崩すには、対北朝鮮政策に対する前提が間違っていることをまず認識する必要がある。 」

http://japanese.joins.com/article/588/210588.html?servcode=100§code=120

北朝鮮の核実験は朝鮮統一のチャンス

2016-01-10 20:19:07 | 軍事
 北朝鮮が核実験を行った。ロイターのコラム( http://blog.goo.ne.jp/baileng/e/4cdc991e0836c3533067b9feb166f5a0 ) がふれているように、結局形だけの制裁が行われて、北の核開発は更に進んでいくことだろう。

 私が韓国の指導者ならば、南の経済力と、北の核戦力を統合する道を選ぶ。

 北の指導者もそれが正しいと考えるだろう。なぜなら大して支援もしない上に、米韓連合軍との戦闘に入ったとき、本気で守る覚悟もない中国にあれこれ言われるのにはうんざりしているからだ。

 そしてかつて中国も60年代、アメリカの封じ込め政策と中ソ対立の閉塞状況の中、核開発を進め、ソ連の圧力には核戦争で半分が死んでもまだ四億がいると答えて、決してし軍事的圧力に屈しない姿勢を示した。それが結局中国に今日の自主独立の政治的・軍事的地位を与えたのだ。北も同じことを目指している。

 韓国と北が正式に国交を回復し、政治連合を形成し、核戦力を共同で維持すると宣言したとき、誰がそれを阻止することができるだろうか。

 南北にとってもしかしたら歴史的チャンスが近づきつつあるのかもしれない。