環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

現代の富裕者の行動、B.ボルグの場合   

2007-03-22 12:52:43 | 社会/合意形成/アクター
私のプロフィールや主張、著書、連絡先は、ここをクリック

持続可能な緑と福祉の国をつくる会(仮称)のブログは、ここをクリック


「格差社会 何が問題なのか」(岩波新書 2006年9月発行)の「第3章 格差が進行する中で」で、「現代の富裕者の行動」について、著者の橘木さんはスウェーデンの興味深い事例を紹介しています(104ページ)。

x x x x x
・・・・・これら富裕者の所得や資産をますます増やそうとする行動を、どう評価すればよいのでしょうか。私たちは自由を保障する日本に居住していますので、これらの行動は批判できません。

もし法律を犯しているのなら、厳重に処罰されなければなりませんが、原則においては「個人の自由」と言えます。あるいは、弊害があまりにも目立つようであれば、税制や会社法の改正という政策もありえるでしょう。どのような具体策があるかを議論するには、一冊の本を必要としますので、ここではそれをしません。

しかし、1点だけややエモーショナルな事例を述べて、この節を終えたいと思います。それはあるテニスプレーヤーの話です。70年代から80年代前半にかけて活躍したスウェーデン人のプロ・テニスプレーヤーで、ビヨルン・ボルグという選手がいました。

名選手で数々の優勝を重ね、巨額の賞金を獲得しました。現役でプレーをしている頃、スウェーデンの所得税率が高すぎるとして、節税のために税率の非常に低いモナコに住居を移しました。しかし、現役引退後しばらくしてから、再び母国のスウェーデンに戻ったのです。

その理由は、確かにスウェーデンは税や社会保険料の負担は重いが、恵まれた社会保障制度は老後の生活に安心感があるので、自分はそれを求めてスウェーデンに住む、というものでした。

この逸話をどう評価するのか、それは人によって異なると予想しますが、海外逃避する日本人の富裕者の答えも聞いて見たいものです。
x x x x x x


橘木さんは、著書「家計からみる日本経済」の145ページで、「イギリス、ドイツ、フランスといったヨーロッパの大国は、日米と北欧諸国の中間あたりにいる。日本は“低福祉・低負担”、“非福祉国家”の典型であることがよくわかったが、では誰が安心を提供していたのだろうか。答えは、家族と企業(特に大企業)が福祉の提供者としてかなりの役割を果たしていたのであり、国民の福祉レベルは極端に低いものではなかった」と書いておられます。




↓環境問題の本質を知り、「環境問題についての共通の認識」を形成するためにご協力を!
そのためには、それぞれのマークを1回クリックしてください。

    

最新の画像もっと見る

コメントを投稿