環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

「経済」 「社会」(福祉) 「環境」、不安の根っこは同じだ!

「将来不安」の解消こそ、政治の最大のターゲットだ

斎藤環境大臣が今回の「業界の意見広告」を批判、過去には密約や怪しげな根回しも

2009-03-19 21:44:21 | 温暖化/オゾン層
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一昨日ご紹介した日本の温暖化対策に対する産業界の「意見広告」 に対して、今日の朝日新聞夕刊は、斎藤環境大臣が批判をしたと報じました。 


この機会に、日本の産業界や行政がこれまで社会に対してどのような行動をとってきたかを見ておきましょう。今回の産業界の意見広告が今に始まったことではなく、これまでの産業界や行政の行動の上になりたっていることがおわかりいただけるでしょう。

2004年
●地球を守るために私たちは行動します。環境税はいりません。

2005年
●官房長官:京都議定書 6%削減達成は「可能性は高い」 vs 首相 「決して容易ではない」

●経産省、根回しメール 業界団体に「環境税反対を」

2007年
●経産・環境省 環境税など意見対立 温暖化対策で合同審議会

●環境税構想 経産次官が酷評  「環境税、単なる啓蒙ではない」

●環境税バトル 甘利経産相も参戦

●温室ガス削減 「義務的目標に」 同友会代表幹事

2008年
●議定書の裏に密約 

●外交弱める内部対立
 削減目標設定理想か実績か
 欧米連携締め出し懸念
 国内議論、今こそ深く



マスメディアが報じた上記のような温暖化問題に対するさまざまなレベルの問題点は、日本の国際的な立場を極めて脆弱にしています。また、国内での行動の前提である「情報の共有化」あるい「社会的合意形成」の上でも支障をきたしています。常に世界の動きに振り回されている感がある現在の日本で最も欠けているものはほとんどの分野で「共通認識」が乏しく、「社会的な合意形成」がなされていないということでしょう。翻って、920万の小国スウェーデンが国際的に存在感があり、EUをリードできるのは国民の間で多くの分野で社会的合意形成がなされており、「政治的な意思」と「国民の意識」が同じ方向性を持っているからです。