環境問題スペシャリスト 小澤徳太郎のブログ

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混迷する日本⑭ 「CO2排出権」取引論の虚実、 10年前の議論だが.....

2008-01-28 12:12:43 | 温暖化/オゾン層
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今、世界はあたかも「排出権(量)」取引が唯一の実効性のある温暖化防止対応策であるかのような雰囲気になってきたように思います。昨日放映されたNHKの「クローズアップ現代」も、その流れに乗っているかのようです。私の環境論から考えると疑問がありますし、ある種の懸念があります


そこで、今日は、日本で世界初の「温暖化防止法」が制定された10年前に、「排出権取引」の議論に異議を唱えていた小野五郎さん(埼玉大学教授:産業政策論)という方が朝日新聞の論壇に投稿した記事を紹介します。私の環境論の立場からは、小野さんのお考えの方がわかりやすいのですが、皆さんはいかがでしょうか。



この投稿記事は、1997年9月8日に掲載されたものですので、地球温暖化防止京都会議が開催される3か月前に掲載されたものです。私はこの投稿記事を読むまで、小野さんがどういうお立場の方存じあげませんでしたが(10年たった今も状況は同じですが)、私にはこの方のお考えのほうが好ましい考えだと思います。小野さんのお考えはこの10年間で変わられたでしょうか。

次の図は京都議定書で決められた温暖化対策のメニューですが、排出権取引あるいは排出量取引「柔軟的措置」と位置付けられていますように、あくまで補完的ということではなかったのでしょうか。




米国や日本のように、国内での削減努力を十分にすることなく、補完的措置を優先するのはおかしいのではないでしょうか。


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