べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

くちびるの端をほんの少しもちあげて

2007年01月27日 09時42分58秒 | 慰め種

どうしたの浮かない顔して
そんなのきみには似合わない
だからほら
くちびるの端をほんの少しもちあげて
いつものように微笑んでごらん

ほらほら
幸せはいつもきみのそばに寄りそっているのに
あまりにきみがぼんやりしていて
ただ気づかないだけなんだ
幸せは日々の暮らしの中で
なにげないふりしてずっとそばにあるんだよ

あえてそんなふうに求めなくても
幸せはいつもきみの上に降りそそがれているんだよ
たとえば、かたい蕾をときほぐす
やわらかな春の陽射しのように
たとえば、乾いた大地をうるおす
優しい夏の長雨のように
たとえば、しっとり心にしみいる
秋の夜の月の雫のように
たとえば、凍てついた空から舞い落ちる
ふうわり清らかな綿雪のように
いつだってきみに降りそそがれているんだよ

たいせつなのはね
きみをとりまくたくさんの愛に気づくこと
かぎりなく降りそそがれる愛に感謝すること
そしてできることなら
いまきみが愛されている以上に愛すること

だからね
いつものように微笑んでごらん
くちびるの端をほんの少しもちあげて
いつものように笑顔をみせて
だってほら
きみのその笑顔で
どこかのだれかが癒されることだって
きっとあるにちがいないのだから





☆絵:マイケル・ルー☆
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2 コメント

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Unknown (ゆり)
2007-01-27 10:42:31
はじめまして。
ブログ「アートカフェゆり」管理人の、ゆりと申します。
作品を拝見しました、こんなにも想いを言葉にして表現できるなんてすごいですね…。
絵に言葉からのイメージを重ねつつ読ませていただきました。

私は絵が好きで、こちらに掲載されていた作品は私の好みです。近く、私もデュフィを載せたいと予定していました!

これからも自分の世界を持ち続けて、公開してください。
返信する
Unknown (べそかきアルルカン)
2007-01-27 15:05:08
☆ゆりさんへ

はじめまして♪
コメントありがとうございます。
ゆりさんは絵がお好きなんですね。
ぼくもへたっぴだけど、ときどき暇つぶしに描いたりします。
ちなみに“日曜美術館30年展”も見にいきましたよ。
これからも、よろしくです。
返信する

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