べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

出すあてのない手紙

2007年03月09日 21時02分18秒 | 慕情

一晩かけてしたためた手紙を
火にくべる
と、儚い想いが
ひとすじの淡い煙となって
蒼い空へとのぼっていった

一晩かけてしたためた手紙を
小瓶にいれて海に浮かべる
と、せつない心が
星座を見失った小舟のように
銀の波間をたゆたってゆく

出すあてのない手紙を
小枝に結ぶ
と、てのひらの中の青い果実が
哀しい・・・・・・と
ぽつりひとことつぶやいた










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