べそかきアルルカンの詩的日常“手のひらの物語”

過ぎゆく日々の中で、ふと心に浮かんだよしなしごとを、
詩や小さな物語にかえて残したいと思います。

山裾の疎水に沿った長い小路を

2015年11月23日 12時09分41秒 | 掌のものがたり

小高い山のふもとに
清らかな疎水の流れる町
かつてあなたが暮らしていた町

この流れに沿った長い小路をゆけば
あなたの髪を揺らした香しい風が
いまも吹いているのでしょうか

あの頃は
ほんの小さな芥子粒ほどの勇気さえ
持ちあわせていなかった

あなたのふわりとした優しさは
なぐさめであり救いであり
また痛みでもありました

いつかあなたと歩いた山裾の小路を
きょうはひとりで歩いています
なつかしい瀬音を耳にしながら

もう遅すぎるとわかっているけど
もう戻れないと知っているのに





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