small daily happiness

旅人の私が探す日常の小さな発見

ぼくと1ルピーの神様

2009年08月29日 | 読んだ本のこと
最近、めっきり小説が読めなくなった。
なーんか、本の意図を感じてしまう。
なーんか、作家さんのエゴを感じてしまうのだ。

そーんな私が久々に読んだ小説『ぼくと1ルピーの神様
映画『スラムドッグ$ミリオネア』の原作であり、インドという国の実態を描いた一冊。
すごく面白くて、あっという間に読み終えた。
映画はずーっと気になりつつも、未だ観ていなかった。
こりゃ、必ず観たい。いや、観るべきだ。

18歳の主人公ラム・ムハンマド・トーマス。
彼は〝クイズ・ミリオネア〟の賞金を上回る〝クイズ・ビリオネア〟で賞金を勝ち取ってしまう。
生まれてすぐに捨てられた主人公。
学校へ行ったことがない。
本を読んだ訳ではない。
なぜ、彼が優勝出来たのだろう?
そこには彼の人生とクイズの問題がリンクしていた。

インドが抱えている問題がヒシヒシと伝わる。
ヒンズー教とイスラム教とキリスト教。
孤児の売買と売春。
金持ちと貧乏。
インド人と欧米人。
格差社会、貧困、幼児虐待、家庭内暴力、殺人、強盗・・・
彼の人生とともに、インドの闇・影の部分が描き出されてくる。

これは絶対にオススメ。
インド好きな人
インドを旅する人
インドに興味がない人
自分の人生に落ち込んでいる人
最後に運命は自分の力で切り開くものだと納得するだろう。
インド人の逞しさを、存分に体感出来る一冊である。


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