昨日行われた天皇杯準々決勝にて、J2勢で勝ち残っていた鳥栖が横浜FMに完敗。広島も柏に惜敗を喫し、これでベスト4はJ1勢で占められることになった(25日に未消化のG大阪VS名古屋が行われる)。
昨季はJ2降格が決まった広島が意地を見せて準優勝を遂げた。今季は、大分と神戸を撃破した鳥栖がどこまで躍進するか個人的に注目していたが、現実は厳しかった。ホームベストアメニティスタジアムの大声援を背中に受け、横浜FM相手に天皇杯で絶好調のFW廣瀬が先制点を挙げるも、1-3と力尽きた。前半と後半の終了直後に失点を重ねたのが大きかったが、鳥栖は健闘したといえるだろう。こんなチャンスはそんなにあるわけではない。格上の相手に挑戦する場所がホームだったことは地元の人々にとっても非常に有意義だったはずだ。
彼らと同じカテゴリーに属する湘南を破った北信越リーグの松本山雅、その松本山雅を粉砕した神戸に圧勝した鳥栖。カテゴリーこそ違えど、非常に印象的だったのは地域クラブの奮闘。今こそ彼らローカルクラブの頑張りには、活況さの失せた日本経済に活力を与えるささやかな希望を見出したくなる。
今年の秋以降、米国のサブプライムローン問題を背景に、世界的金融恐慌は日本にも暗い影を落としている。昨日内示された財務省原案によれば、一般会計総額や歳出規模は2009年度では過去最大の規模となり、税収の落ち込みぶりを示す新規国債発行額は4年ぶりに30兆円を超えるという。契約社員をはじめ、大幅な人員整理があちこちで行われ、特にF1からホンダが撤退、WRCからスバルが撤退するなど自動車産業は地に墜ちつつある。
もちろん、これらの影響は日本各地のサッカークラブにも降り注いでいる。特に岐阜などはスポンサーが集わず経営不振が深刻で、大半のレギュラー選手が契約更新をされずチームを去る事態になっている。今季ようやくJ参入を果たした彼らを応援していたサポーターにとって、その功績を称えるべき選手がたった1年でほとんどいなくなってしまう事実は何とも聞くに忍びない。
活力を失った人々に、元気を失った社会にサッカーが少しでも力を与えられたらとは思う。自分たちの地域に応援できるクラブのある人たちは幸せなのかもしれない。また、応援できるクラブがなくても、現在開催されているクラブワールドカップなどを現地やテレビで観戦して、“非日常”的な熱狂に身を委ねられる人は幸せなのかもしれない。これらはサッカーだけでなく、プロスポーツが持つ重要な使命だ。
特にサッカーは、日本の頂に、世界の頂に最下層からでもチャレンジしていけるスポーツである。名もないチームが世界の強豪にチャレンジできる、地域クラブがプロクラブにチャレンジできる、そこに生まれる熱狂を享受できる人々の分母は限りなく広い。ローカルからナショナルまで、サッカーが与えてくれる歓喜は普遍かつ不変だ。
今後、Jリーグクラブだけではなく、カテゴリー問わず地域クラブの頑張りは問われる。地元に応援できるクラブがあることを少しでも知ってもらえたら、そしてそれが少しでもその人たちの活力になれば、クラブの存在意義は示されている証だ。
この天皇杯で、松本山雅は、そして鳥栖は、そんな存在として人々にどれだけ歓喜を与えたのだろうか。そして、今日のG大阪は、日本にどれだけの歓喜を与えられるだろうか。
いつでもサッカーには希望を、活力を見出せる。
昨季はJ2降格が決まった広島が意地を見せて準優勝を遂げた。今季は、大分と神戸を撃破した鳥栖がどこまで躍進するか個人的に注目していたが、現実は厳しかった。ホームベストアメニティスタジアムの大声援を背中に受け、横浜FM相手に天皇杯で絶好調のFW廣瀬が先制点を挙げるも、1-3と力尽きた。前半と後半の終了直後に失点を重ねたのが大きかったが、鳥栖は健闘したといえるだろう。こんなチャンスはそんなにあるわけではない。格上の相手に挑戦する場所がホームだったことは地元の人々にとっても非常に有意義だったはずだ。
彼らと同じカテゴリーに属する湘南を破った北信越リーグの松本山雅、その松本山雅を粉砕した神戸に圧勝した鳥栖。カテゴリーこそ違えど、非常に印象的だったのは地域クラブの奮闘。今こそ彼らローカルクラブの頑張りには、活況さの失せた日本経済に活力を与えるささやかな希望を見出したくなる。
今年の秋以降、米国のサブプライムローン問題を背景に、世界的金融恐慌は日本にも暗い影を落としている。昨日内示された財務省原案によれば、一般会計総額や歳出規模は2009年度では過去最大の規模となり、税収の落ち込みぶりを示す新規国債発行額は4年ぶりに30兆円を超えるという。契約社員をはじめ、大幅な人員整理があちこちで行われ、特にF1からホンダが撤退、WRCからスバルが撤退するなど自動車産業は地に墜ちつつある。
もちろん、これらの影響は日本各地のサッカークラブにも降り注いでいる。特に岐阜などはスポンサーが集わず経営不振が深刻で、大半のレギュラー選手が契約更新をされずチームを去る事態になっている。今季ようやくJ参入を果たした彼らを応援していたサポーターにとって、その功績を称えるべき選手がたった1年でほとんどいなくなってしまう事実は何とも聞くに忍びない。
活力を失った人々に、元気を失った社会にサッカーが少しでも力を与えられたらとは思う。自分たちの地域に応援できるクラブのある人たちは幸せなのかもしれない。また、応援できるクラブがなくても、現在開催されているクラブワールドカップなどを現地やテレビで観戦して、“非日常”的な熱狂に身を委ねられる人は幸せなのかもしれない。これらはサッカーだけでなく、プロスポーツが持つ重要な使命だ。
特にサッカーは、日本の頂に、世界の頂に最下層からでもチャレンジしていけるスポーツである。名もないチームが世界の強豪にチャレンジできる、地域クラブがプロクラブにチャレンジできる、そこに生まれる熱狂を享受できる人々の分母は限りなく広い。ローカルからナショナルまで、サッカーが与えてくれる歓喜は普遍かつ不変だ。
今後、Jリーグクラブだけではなく、カテゴリー問わず地域クラブの頑張りは問われる。地元に応援できるクラブがあることを少しでも知ってもらえたら、そしてそれが少しでもその人たちの活力になれば、クラブの存在意義は示されている証だ。
この天皇杯で、松本山雅は、そして鳥栖は、そんな存在として人々にどれだけ歓喜を与えたのだろうか。そして、今日のG大阪は、日本にどれだけの歓喜を与えられるだろうか。
いつでもサッカーには希望を、活力を見出せる。